海人が決勝で健太を破りスーパーライト級王座獲得【11・22 SB】

 シュートボクシング(SB)のビッグマッチ『-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2017』(11月22日、東京・東京ドームシティホール)で行われた「SB日本スーパーライト級王座決定トーナメント」でSBの新エース海人が優勝した。

海人(右)の右ストレートに顔をゆがめる憂也(小黒冴夏)

海人は1回戦で「デビュー時から世話になった」憂也を完封
 海人は1回戦で大阪で「デビュー時から世話になった」という憂也と対戦。海人は1Rから右ローキックで主導権を握り、距離が詰まるとヒジで容赦なく憂也の顔面を狙う。2Rになってもローをはじめ多彩なキックとパンチで攻勢に出る海人。対する憂也は攻撃が単発となり、ダメージを与えられない。

 3Rになってやっとエンジンのかかってきた憂也はそれまでのヒジ打ちからパンチに切り替え右ストレートをヒットするなど見せ場を作るが、海人はヒジにパンチ、キックを交えた多彩な攻撃で憂也を翻弄。憂也は一発狙いになってしまいクリーンヒットさせることができず、ゴングを聞いた。
 
 判定は30-28、30-27、30-27の3-0で海人が完勝した。

健太(左)と高橋はSBに順応した戦いを見せた(小黒冴夏)

健太が高橋を延長の末下し決勝へ
 トーナメント1回戦のもう1試合は健太vs高橋幸光。1Rから健太がプレッシャーをかけ攻め込む展開。高橋はやや手数が少なく劣勢だったが、3R残り10秒で起死回生の一本背負い。前方への投げでシュートポイント1をゲットし、判定は1人が29-28で高橋を支持し、残る2人がイーブンで延長ラウンドへ。

 延長でも健太がプレッシャーをかけ前に出る展開は変わらず。しかし高橋も組み付いてフロントスープレックス気味の投げを狙うなどSBを意識した試合を展開。結局手数で上回った健太が3-0の判定で延長ラウンドを制した。

 この試合で健太はSBの“正装”であるスパッツを着用。試合中もバックを取って後方への投げを試みるなどSBに順応した試合を見せた。投げでシュートポイントを奪った高橋と合わせ、試合後シーザー武志日本シュートボクシング協会会長は「SBの戦い方をしてくれてうれしかった」と高く評価した。

海人(右)のヒジが健太を襲う(撮影・小黒冴夏)

決勝は互いに譲らぬ打撃戦を展開
 決勝は海人vs健太。

 1Rからともに譲らぬ打撃戦を展開するが、前日の会見で健太が「何でもできる選手」と評価したように、多彩な技を繰り出す海人。距離が詰まるとヒジをちらつかせ健太を牽制。しかし“ヒジあり”の戦いについては健太のほうがキャリアは上。組み合うと互いにヒジを放ちあうなど緊張度の高い攻防が続く。

 2Rは序盤こそ海人がパンチで健太のアゴを上げさせるなど優位に進めたが、健太も後半パンチの連打で反撃。互角の打ち合いを見せた。

3Rには飛びヒザも!(撮影・小黒冴夏)

海人「目指すは世界、S-cup。他団体のチャンピオンともやりたい」
 勝負の3Rは序盤、健太が左ジャブからの右フックを決め会場を沸かせるが、海人はこれまでのヒジにこだわった戦い方から突然、飛びヒザを発射。倒せはしなかったものの、都合2発のヒザ蹴りを健太のアゴにヒット。ジャッジに好印象を与え、判定では2人が30-29で海人を支持。2-0の判定で海人が勝利を収め、ベルトを腰に巻いた。

 海人は試合後「目指しているのはこのベルトではないと言ったが、こうしてベルトを巻いてもらったらめちゃめちゃうれしい。それはトーナメントに出てきてくれたみんなが強かったからうれしいのだと思う。でも、目指しているのはここではない。世界のベルト、そしてS-cupにも出ていきたい。もちろん他団体のチャンピオンともやりたいですし、倒しに行きたいと思います」と新エースとしての決意を語った。