いろいろと考えさせられる一本『Take Me Out 2018』シーエイティプロデュース

 2003年にブロードウェイで初演され、2003年度トニー賞作品賞、助演男優賞受賞した問題作。日本では2016年に初演され大きな反響を呼んだが、早くも再演が実現した。

 舞台はメジャーリーグの架空のチームのロッカールーム。そこは男たちがすべてをさらけ出せる場所だった。ある日、そこでスター選手であるダレン・ミレングが敵チームにいる親友デイビー・バトルの言葉に感化され、突然「ゲイ」であることを告白する。それは150年に及ぶメジャーリーグの歴史を塗り替えるスキャンダル。ダレンが所属するエンパイアーズ内にはあつれきが生じ、次第にチームは負けが込んでいくのだった…。

 作品ではメジャーリーガーの華やかな選手たちの関係をとらえながら、そこに渦巻く閉鎖性によって浮き彫りになる人種問題、LGBTなどの社会的マイノリティーに深く切り込んでいく。2003年の初演時に比べ、世界でも日本でもそういった問題への反応は随分ましにはなったが、まだすべてが解消されたわけではない。いろいろと考えさせられる一本。

シーエイティプロデュース『Take Me Out 2018』
【日時】3月30日(金)〜5月1日(火)(開演は日13時、火木14時/19時、水金19時、土13時/17時30分。月曜休演。
※24日(火)と26日(木)は14時の回のみ。30日(月)と1日(火)は13時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】DDD青山クロスシアター(渋谷)
【料金】指定席8800円/ベンチシート8800円(全席指定)
【問い合わせ】チケットスペース(TEL:03-3234-9999[HP] http://www.takemeout-stage.com/
【作】リチャード・グリーンバーグ
【翻訳】小川絵梨子
【演出】藤田俊太郎
【出演】玉置玲央、栗原類、浜中文一、味方良介、小柳心、陳内将、Spi、章平、吉田健悟、竪山隼太、田中茂弘