神取がギャビ戦中止に「悔しい。残念」 渡辺華奈が杉山破り堂々のエース宣言【12・29 RIZIN】

渡辺は3R終盤、下から腕十字を決めにいく(撮影・小黒冴夏)
プロ2戦目ながら大抜擢

「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2 nd ROUND/Final ROUND」(12月29、31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)の29日には現在大きな注目を集める女子格闘技2試合が行われた。

 第2試合で行われた杉山しずかvs渡辺華奈の一戦は3-0の判定で渡辺が勝利を収めた。

 杉山は2008年のデビュー以来、20戦15勝4敗1分の戦績を誇る、日本女子格闘技界のトップクラスのファイター。出産と育児でしばらく戦線を離れていた時期があったが、今年2月に復帰を果たし、8月にも勝利を重ね、そこで真珠・野沢オークライヤーとの対戦をアピールしていた。

 一方の渡辺は柔道四段で元全日本強化選手。12月3日に行われた「DEEP JEWELS 18」でプロ格闘家としてデビューを果たしたばかりなのだが、そこで大きなインパクトを残し、今回の大抜擢となった。
勝ち名乗りを受ける渡辺(撮影・小黒冴夏)
渡辺「もっと強い人とやらせてください。もっと強くなります」

 1R、渡辺は打撃の攻防からの足払い、組みついての投げなどでグラウンドの展開に持ち込もうとするものの、キャリアで勝る杉山は押されながらもしのぎ、前蹴りで距離を取る。しかし渡辺は構わず組み付くと投げでテイクダウンに成功。バックを取ってスリーパーを狙うがポジションがやや横。首を取れないとみるやマウントへの移行を狙うが、そのタイミングで杉山は立ち上がると逆にバックに回りテイクダウンを狙うが、渡辺は許さない。目まぐるしい攻防が続く。

 2R、渡辺がミドルを放つと杉山は蹴り足をキャッチ。しかし渡辺はそのまま体を預ける形でグラウンドへ持ち込み上のポジションを取る。しかし杉山は巧みに体を入れ替えバックを取る。渡辺は小手を固めてしのぐと立ち上がり、コーナーに押し込んでピンチを回避する。1Rからの杉山のボディーへの前蹴り、ミドルキックが効き始めたか渡辺は2R後半になるとややスタミナが切れ気味に。このまま杉山のペースになるかと思われたところ、3R開始早々に渡辺がついに杉山を投げ切りテイクダウンに成功。マウントに移行しコツコツとパンチを放ちチャンスをうかかがう。残り2分がコールされると渡辺は一気に体を起こし強烈なパウンド。嫌がって横を向いた杉山の右腕をキャッチすると一気に腕十字固めへ。勢いを利用して立ち上がった杉山は腕を取られたまま左足で渡辺の顔面をガンガン踏みつける。それでも離さない渡辺。最後にぐいっと締め上げたところでゴング。この3Rの攻防が決め手となり渡辺が3-0で勝利を収めた。

 渡辺は「私はまだ2戦目なんですが、どうですか? 一本、KOできなくて申し訳ないんですが、国内トップということは証明できたでしょうか。今後、MMAの選手としてRIZIN、DEEP JEWELSを引っ張っていきたい。もっと強い人とやらせてください。もっと強くなります」と力強いアピールで締めくくった。
ダンドーワにマウントを許してしまったKINGレイナ(撮影・小黒冴夏)
KINGレイナがプロ初黒星

 第6試合で行われたKINGレイナvsシンディ・ダンドーワの一戦は2-1の判定でダンドーワが勝利を収めた。

 打撃で勝負に出るレイナに対し、ダンドーワも打撃で対抗。ならばと組みついてテイクダウンを狙ったレイナだったが、ダンドーワは逆にグラウンドで上を取る。バックをキープし背に乗って後ろからパンチ。裏に返してスリーパーを狙う。しのぐレイナだったが、ダンドーワは強烈なボディーシザースでレイナの動きを止めるとパンチとスリーパー狙いという動きを繰り返す。最後に腕を取りに行ったタイミングでレイナが上を取り返すがゴング。

 2Rはレイナがパンチから組み付き投げからテイクダウンに成功。サイドを取り左腕を取りに行くが、ダンドーワは長い足を利してヘッドシザース。顔をゆがめたレイナだったが、脱出すると左腕をアームロックにとらえる。グイと締め上げたが、ややポイントがずれたかダンドーワがしのぎゴング。勝負のかかった3R、ダンドーワはレイナのキックに合わせタックルを決めるが逆にレイナが投げから上のポジションをキープ。サイドまで許したダンドーワだったが、脱出。スタンドに戻るとレイナは右のオーバーフック。しかしダンドーワはパンチを食らいながらもタックルからテイクダウンに成功。再度スタンドに戻ったが、レイナの右フックにダンドーワがタックルを合わせまたもテイクダウンに成功。最後は不完全ながらマウントにも移行しパウンドを落とし続けたところでゴング。

 1人はレイナを支持したが、2人がダンドーワにつけ2-1でレイナがプロ8戦目にして初黒星を喫した。
神取は高田氏に「さっき言っただろ」(撮影・小黒冴夏)
ギャビが謝罪も会場からはブーイング

 この日、もう1試合予定されていた女子の試合、ギャビ・ガルシアvs神取忍戦は前日計量でギャビが12.7kgのオーバー。主催者側が協議を重ね、当日の大会開催前に会見を開き試合の中止を発表した。

 第4試合終了後に神取がリングに上がり「今日は本当に悔しい。そして本当に残念。この1年、人生をかけてギャビを倒すため全身全霊をかけてやってきた。昨日も31日に何としてもやらせてくれと言った。しかしよく考えればルールがあるもの。ルールがあるのが格闘技。私も去年、肋骨を折って1年待たせてしまった。2人の体調が整ったら、ぜひやらせてほしい。高田本部長、よろしくお願いします」と話した。

 これを受け高田延彦RIZIN統括本部長リングに上がり、改めて会場のファンに試合が中止に至った経緯を説明。そして神取に「本当にギャビとやれんのか?」と問いかけると神取は「さっき言っただろう。やるに決まってんだろ!」と即答。

 ここで高田氏に呼び込まれる形でギャビがリングインしたのだが、会場は大ブーイング。涙ながらに謝罪の言葉を述べ、神取に「来年、対戦してもらえないでしょうか」と呼びかけると、神取は右手を差し出しギャビと握手。この間、拍手も起こったが、ブーイングがやむことはなく、ギャビはリングにひざまずき再度謝罪の言葉を述べた。