【Startup Hub Tokyo】起業へ踏み出す「プロジェクトメンバー」特集その1

創業、起業を目指す人のための支援拠点・TOKYO創業ステーション Startup Hub Tokyo(スタートアップハブトウキョウ 以下:SHT)では、起業までの段階に合わせたメンバー制度を開設。その最終段階にあたる「プロジェクトメンバー」を経て起業する“先輩”たちを直撃! 彼らの成功のポイントとは?
 起業を目指す人であれば簡単に無料登録することができ、さまざまなサポートを活用できるSHT。1月のオープン以来、多くの登録者が一歩一歩、起業準備を進めている。そんな起業準備者を段階ごとにサポートするのが、SHTの会員制度。第1段階は起業に関心があり、起業情報の収集段階にある人向けの「メンバー」。第2段階が、起業や事業化に向けた取り組みを行う意思がある人向けの「プレアントレメンバー」。これは、メンバー登録後に自ら申請し事務局に承認を得る必要がある。そして最終段階が、SHTのイベントなどに参加し、起業に向けて具体的な準備に入った人向けの「プロジェクトメンバー」。起業アイデアやスペックを備えていることが前提となる。今回はプロジェクトメンバー2組と、最初に誕生した起業家を紹介!


起業が見えたら登録!「プロジェクトメンバー」とは?

【登録条件】
SHTのイベントなどに参加経験があり、起業に向け具体的な準備に入った人
自分がどの段階にあるのか、足りない部分はどこなのか。自分の現在地を客観的に確認するためにも、SHTのワークショップやセミナーに積極的に参加してみよう。「メンバー」→「プレアントレメンバー」と一歩一歩進んでいくのもあり。

【サポート体制】
登録者(グループ)ごとに、事務局の担当者が個別サポート
起業プランが固まれば、そのプランならではの問題点も発生するはず。そんなときには個別にサポートしてくれるスタッフの存在が大助かり。自分たちの起業プランを徹底的にチェックしてもらおう。

【裏技?】
起業したら、即プロジェクトメンバー卒業!?
起業したら、すぐにプロジェクトメンバーも卒業してSHTを利用できなくなるのでは…と思いきや、状況によって起業直後もSHTに通う人もいる。いずれ“先輩”としてサポートする側に回るかも?
いよいよ起業! SHT「プロジェクトメンバー」2組を紹介
日本の“後継者問題”に着目 〈ETOK STORAGE〉


〈プロジェクト データ〉
匠(職人)の後継者育成に、従来の“見て覚えろ”方式に変わる新たな教育方法となるプロジェクト。デバイスを主体とした教育プログラムをパッケージとして提供する。モニターに投影される映像を確認しながら、リモートコントロールによる指示を受けることで現場での作業が可能になる。これにより後継者育成期間も大幅な短縮が見込まれる。初期プロダクトとしては、溶接職人育成プログラムを予定。現在、モニターをつけたヘルメットと腕に装着するデバイスからなるプロトタイプを制作(写真)。工程を間違えると作動する“ツッコミ”アームを改良し、振動で知らせるタイプに変える他、通話システムも搭載予定とのこと。

〈プロジェクト ヒストリー〉
元自衛隊員で航空整備のエンジニアであり瀬戸物工場を営む実家を持つ岩井が、日本の職人不足問題にビジネスのビジョンを見出したことからスタート。趣味のスポーツイベントで知り合い、同じく伝統工芸の伝承に関心のあった会得京子(仮名)が加わる。先に岩井と知り合っていたM.A、日暮、さらに木村がビジョンに共感し起業メンバーに加わる。初期プログラムを溶接分野に絞り起業準備を進めていたころSHTを知る。1月、ワークショップ「TOKYO-DOCAN」第1期に参加。現在、起業に向け最終的な資金プランを調整中。
「僕らがやりたいのは“モノ作り”ではなく“人作り”」
― 〈ETOK STORAGE〉岩井隆浩


 僕らは職人育成用のデバイスを作るという、ハードウェアのスタートアップなんですけど極力“モノを作らない”と決めています。僕らはモノを作りたいから集まったわけではなく、職人不足の現状を打開しようと集まったチーム。そもそもは僕が実家の影響で伝統工芸の職人育成を考えていたんですが、陶芸の職人にデバイスを付けて教育するのはかなり難しい。そこで、僕とメンバーの一人が溶接の資格を持っていたこともあり、溶接業界ではどうかという案が出ました。溶接は日本の建築に欠かせない職業ですが人材がかなり不足しています。しかも育成が難しく時間もかかる。このデバイスでかなり負担を軽減できますし、すでに資格を持つ職人のスキルアップにも役立つはずです。皆さんご存知の東京スカイツリー、あれを構成する巨大な柱には大変な溶接技術が使われています。あれだけ大きいと、溶接している間に熱がかかる部分とかからない部分が出るので柱が歪むんです。ではスカイツリーの現場はどうしたかというと、一つの柱を四方から4人で一斉に溶接していったんです。これは4人が完全にタイミングを合わせ、かつ同じように高度な技能を持っていないと不可能です。こんなことは世界のどこもやってません。しかもスカイツリーの下部は三角錐で上は円柱型という特殊なデザイン。あれは溶接でなければ実現できません。当時は4人の溶接工がチームを組み、タイミングを合わせたんです。その時にこのデバイスがあれば、コンピューターで正確にタイミングを同時に伝えられますし、4人がモニターや音声で指示を受けつつ作業することができたでしょう。

 今後日本は、減少する日本人の職人と海外からの労働者に頼るしかなくなる。その状況で高い職人技術をどう伝承していくのか。僕らは機械を作りたいわけではなくて、人材を育成する環境を作りたいんです。スカイツリーは、そんな僕らの決意の象徴です。実は塔内のある場所の窓から、柱の溶接跡を見ることができるんです。僕らはそこを勝手に“決意の柱”と呼んでいます(笑)。チームが起業の決意を一つにした場所なんです。思えば、チームがいなかったら僕一人ではここまで来れなかったでしょう。仲間同士であらゆるアイデアを出し合い、反対し合いながら磨き上げてきた(笑)。だからSHTを知ったときには、僕らはほぼプランを固めることができていました。チーム外の人の意見ももらおうとSHTに登録したんですが、結果的にかなり助けられています(笑)。起業準備仲間も増えましたし、プロジェクトメンバーになって、より厚いサポートもしていただいています。作業する以外にも、打ち合わせ場所に使わせていただいたり(笑)。これは僕らのようにまだ拠点のない準備者にはすごく助かります。資金プランも見えてきたら法人化しようと考えているので、もう少しお世話になると思います(笑)。
SHT担当スタッフが語る「成功ポイント」

プランナー 大島恵子
 かなり個性豊かな方々ばかりなんですが、すごくバランスがとれているチームですね。まとめ役やダメ出し役、こだわり派や自由な発想をする人がいて、みんながあれこれ口を出したくなる岩井さんがリーダー(笑)。チーム内でいろいろな視点から話し合いビジョンをしっかり固め、ブラッシュアップしながらプランにつなげていくことができたのがこのチームの大きな強みだと思います。
TOKYO創業ステーション「Startup Hub Tokyo」
【住所】千代田区丸の内2-1-1明治安田生命ビル1F
【交通】地下鉄千代田線 二重橋前駅直結
【時間】平日10?22時(受付21時まで) 土日祝10?18時(受付17時まで)※託児室:火木土(要予約)
【URL】 https://startuphub.tokyo