アラゾフへの挑戦権を賭けメーンで日菜太vs廣野【12・27 K-1】

今年最後の大会のメーンを任された日菜太(左)と廣野

日菜太「自分のキック人生の集大成として臨んでいく」
 K-1の今年最後の大会となる「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~SURVIVAL WARS 2017~」(12月27日、東京・後楽園ホール)の対戦カードが11月12日発表された。

 プレリミナリーファイト2試合、本戦7試合が行われる。

 メーンの第7試合では「K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級次期挑戦者決定戦」として日菜太vs廣野祐が行われ、勝者が来年3月のさいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ大会で王者・チンギス・アラゾフへ挑戦する。

 2人は2014年にREBELSで対戦。その時は3分×5Rで戦い、日菜太が2-1の判定で勝利を収めている。

 廣野は6月に行われた王者決定トーナメント1回戦でサニー・ダルベックと対戦し、優位に試合を進めていたものの負傷によるTKO負けを喫した。しかしこれまでの実績が考慮され、今回の出場となった。

 廣野は「トーナメントの1回戦で負けて“終わった”という気持ちになっていたが、あと2回勝てば念願の世界一。格闘技を始めた時から世界一になりたいと思っていた。もちろんみんな強豪だが、自分の進む道に弱い選手は出てこない。誰が相手でも蹴散らしていこうと思っている」と挨拶した。

 日菜太もトーナメントではジョーダン・ピケオーに敗れてしまったが、9月に再起戦で勝利を収め、今回の出場となった。

 日菜太は「今年最後のK-1の最後の試合を任せられた。必ずいい内容で勝って来年3月にアラゾフに挑戦したい。自分のキック人生の集大成として臨んでいく覚悟。その前に廣野選手という70kgではみんなが敬遠しそうな嫌な相手。誰も倒していない廣野選手を倒してアラゾフに挑戦したい。アラゾフに挑戦する一番手は自分だということをしっかり見せたい」と話した。

 勝てば対戦することになるアラゾフについて廣野は「すごくバネがあるというか、ものすごく脱力している選手。格下にキックボクシングをレッスンしているかのような、スパーリングのような試合をしている。多分スパーリングも本番も変わらないタイプだと思う。すごくバランスもいい。でも見ていて穴はあるなと思った。その穴を突いていきたい」と独特の表現で評価。

 日菜太は「すごく強い。誰とは言わないが、この階級から逃げないように頑張りたい。僕が多分、一番ダメージが与えられる。一番嫌なタイプだと思うので、しっかりツメ跡を残してやろうと思っている」とウェルター級に階級を落として戦う城戸康裕を引き合いに出し、自らの強い決意を示した。

西京(左)と大滝

西京は「あいのり」の“どら焼き職人裕ちゃん”と対戦
 第6試合ではKrush-58kg王者の西京春馬と大滝裕太が対戦する。

 西京は6月のK-1で小澤海斗に判定勝ち。その流れで行われた10月のKrush.81で小澤に挑戦し、勝利を収め第3代王者となった。

 対する大滝はNetflixで配信中の「あいのり」に“どら焼き職人裕ちゃん”として出演中。番組出演もあり試合からは遠ざかっていたが、2014年には武尊と対戦の経験もある実力者。当時は会見などで武尊を挑発し話題を集めた。

「王者になって最初の試合なので、王者らしい試合をしたい」と話す西京に対し、大滝は「Krush-58kgの王者と試合ができると聞いてワクワクしたが、小澤選手だと思ったら西京選手だった。これは時差ボケですね、はい」と会場の笑いを誘ったが、「相手はチャンピオンなので、この試合に勝てば、次はタイトルマッチで武尊選手と戦いたい」とここは真面目にアピール。

 互いの印象について問われた西京は「最近の試合は見ていない。武尊さんとやった試合の印象しかない。これから見ていきたい。(あいのりは)ちょっと気になっていたんですけどまだ見れていない」とした。これからは?という質問に「やめときます(笑)」と答えると大滝は「そこはぜひ。僕の空回り具合とか見てほしい」とアピールした。

 また西京は「最終目標はK-1の58kgのベルト。こういう試合をクリアしていって、ベルトにつなげていきたい」としたが武尊との対戦については「組まれたら受けますけど難しいですよね。同じジムですし、自分から希望することはない」とした。

軍司(左)と大岩

軍司は武居戦実現へKO勝ちを宣言
 第5試合ではkrush-53kg王者の軍司泰斗と、今年立ち上がった新イベントKHAOSで頭角を現し、10月のkrush.81でも勝利を収めた大岩翔大がスーパー・バンタム級(-55kg)で対戦する。

 大岩は「K-1に喧嘩を売りに来た。強い奴が来ると思っていたら、Krushの現チャンピオンという最高の相手を用意してくれた。ここでしっかり軍司選手を食って、来年3月の大会に名乗りを上げたい」と意気込むが、軍司は「相手は強い相手かと思っていたが、ちょっと僕より格下。しっかり勝つのは前提。KOして勝とうかと思っている」とクールにかわす。

 対して大岩が「俺は格下とも、負ける相手とも思っていない。全然勝てると思っている」と話すと軍司は「がつがつ前に来るタイプ。かみ合うと思うのでしっかりKOしたい」と話した。

 武居との対戦を再三アピールするがなかなか実現しない軍司は「1回負けているのでリベンジという意味もあって、今すぐにでも対戦したいんですが、できないのが現状なので、しっかり次の試合をKOで勝って、対戦できるようにしたい」と改めて話した。

芦澤(左)と村川

RISEで活躍していた村越優汰がK-1初参戦
 第4試合では第5代RISEバンタム級王者の村越優汰がK-1初参戦を果たし、芦澤竜誠と対戦する。

 村越は「K-1にベルトを取りに来た。今回はしっかりインパクトを残して勝ちたい」と挨拶。K-1参戦については「単純に有名になりたいという気持ちが強い。気にはなっていたので何度か会場に来たことはある。この階級でやっていくうえで武尊選手(との対戦)は目指したい」などと話した。
 
 村川は那須川天心としのぎを削っていた存在とあって、注目度の高い試合となるが「自分の実力はこっちでも通用すると思っているので、しっかり結果を残したい」とし、状況によっては来年3月のさいたま大会での武尊戦も見えてくるが「もちろん意識している。3月に向けて今回の試合はすごく大事だと思うので、しっかりインパクトを残して前に進みたい」と話した。

 一方の芦澤は大岩同様KHAOSで頭角を現してきた。「村越選手はテクニックがすごくある選手。テクニックだけの戦いだと勝てないと思うが、俺の戦い方でやれば絶対に勝てる。K-1に殴り込みに来ているので俺が止めたい。ぶっちゃけ、58kgの上の選手はテクニックだけの選手が多い。そういう選手はテクニックでは村越選手には勝てないので、俺みたいな破天荒なタイプのほうが村越選手を倒せると思っている。周囲から“強いからなめるな”とは言われているが、なめてはいないが、普通に余裕で倒せると思っている」と強気の姿勢を見せた。

「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~SURVIVAL WARS 2017~」(12月27日、東京・後楽園ホール)
◆第7試合 K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級次期挑戦者決定戦/3分3R・延長1R
日菜太vs廣野祐

◆第6試合 フェザー級/3分3R・延長1R
西京春馬vs大滝裕太

◆第5試合 スーパー・バンタム級/3分3R・延長1R
軍司泰斗vs大岩翔大

◆第4試合 フェザー級/3分3R・延長1R
芦澤竜誠vs村越優汰

◆第3試合 スーパー・ウェルター級/3分3R・延長1R
山崎陽一vs和島大海

◆第2試合 ヘビー級/3分3R・延長1R
杉本仁vsRUI

◆第1試合 スーパー・ライト級/3分3R・延長1R
篠原悠人vs鈴木勇人

◆プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・ライト級/3分3R
眞暢vsFUMIYA

◆プレリミナリーファイト第1試合 ライト級/3分3R
“バズーカ”巧樹vs竹内悠希