関が樋沼との打撃戦制すも「判定ですいません」【3・17 ZST】

関(左)のヒザが炸裂(撮影・蔦野裕)

真っ向打ち合うも決着つかず

 総合格闘技イベント「ZST.59」(3月17日、東京・新宿FACE)のメーンでZSTフェザー級王者・関鉄矢が王座戴冠後の第1戦に臨み、樋沼朝光に3-0の判定で勝利を収めた。試合は樋沼のキックに関がパンチを合わせ、そこからともに激しい打ち合いに臨むという展開が繰り返される。ともに倒れてもおかしくないようなパンチを被弾しながらも立ち続け、おかまいなしにパンチを放ち続ける。2R終盤になって樋沼が組み付きからテイクダウンに成功しフロントチョーク、ラウンド終了間際に関がバックを奪いスリーパーホールドにとらえるといった場面はあったが、ともに極め切れずに判定決着となった。

判定決着に関(右)はこの表情(撮影・蔦野裕)

ファザー級戦線に渡部拳士郎が浮上

 関は試合後のマイクで「また判定になっちゃってすいません。樋沼選手、強くて倒し切れなかったです。つまらない試合ではなかったと思うんですが、今度は倒せるように強くなってきます」と反省の弁。

 現在、ZSTではこのフェザー級が最激戦区といわれているのだが、この日は浜松ヤマトvs渡部拳士郎の一戦が行われた。打撃の浜松とグラウンドの渡部という構図の戦いとなったが、浜松の打撃に渡部がタックルを合わせテイクダウンを重ねていく。渡部が極めにかかるスキを突いて立ち上がる浜松だが、すぐに渡部のタックルのえじきに。終始、試合をコントロールした渡部が判定で勝利を収めた。

タックルを狙う上田(右)にパンチを合わせる高橋(撮影・蔦野裕)

高橋が判定で上田を破る

 フライ級では「ZSTの体操のお兄さん」上田貴央が高橋拓也と対戦。上田はここで勝ってタイトル挑戦にこぎつけたかったのだが、0-3の判定で敗れた。

 1R、上田は高橋の打撃を食らいながらも執ようなタックルで2度のテイクダウンに成功。しかし大きなダメージを与えることができず、高橋は脱出。むしろ片足タックル時に高橋のパンチを多く被弾した上田のほうがダメージは大きい。2Rも上田は開始早々にパンチからタックルでテイクダウンに成功。高橋は冷静にラバーガードからオモプラッターで一度は脱出するも、上田は再度タックルでテイクダウン。パウンドで攻め立てるが、高橋は下から腕十字を狙う動きを見せるなど、主導権は渡さない。スタンドに戻した高橋に上田がタックルを仕掛けるも、高橋はつぶしてフロントチョークを取りかける。一度は離れたところから上田がまたもタックルでテイクダウン。パウンドを落とすが、残り10秒で高橋が下から三角絞めにとらえる。そのままゴングとなり判定となったが、高橋の打撃が支持された。

 高橋は試合後のリングで「上田選手に勝たせてもらってベルトへの挑戦を阻止しました。代わって僕が挑戦したいと言いたいところですが、自分は知名度も勝敗もまだ駄目だと思っているので、みんなに“こいつはチャンピオンを狙ってもいい”と言われるように今年1年頑張ります」とアピールした。

小金(左)と藤巻はドローに終わった(撮影・蔦野裕)

藤巻vs小金はドロー

 3月12日発行号本紙の「格闘家イケメンファイル」に登場した小金翔はベテランの藤巻優と対戦。0-0のドローに終わった。

 試合は1Rから藤巻の打撃が冴え渡り、小金は苦しい展開となった。藤巻の右ローキックからの左のパンチが面白いように当たり、小金は1R中盤から鼻血を出し防戦一方。ならばとグラウンドに活路を見出そうとするも、藤巻の左ジャブでなかなか組みつくことができない。組み付いてもその気のない藤巻は振りほどき、付け入るスキを与えない。

 2Rも藤巻は足を使って回ってはジャブからのフックで小金を翻弄。小金は長い足を利しての前蹴りからのパンチ、飛び膝で反撃。左ジャブからの右ストレートをヒットさせるとすぐに組み付き、小手投げでついにテイクダウンに成功。マウントからバックに回って、胴締めをガッチリ極めスリーパーホールドを狙う。必死にガードする藤巻に後ろからパンチを放ちながら首元になんとか腕を差し込もうとする小金。藤巻は巧みなガードから脱出するも、小金は左腕を離さず、残り10秒で下から十字固めの体勢に持ち込む。藤巻はそのままの体勢でしのぎ、終了のゴングが鳴った。

平は最後にこのポーズ(撮影・蔦野裕)

ライト級王者・平が「ドローじゃやれねえな」

 判定を聞き、リングに大の字となった小金、終盤失速し勝ちを逃した藤巻が退場すると、ライト級王者の平信一がリングイン。「勝ったほうとやってやろうと思ってたのによ、ドローじゃやれねえな。韓国のチャンピオンが来たらしいけど、逃げてんじゃねえよ」とアピールした。