登坂がかつての師と現在の仲間への想いを語る【3・21 K-1】

登坂(左)が軽快なミット打ちを披露

「リング上って人生とか生きざまが出るところ。気持ちと体では絶対に負けない」
「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~」(3月21日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)に出場する登坂匠が2月20日、公開練習を行った。

 登坂はスーパー・バンタム級のスーパーファイトでKrush-53kg王者の軍司泰斗と対戦する。

 登坂はかつてチームドラゴンに所属。軍司が所属するK-1ジム総本部チームペガサスの梶原龍児代表には10代のころから薫陶を受けてきた。その後、登坂はチームドラゴンを離れ、所属を「HALEO TOP TEAM」に替え、昨年9月に約2年ぶりにリング復帰。今回は復帰3戦目にしてK-1出場を勝ち取った。

 この日は2分間のミット打ちを披露。練習後に行われた会見では「コンディションはいつも通りばっちり」と話した。

 対戦相手の軍司については「勢いがあってオールマイティー。好戦的で素晴らしい選手。軍司選手の年齢が僕がプロデビューした年齢と同じ。そう思うと19歳なのにすごく完成されている。それはすごいと思う。同時に僕は今年プロデビューから10年になるんですが、若い選手と戦う年になったんだな、という気持ちがあります」と軍司の実力を認めつつも「龍児さんも言っていましたが、リング上って人生とか生きざまが出るところ。そういう部分では僕は軍司選手よりいろいろ経験をしてきている。気持ちと体では絶対に負けないようにしたい」と続けた。

練習後、会見に臨む登坂

「折れるものなら折ってみろという感じ。そんな簡単なことじゃない」
 今回の試合は梶原と登坂の人間関係にも焦点が集まっているのだが、登坂は「龍児さんは僕が10歳のころから背中を見てきた人。まさかこういう形で、K-1のリングで龍児さんと関わるとは思わなかった。今回は祭り。そういう大きな舞台で軍司選手と戦えるというのは僕の格闘家人生の晴れ舞台。そこでしっかりと試合をすることが僕の仕事だと思っています。龍児さんにはここまで成長した姿を見せたい」と梶原に対する思いを正直に明かしながらも、梶原の「登坂の心を折って勝つことが本人のためにもなる」という言葉に対しては「折れるものなら折ってみろという感じ。そんな簡単なことじゃないし、逆に心を折ってやるよ、という感じ」と強い言葉で返した。

 登坂が復活した背景には所属チームが代わったことが大きな要因としてある。そのHALEO TOP TEAMのプロデューサーを務める三崎和雄氏は「匠は去年HALEO TOP TEAMの所属になってからはしっかりと苦手な部分と得意な部分を両面からさらに練習を積み重ねて、技術面、肉体面、精神面において強くなっている。匠のスタイルはボクシングスタイル。ボクシングの技術も日々レベルアップしているし、フィジカル面という部分では継続的にトレーニングを積み重ねているので、この2つは間違いなく強くなっている。苦手な部分もここでは加藤(清尚)先生という大先輩にしっかり指導していただいているので、不安はもうほぼなくなっているのではないか。だから得意のボクシングの部分が今回の試合でもしっかりと生かせると思うので、自信を持って打ち合いに臨める準備ができているんじゃないか」と話した。

 ジムの先輩でもある山内佑太郎も「苦手な部分にも立ち向かって成長している。まだ成長過程ではあると思うが、選手としても人間としてもすごい成長を見せていると思う。まだまだ強くなれるという確信がある」と太鼓判を押した。

登坂を真ん中に山内(左)と三崎氏

移籍のいきさつを語ったうえで改めて「いつも支えてくださる皆さんに恩返しがしたい」
 また登坂は「三崎さんは試合の時など、所属は違っていたのに入場する前に声をかけてくれたり、ブランクを作る前の試合の時も、チームは違うのにグローブを合わせてくれたりしてくれた。そういう人柄と僕がHALEOでトレーニングをしたいと思った時に、“匠君の将来性を見て、自分から会社に話をして一緒にトレーニングができるように話を進めるからもうちょっと待ってほしい”と言ってくださった。初めて会った人にそうやって熱く語ってくれたことが印象深かった。自分が迷っていた時に三崎さんにタオルを預けたいと思った」と移籍のいきさつを語ったうえで「僕は今新しいチームでやっている。肉体、精神、技術すべてにおいて鍛えてもらっている。前のチームと違うのは人数が少人数ということ。いま試合が決まっているのは僕のK-1の試合だけ。一人に対してみんながアドバイスをくれたり、励まして練習を見ていただいている。龍児さんに成長した姿を見せたいというのはもちろんだが、僕はHALEOの一員だしHALEOに所属していなかったらK-1に出られていないと思う。そういう部分で、龍児さんだけではなく三崎さん、加藤先生、山内さん、デービッド社長、いつも支えてくださる皆さんに恩返しがしたい」と話した。