繊維の街・一宮×ファッションの街・渋谷“スペシャルコラボカフェを展開”


 毛織物の街一宮市の魅力が楽しめるカフェが渋谷に期間限定オープン。さまざまな展示やオリジナルメニューを展開した。

 渋谷のkawara CAFE&DININGとコラボレーションした「BISHU CAFE(びしゅうかふぇ)」では、愛知県一宮市で生産される『尾州(びしゅう)毛織物』の魅力を広く紹介。『尾州毛織物』は英ハダースフィールドや伊ビエラと並ぶ高級毛織物の世界三大産地の一つで、そのウール生地は海外のファッションブランドでも服地として多く採用。高品質な素材として世界から、高く評価されている。店内にはこの『尾州毛織物』の生地を天井や壁などに使用して店内を装飾し、「シャトル」や「チーズ」といった毛織物を製造するために必要な用具なども展示。さらに毛織物関連の書籍や毛織物製造工程の映像も上映。『尾州毛織物』の魅力を知ることができる特別な空間を展開した。オープン初日には、中野正康一宮市長も来場し、「繊維の街一宮を、渋谷でアピールできる絶好の機会をいただき、大変うれしく思います。2年前に市長になってから、繊維の街として一宮を盛り上げようと動いてきました。渋谷区の長谷部区長の奥様が一宮出身という事もあり、今回ファッションに敏感な若い人が集まる渋谷で、このようなコラボレーションイベントがで開催できた。この機会に、一宮の毛織物の良さを若い人に知っていただきたいと思っています」と挨拶。

 また、応援に駆け付けた長谷部渋谷区長に店内を案内しながら展示物の説明し、尾州毛織物で作った小物をプレゼント。長谷部区長は、「伝統ある一宮の毛織物を渋谷で紹介できるご縁に感謝します。渋谷に来る若い人が興味を持ってくれたらと期待します」と今回のコラボレーションの実現を喜んだ。また、店ではモーニング発祥の地としても有名な一宮にちなみ、オリジナルのモーニングメニューも提供。食べた人は、ボリュームと味に「とてもおいしいし、お腹いっぱいになって大満足」と絶賛していた。
岐阜との県境に位置する一宮は、名古屋からもJR線で約10分という好アクセス。車でも、一宮IC、一宮木曽川IC、尾西IC、一宮西ICから市内中心街までそれぞれ約10分の好立地。古くから尾張地方の経済の中心地として、また繊維産業が盛んな街として発展してきた。 【アクセス】 〈JR〉名古屋→尾張一宮駅(約10分)、岐阜→尾張一宮駅(約8分) 〈名鉄〉名鉄名古屋→名鉄一宮駅(約15分)、名鉄岐阜→名鉄一宮駅(約13分)
一宮市長 中野正康氏
一宮市長 中野正康
「世界に誇れる一宮の毛織物の魅力を発信したい」


 一宮は名古屋から電車で10分という、とても交通が便利なところに位置しています。10年後、リニアが開通したら、東京—名古屋間は40分で結ばれますから、1時間以内で東京から来ることができるようになります。そういう意味では人も企業も呼び込める将来性が高い地域だと自負しています。しかし、逆に名古屋から近くて便利だということで、名古屋のベッドタウンになりつつあり、住宅やマンションがすごく増えている。一宮は寝るだけで、働いたり勉強したりするのは名古屋ということになるのはもったいないとも感じています。せっかく歴史と伝統がある街なので、そういう特色をもっともっと出していきたい。最近は繊維産業以外では食品関係が伸びてきていて、全国でチェーン展開をしているカレーハウスCoCo壱番屋は、もともと清須の喫茶店から始まって、本社を一宮に置いています。

 繊維産業自体は、平安時代や室町時代の記録にも残っているほど、古くから盛んで、一宮の伝統産業といえます。一宮は木曽川に面しているため、昔から新鮮な水が大量に使えた。繊維産業は、風合いを出すために、染めたものを洗うなど、最終工程に大量の水を使うんです。そのため、木曽川の水をふんだんに使えるここ、一宮で繊維産業が栄えたといわれています。現在は、量でいうとだいぶ生産が減ってはいますが、質は本当に素晴らしいんですよ。ヨーロッパのラグジュアリーブランドも買い付けに来るほど、品質に関しては世界的な評価も高い。ですから、地元の産業を応援する意味でも、繊維をもう一度この地域の付加価値として押していきたいなと思っています。

 食べ物もそうですが、今は産地にこだわる人が増えているように思います。グルメといわれる人ほど、まず食材の産地を気にする。その流れがファッションにもきているように感じています。おしゃれな人は、値段やデザインよりも品質にこだわって、多少高くてもいいものを大切に長く着ます。そのように生地の品質にまでこだわる人とファストファッションでいいという人と、二極化しているのが今の流れじゃないでしょうか。私が学生時代に渋谷で遊んでいた時は、デザイナーズブランドの服をローンで買っていたような時代でしたけど、今は選択肢が増えた分、それぞれがこだわるところがはっきりと分かれてきたのかも知れません。幸い、一宮の生地は三越、伊勢丹、高島屋といったデパートで、仕立てフェアを行っていただいたり、目の肥えた人に愛用していただいたり、品質に関しては今でも一目置かれています。しかし、それが若い人に浸透していないのが現状ですので、今後の課題として、これからを担う若いファッションクリエイターに一宮の繊維の良さをアピールできたらと思っています。そのための取り組みの一環が今回の渋谷のカフェとのコラボでしたが、これからもそこをターゲットに繊維の街としての一宮を大きくアピールしていきたいと思っています。