牧平が平山破り、塚越への挑戦権獲得【12・9 Krush.83】

牧平は徹底的に左のキックを蹴りまくった(撮影・小黒冴夏)

2度のローブローで試合が 中断

 Krushの2017年最後の大会となる「Krush.83」(12月9日、東京・後楽園ホール)で「Krush−67kg次期挑戦者決定戦」牧平圭太vs平山迅戦が行われ、延長にもつれ込む接戦となったが、牧平が判定勝ちで挑戦権をつかんだ。

 試合は1Rから牧平が得意の左ロー、ミドルをひたすら蹴りまくり、平山は攻撃の糸口をつかめない。しかし2R、そんな展開の中、平山がワンチャンスを生かし、左フックで先制のダウンを奪う。なおも平山はKO勝ちを狙い攻め込むが、牧平はなんとかしのぐ。

 後がない牧平は3Rも徹底的に蹴りまくる。平山も距離を詰め、パンチで応戦。ここで牧平の左のヒザが平山の下腹部付近に。リングに倒れこみローブローをアピールする平山とセコンド。それでもダウンカウントが数えられ、いったんはゴングが鳴ったが、時計を止め審判団が協議。ビデオ判定の末、平山の抗議が認められ、ローブローのジャッジで試合を再開。再開後は牧平のローと平山のパンチが乱れ飛ぶ展開に。平山はローで大きなダメージを受けながらも最後まで立ち続け、パンチを放ち続けた。試合は判定に持ち込まれ、3者とも28-28で延長へ。

 延長ラウンドも牧平のキックと平山のパンチが乱れ飛ぶ展開となったが、牧平の左ミドルがまたもローブローとなり中断。再開後も互いに意地の蹴り合い殴り合い。2人は最後までリングに立つ続け、判定となったが、ジャッジ3者とも10-9で牧平を支持。牧平が3-0で勝利を収めた。

2月大会で対戦する塚越(左)と牧平(撮影・小黒冴夏)

王者・塚越が「このベルト、そう簡単に取れると思うなよ」

 これで牧平は来年2月の「Krush.85」で王者・塚越仁志に挑戦することとなった。試合後、塚越がリングに上がり「途中にアクシデントもありましたが、素晴らしい試合でした。会見から全部見ていてベルトへの思いを感じました。ただ、67㎏の現チャンピオンとして言わせてもらいます。このベルト、そう簡単に取れると思うなよ」とアピール。これを受け、牧平も「さすがチャンピオン、いいこと言います。自分もKrush王座に返り咲かないと人生、前に進めないと思うので、この2カ月後悔のないよう練習します。1月には自分の人生を作ってくれた山内さんが日本人無敗のピケオーに挑むので、ギリギリでしたけどこのバトンをつなげられて誇りに思います。山内さん、必ず2人でチャンピオンになりましょう」と話した。

左右田はコーナーへ詰めてパンチの連打(撮影・小黒冴夏)

復帰戦飾った左右田が「タイトルマッチは負けてしまったが-65㎏の今年の主役は俺だ」

 8月大会で王者・中澤純に挑戦するも判定で敗れ王座奪取に失敗した左右田泰臣が復帰戦に臨み、Krush初参戦となる中村広輝と対戦。3Rにダウンを奪い、判定勝ちした。

 中村は強烈な右ローと右ストレートで左右田を追い込む場面もあったが、左右田も右ローに左ミドル、右ストレートで押し返す。2Rも中村の重い右ローが左右田を襲う。そこから右のパンチにつないで左右田を脅かすが、左右田も右ローからの左フックで反撃。左右田が飛び込んだところに中村がカウンターで左フックを当てると、左右田も中村のローにパンチを合わせる。左右田はコーナーに詰め左右のボディーフックを連打。徐々に左右田がペースを握っていく。3Rに入ると中村は右ローを連発。左右田がパンチの連打で反撃すると、中村も応じ打ち合いとなるが、左右田はコーナーに詰めると左のボディーフックからヒザをボディーにグサリ。動きが止まった中村に左右田はなおもパンチで畳み掛けるが、中村もパンチを打ち返す。しかし左右田は左フックを打ち抜き、ついにダウンを奪う。立ち上がった中村に左右田ははKOを狙いなおも襲いかかるが中村もパンチを打ち返し、最後まで倒れずゴングが鳴った。判定は30-27、30-27、29-28の3-0で左右田が復帰戦を飾った。

 試合後、左右田はマイクで「3つ言わせてください。1つ、中村選手ありがとうございました。そして、REBELSの山口代表」と山口元気代表を呼び込むとエプロンに立った山口氏に「自分は交流戦のつもりでは戦ってないです。でも次、REBELSさんがどうするのか。宮田さん、僕はKrushは守ったつもりなので。またぜひ来てください。2つ、今年4月からKrushに上がってタイトルマッチは負けてしまい王者は僕じゃなく違う人ですが、間違いなく言えるのは-65㎏の今年の主役は俺だ。3つ………特にありません」と新日本プロレスのオカダカズチカばりのマイクアピールでリングを降りた。

堀尾(左)の右ハイキックが炸裂(撮影・小黒冴夏)

堀尾が登坂に3連勝

 −55kgの注目の一戦、堀尾竜司vs登坂匠の一戦は3-0の判定で堀尾が勝利を収めた。

 1Rから多彩な蹴りとパンチで堀尾が主導権を握る。カウンターを狙いたい登坂は堀尾の蹴りからの攻撃に反撃の糸口を見出せない。プレッシャーをかけパンチを繰り出すも、いつもの畳み掛ける展開にはなかなか持ち込めない。堀尾はミドル、前蹴りで距離をとっては展開をリセット。最終3Rも登坂は距離を詰めて打ち合いに持ち込もうとするが、堀尾もロー、ミドルにパンチをまじえた攻撃で果敢に応戦。最後もハイキックの連打で登坂を追い込むが、登坂も食らいながらも押し返すガッツを見せる。

 試合は判定となったが30-29、30-28、30-28の3-0で堀尾が勝利。対登坂3連勝となった。