矢地が五味から一本勝ち。ミルコはTKO勝ちで引退ロードスタート【12・31 RIZIN】

矢地がまたもレジェンド狩り(撮影・蔦野裕)

矢地が五味のフレーズもいただき「ヤッパ大晦日は判定ダメでしょ。一本勝ちじゃなきゃ」
「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2 nd ROUND/Final ROUND」(12月29、31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)の31日、スペシャルワンマッチで行われた五味隆典vs矢地祐介の一戦は1R2分36秒、三角絞めで矢地が一本勝ちを収めた。

 ゴング早々にダッシュした矢地はいきなり飛び蹴り。その姿は師匠の山本“KID”徳郁が宮田和幸のアゴを砕いた一戦を思わせる。かわした五味だったが、矢地は首相撲からのヒザとパンチのラッシュで五味を追い込む。あわや秒殺かと会場が思ったところ、五味のカウンターの右フックが炸裂。ここから五味が右フックの連打から右のクリンチアッパーを連打。ダウンした矢地にパウンドを落とし続ける五味。矢地は五味の頭を抱えしのぐが五味は矢地のボディーにパンチの連打。ここで矢地は下から三角締めを狙う。しのいだ五味はまたもパウンド。食らいながらも矢地が再度三角締めにトライ。リフトして脱出を図る五味だったが、かえって深く入ってしまい、無念のタップ。矢地があこがれの存在である五味から勝利を収めた。

 試合後のマイクで矢地は「いい右をもらってしまってまだふわふわしている。あこがれの五味選手と戦えてうれしかった。小さい頃からの憧れの五味選手と一緒に戦えて、健闘を称えていただいて泣いちゃいそうです。でもまだ五味選手を越えたとは思っていない。これからも五味選手の背中を追いかけていきたい。言いたいことがあったんですが、ぶっ飛んでしまったので、ひとつだけ言わせてください。“ヤッパ大晦日は判定ダメでしょ。一本勝ちじゃなきゃ”。これから世界の選手をぶっ飛ばします」

五味は現役続行を宣言
 五味は「矢地君だからいい試合ができた。悔しいです」と話す。ここで会場から「もう一丁」の声がかかると、「はい。来年もやります」と現役続行を宣言すると会場は大きな、そしてホッとしたような歓声で包まれた。続けて会場から来年の目標を問われると「今日飲み過ぎないように頑張ります」といつもの五味節。そして改めて矢地に対して「これからRIZIN、日本の格闘技をUFC負けないように引っ張っていってください。俺も日本の格闘技のためにできることをやっていきます」と締めた。

ミルコが強烈なパウンドを落とし続ける(撮影・蔦野裕)

ミルコが高阪を完全KO
 この大会から来年の大晦日までの引退ロードをスタートさせたミルコ・クロコップが高阪剛と対戦。1R1分2秒、レフェリーストップによるTKOで幸先のいいスタートを切った。

 1R、ミルコの打撃に高阪もパンチで対抗。しかし高阪はコーナーに詰められると右フックを空振り。ミルコは高阪のバックを取ると、後ろから強烈な右フックの連打。高阪がダウンすると、今度はパウンドの連打。高阪が腕でガードするも、ミルコはそのすき間から的確に重いパウンドを叩き込んで行く。高阪が腕のガードを動かし続けていたことからレフェリーがストップを躊躇。しかし危険を察知したサブレフェリーがストップを指示。レフェリーが試合を止め1R1分2秒、ミルコがTKOで勝利を収めた。

真珠が鮮やかな腕十字を決めた(撮影・蔦野裕)

真珠は2戦連続一本勝ち
 タレントの野沢直子の娘で、7月大会で鮮やかな一本勝ちで華々しくプロデビューを果たした真珠・野沢オークライヤーがプロ2戦目に臨んだ。相手はアマチュア時代に対戦し反則負けを喫したチェルシー・ラグラース。

 1R、ラグラースが引き込む形でグラウンドに。上を取った真珠がパウンドを落とすが、ラグラースがするすると足を上げ下から三角締め。なんとか脱出を図る真珠だがなかなか外すことができない。しかし真珠はその長い足でラグラースの顔面にかかと蹴り。これでラグラースのフックが緩んだところで脱出。

 真珠はスタンドに戻るとパンチの連打からヒザ蹴り。グラウンドに持ち込むと、腕十字へ。ラグラースが動いてポイントをずらすと、真珠も腕の方向を変え締め上げ、タップを奪い、一本勝ちした。