【インタビュー】知英 × 竹中直人 地味な派遣OLと女好きワンマン社長が入れ替わる!? 映画『レオン』

 ナイスバディだけが取り柄の地味OLと、年商500億の女好きワンマン社長の“心”と“体”が入れ替わる話題作『レオン』。オッサン化した知英とナヨナヨの竹中直人が魅せる抱腹絶倒のスイッチング・エンターテインメントは、今昔の入れ替わり作品とは一味も二味も違う。竹中直人も圧倒された知英のダイナミズムを見逃すな!
【知英】ヘアメイク・榎戸恵美(メイクマリエ) スタイリスト・Kan Cheran(NEUTRAL)【竹中直人】ヘアメイク・和田しづか スタイリスト・伊島れいか
 韓国の大人気ユニットKARAで一世を風靡した後、活躍の場を日本に移し、本作が長編映画初主演となる知英。そんな彼女と入れ替わってしまうのは、俳優、コメディアン、監督など多岐にわたって活躍する竹中直人。異色(!?)とも呼べる二人の組み合わせ。お互いの印象を聞いてみると—。
 
知英「演じるにあたって“誰と入れ替わるんだろう”って気になっていたんです。その相手が、竹中直人さんだと分かってビックリ!(笑)。役者としても尊敬していますし、私自身、竹中さんのファン。初めてお会いしたときは存在感に圧倒されました」

竹中直人(以下:竹中)「いやいや、そんな…。ありがとうございます。僕も誰と入れ替わるんだろうと思っていました。まさか知英と入れ替わる日が来るとは思わなかったなぁ。セリフ合わせをしてみると、流暢かつ美しい音色の日本語に驚きました」

知英「いえいえ! 私は竹中さんがリードしてくれる姿が頼もしくて毎日が楽しかったです。長編映画初主演ということもあり、楽しみと不安が入り混じっていたのですが、心強い竹中さんとご一緒できたことで、プライドを捨てて体当たりで演じることができました」

 恋人にふられ、派遣先の会社をクビになった小鳥遊玲音(たかなし れおん)を演じる知英。対して、その会社の女好きワンマン社長・朝比奈玲男(あさひな れお)を演じる竹中直人。ところが事故をきっかけに、立場も性格も正反対の2人が入れ替わる。

竹中「知英のダイナミックな演技は本当に素晴らしかった。彼女は直観力に優れていて、どんなお芝居でもすぐ反応できる力を持ってる。理屈ではなく本能で役をとらえています。オッサン化した知英の演技は見る者を釘付けにすることでしょう」

知英「尊敬する方にそういっていただいてうれしいです。現場では自分のセリフを竹中さんが読んでくださることで、役に入りやすかった」

竹中「僕は演じるにあたり、知英の一挙手一投足を見逃さないように見ていました(笑)。演じる役が目の前にいてくれるのは、照れくさく不思議な感覚でした」

知英「竹中さんが地味なOLになってしまう姿は、ただただかわいかったです(笑)。あんなに乙女な表情ができるなんて信じられない。竹中さんの表情の豊かさは一体どこから発せられているのか不思議で仕方なかった」

竹中「僕は知英と一緒に芝居をしていてとても楽しかった。役者って、音楽でいう譜面を読むようなところがあります。監督や共演者とのバランスの中で楽しく奏でられればいいなあ、といつも願っています。知英とのお芝居は、とてもリズムに乗りやすかったですね」

 劇中では、入れ替わり作品ならではの珍シーンも数多く登場する。

知英「玲男が入れ替わっていることに気が付いた最初のシーンは何度見ても面白い!」

竹中「目を開けたまま昏睡状態に陥っている僕の上に、知英が幽体離脱のような形で覆いかぶさってくるんだけど、衝撃的なカットだったなぁ(笑)。笑いをこらえるのが必死だった。もう知英がのびのび演じているのがおかしくておかしくて」

知英「心の中では“竹中さん、失礼します”って思いながらも、カメラが回っている以上は“なんで女になっとんじゃぁ! 戻れ〜ッ”って(笑)。」

竹中「ははははは! 僕らは演じている側だから、余すことなくすべてを見てほしいと思っているので、見所なんて言えないと思っていますが“見終わった後、誰かに伝えたくなる”という意味で言えば、入れ替わった直後の知英とのやり取りは印象的でした」

 古くは『転校生』。最近では『君の名は。』。誰かと入れ替わるというテーマが、いつの時代も普遍的に愛される理由は何だろうか。

竹中「やはり“自分以外の人間になってみたい”という願望は、誰しもあるのかな。でも、実際にはそれは叶わない。その相反する事実が魅惑的なんだろうなぁ」

知英「私は『レオン』を通じて“本当に男の人になったらどうしよう?”って考えてしまいましたね。叶うなら竹中さんと入れ替わってみたい…今までの人生がどうだったんだろうって気になります」

竹中「のぞかれたくないよー(笑)」

知英「楽しそうじゃないですか(笑)」

竹中「意外に寂しがり屋な人間ってことがばれてしまうかも。ただ、入れ替わっても脳は入れ替わらない。せっかく入れ替わっても性格や記憶は、元の自分のままというのは複雑だよね。 実際に『レオン』では、そこにお互いが苦悩する。いや苦悩ってほどじゃないけれどね」

知英「たしかに。でも、性格が強制的に変わってしまうからこそ、今までとは違う変化も訪れる。この映画では、玲音と玲男がお互いになかったものに気が付いていく様子も面白いと思います」

 知英がコメディエンヌとしての一面を開化させた本作だが、単なるコメディー作品で終わらない。鑑賞後の多幸感が心地よい作品だ。

知英「入れ替わった相手が竹中さんだったことで、私は安心して自分をさらけ出して演技をすることができました。やりすぎたかな!?って思っても“竹中さんだったら大丈夫!”という安心感があったからこそ突き抜けた面白さがあると思います。笑わせるだけじゃなく、感動できたり共感できたり、バラエティーに富んだ魅力を持っている作品です」

竹中「僕になってしまった知英に尽きます。知英のエネルギッシュな演技をぜひ大きなスクリーンで見てほしいです」

知英「見終わった後、何かパワーを感じ取れるような映画なので、全身で受け止めてほしいですね」
(取材、文・我妻弘崇)
©清智英・大倉かおり/講談社・2018映画「レオン」製作委員会
『レオン』
監督:塚本連平 原作:清智英、大倉かおり 出演:知英、竹中直人、山崎育三郎、大政絢、吉沢亮、斉藤慎二、ミッツ・マングローブ他/1時間40分/ファントム・フィルム配給/2月24日より全国公開 http://reon-movie.com/http://reon-movie.com/