西京春馬が際どい判定をものにし初防衛に成功【3・10 Krush.86】

村越(右)のミドルにパンチを合わせる西京(撮影・上岸卓史)

年末に敗れた西京にとっては出直しの一戦

「Krush.86」(3月10日、東京・後楽園ホール)のメインイベントで「Krush -58kgタイトルマッチ」が行われ、王者・西京春馬が延長の末、2-1の判定で村越優汰を破り、初防衛に成功した。

 西京は昨秋、小澤海斗を破り王座に就いたものの、K-1の12月大会で椿原龍矢に判定負けを喫し、今回はいわば出直しの一戦。

 村越は同じ大会でK-1初参戦。芦澤竜誠と対戦し判定勝ち。元RISE バンタム級王者という実績が認められ、Krush初参戦ながら今回のタイトル挑戦が実現した。

 1Rはともにローキックで探り合い。村越がロー、ミドルで先手を打つと西京はセコンドの指示通り、それに合わせてローを蹴り返す。2Rもローの攻防が続くが、村越のミドル、ローに西京はパンチを合わせる動きを見せ始める。3Rになると村越のミドル、三日月蹴りが決まり出すが、西京もそこにパンチ、そしてローを合わせていく。赤みを帯び始めた西京のボディーになおも村越が三日月蹴りを追い討ち。しかし西京はパンチの連打で反撃と、ジャッジの難しいラウンドが続いた。

判定の結果に村越(右)はがっくり(撮影・上岸卓史)

西京はK-1フェザー級獲りを宣言
 試合は判定となったが、1人が30-29で村越を支持したものの、残る2人が30-30、29-29でドローとなり延長ラウンドへ。延長ラウンド、村越は3R同様、ミドルを主体に蹴りで勝負。西京も序盤は蹴りに応じていたものの、中盤以降は村越の蹴り終わりにパンチの連打で反撃。村越のキックと西京のパンチのどちらを評価するか…、結局このラウンドは1人が村越を支持したものの、2人が西京を支持。西京が初防衛に成功した。

 西京は試合後のマイクで「村越選手は今までやった中で一番の強敵なのでいっぱい練習してきた。K-1のベルトが空いたので次、狙いに行きます」とK-1のフェザー級獲りを宣言した。

 試合後の会見でも「絶対に負けられないと試合中に思った。今までで一番の強敵という意識があったので、そこは気を引き締めて試合ができた。このベルトはずっと防衛していく気持ち。K-1のベルトが空いたのでそれを取りに行く」と改めて話した。判定については「本戦の2、3Rは取ったと思ったので勝ったと思った。延長になって嫌な予感はしたんですが、集中していった。延長はどっこいどっこいだったと思った」などと話した。

芦澤(左)の右が佐野をとらえる(撮影・上岸卓史)

芦澤が有言実行で佐野を撃破

 この日は-58kgの注目の一戦「佐野天馬vs芦澤竜誠」が行われ、芦澤が2-0の判定で勝利を収めた。
 
 芦澤は試合開始前に師匠の梶原龍児から張り手2発で気合を入れられると、気合満点の表情で佐野と向かい合う。足を使って佐野の周りを回る芦澤だが、ローを起点にパンチを打ち込み、手数で上回る。そのパンチもアッパーを交えるなど多彩な攻めで佐野を翻弄。3Rには佐野にクリンチ気味に右腕を殺されると左だけでパンチを連打するなど、かねてからの荒っぽいファイトも展開し、終始優位に試合を進めた。

 カード発表会見で「KRESTは嫌い」と佐野に対して所属するジムである「SAGAMI−ONO KREST」ごとディスった芦澤が有言実行した形となった。