平本がゲーオKO宣言「5分以内で倒す」【3・21 K-1】

梶原会長の持つミットに強烈なミドルキックを叩き込む

「今回の作戦のテーマは鏡。郷に入っては郷に従え」
「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~」(3月21日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)に出場する平本蓮が2月17日、公開練習を行った。

 平本はスーパー・ライト級のスーパーファイトで同級前王者のゲーオ・ウィラサクレックと対戦する。この日は通常の練習後にシャドーとミット打ちをそれぞれ2分公開。仕上がりの良さを見せた。

 練習後の会見では「K-1でプロデビューしてから自分が強くなるためにずっとゲーオの試合を見てきた。“この技術は使えるな”というようにゲーオの細かい技術とか空間把握能力といったものを見てきたので頭の中でゲーオと戦っているイメージとかシミュレーションはできている。でも肌を合わせたら、僕が考えているゲーオの強さが100だとしたら、実際には多分1000くらいだと思う。そこはやってみないと分からない。今までいろいろな選手がゲーオのリズムにのまれないように、崩そうとかスキをつこうとして失敗してきたと思う。ゲーオのリズムを崩そうとしたら、逆にこちらが崩されると。リズムを気にするのではなく、自分もそのリズムで戦えばいい。郷に入っては郷に従え、じゃないが今回の作戦のテーマは鏡。それがダメだったら負けるしかないという気持ち」と作戦の一端を明かした。

会見でゲーオについて語る平本。ゲーオのすべてを知り尽くしている男

ラウンド開始時のハイキックを警戒
 ゲーオについては「ゲーオが僕の中で求める究極のスタイル。綺麗で格好良くて、図太くて強い。すべてを兼ね備えている理想形のファイトスタイル」としたうえで、同じムエタイ出身のゴンナパー・ウィラサクレックをあげ「ゲーオとゴンナパーは全く別。ゴンナパーは格闘技的には強の攻撃しかないからやりやすかったが、ゲーオは弱も中も強の攻撃も全部使えるので、そこが全然違う。どちらかというと、ウェイ・ルイ選手のほうがゲーオに似ている。なので変にムエタイを意識するよりは、いつもと同じリズムで戦えれば」と話した。

 またゲーオを最も苦しめた選手としてマサロ・グランダーをあげ「やりづらかったように見えた。全然計算ができなくて僕もマサロはやりにくかった。でもゲーオはやりづらそうにしていたが、なんなくクリアしていた。ゲーオの凄みは苦しい試合を苦しく見せないところ。タイ人の選手はそんなにボディーは打たれ強くない。ローキックも効いているはずだが効いていないフリがうまい。その動じないフリが昔からうまいなと思う。そこに飲み込まれないように、チャンスと見たら一気に攻め込みたい。勝っても負けても試合時間は5分くらいで終わらせたい。ゲーオのエンジンがかかる前に、今だと思った時に攻め込めれば。玉砕覚悟ではないが、リスクを背負わなければ勝てない。勝つとしたら5分以内、2Rで。ゲーオは当日何をしてくるか分からないが。ラウンドが始まった時のハイキックさえもらわなきゃいいかな(笑)」と話した。

中野さん(右)が手紙でメッセージを送った

すでに心理戦? ゲーオが中野さんのインスタに“いいね”しまくり
 現在、平昌オリンピックが話題を集めているが、平本はほとんど見ていないそう。そしてK-1とオリンピックを比較し「格闘技とかキックボクシングの世界は銀メダルとか銅メダルはない。そこにロマンがある。僕らはオリンピックにはないK-1にしかない魅力を見せていかなければいけないんじゃないかと思う。勝者と敗者がきっちり分かれるのが格闘技のいいところ。準優勝とか3位なんて格闘家は誰も欲しくないはず。一番だけを目指して戦って夢を潰し合う。オリンピックはでかいかもしれないが、規模の問題ではなく格闘技には格闘技の面白さがある。次の大会でもこれからもそういうところを見せていければ」と話した。

 またこの日は平本と交際中のモデルの中野恵那さんが練習を見守った。これは中野さんが試合当日に仕事が入ってしまったことから、急きょ激励に駆けつけたもの。中野さんは手紙をしたため平本の隣で読み上げたのだが、平本は公開練習としか聞かされていなかったようで「(中野さんに)“今日、ジムに行く”と言われて、“ああ、こういうことか”と(笑)」と照れ笑い。ゲーオ戦を楽しみにしていた中野さんは「仕事が決まったと聞いて“人生終わった”と思った。こうやって練習を見ていて泣きそうになった」と残念そうに話した。

 ちなみに平本によると「最近、ゲーオが恵那のインスタにめっちゃ“いいね”しているんですよ。僕にも“いいね”してくるんです。僕も“いいね”返してます(笑)」とのこと。対戦に向け、早くも心理戦が繰り広げられているもよう?