【インタビュー】土村芳 “ネタバレ厳禁”の話題作『去年の冬、きみと別れ』で最も“秘密”の人物!?

 三代目J Soul Brothers/EXILEの岩田剛典を主演に迎え、芥川賞作家・中村文則のベストセラー小説を映画化した話題作『去年の冬、きみと別れ』。クライマックスで明らかになる“衝撃の真実”に深く関わることから、そのほとんどの情報が隠されていた盲目の美女・吉岡亜希子を演じたのが、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』の君枝役で注目を集めた女優・土村芳(つちむら かほ)。公開後の今だから話せる!? 撮影エピソードや気になる素顔を語る!
撮影・蔦野裕 ヘアメイク・横山雷志郎(Yolken) スタイリスト・池田未来
 三代目J Soul Brothers/EXILEの岩田剛典を主演に迎え、芥川賞作家・中村文則のベストセラー小説を映画化した話題作『去年の冬、きみと別れ』。クライマックスで明らかになる“衝撃の真実”に深く関わることから、そのほとんどの情報が隠されていた盲目の美女・吉岡亜希子を演じたのが、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』の君枝役で注目を集めた女優・土村芳(つちむら かほ)。公開後の今だから話せる!? 撮影エピソードや気になる素顔を語る!

 存在そのものが、ある意味ネタバレという特殊な役どころを演じることに迷いは無かったのだろうか?

「それは無かったですね。確かにインタビューでは話しづらい部分が多々ある役どころですけど(笑)、すべては亜希子から始まっているといっても過言ではない、とても重要な人物です。何よりこんな面白い作品に参加させていただけることも本当にうれしくて。亜希子のシーンは限られているので、その短い中でいかに亜希子という人物を説得力を持って伝えられるか、ということにもやりがいを感じましたね」
撮影・蔦野裕
 亜希子は岩田演じる記者・耶雲恭介が追う事件の被害者。しかし実は恭介とは、とあるつながりを持つ。

「私が演じるシーンは、ほとんどが岩田さんと一緒だったのですが、映画の中では本当に“つかの間の幸せな時間”なんです(笑)。岩田さんとは初対面だったんですが、まったく壁を作らない方という印象でした。大抵の人は会ってすぐのうちは多少、壁を作ってしまうものだと思うんですけど、そういうものを感じさせない。多分、感じさせないようにしてくださったんでしょうね(笑)。やはり、恭介と亜希子のシーンは2人の距離や空気感も大切ですから。そういうこともあって岩田さんは本当に親しみやすく接してくださっていました。でも私は、ほとんど岩田さんの顔を見ていなくて…」

 亜希子は視覚障害を持つ女性。そのため“視力を感じさせないまなざし”の演技が必要だった。

「“見えるけど見えない”ように焦点を合わせず、ほとんど岩田さんの顔を見てお芝居をすることが無かったので、完成した映像で岩田さんの表情を初めて見て、あのシーンを撮っていたときはこんな表情をしていたんだと感動したんです。こんな感動を覚えるのは私だけとは思いますが(笑)」

 恭介がこれほどまでに幸せなひと時を過ごしていたことを知っているのも亜希子だけ。

「岩田さんもおっしゃっていましたね。同じ映画を撮っているとは思えない、と(笑)。だからこそ、亜希子と恭介のシーンは2人の間に流れているものを大事に演じないといけないなと思っていました」

 撮影前には実際に視覚障害の支援センターでも実地体験をするなど徹底的に役作りを行った。

「日常的に点字を使っている方はものすごい速さで扱うので、当初は点字を打っているシーンの手元だけは吹き替えにしようかという話だったんですが、やっぱりどうしても自分で演じたくて。でも自分でやりたいですとお願いするより、実際に速く打てるようになるのが先だと思い、必死で練習していたんです。そうしたところ、いつの間にか私のままで撮影していただくことになったので、ありがたかったです。白杖も体になじむまで時間があれば手にして練習していました。そこで、初めて感じたことも多かったです。こちらを気にかけてくださる気配だったり。今、よけてくれたな、とかも感じますし。亜希子が歩んできた人生や、亜希子が持っている強い部分も、そういう経験から組み立てていくことができました。点字にしろ白杖にしろ、亜希子にとってはそれが日常ですから、演じる以上は絶対的に必要だと思っていました」
撮影・蔦野裕
 亜希子は、か弱くはかない姿の奥に強さを秘めている女性。土村自身も何か意外な一面を?

「先日、岩田さんと取材を受けたとき、岩田さんは食事に気を配っているとお話されていたんですけど私はたまに暴飲暴食してしまうこともあるとお話ししたら少し驚かれてしまいました(笑)。食生活が極端というのか、常にお腹いっぱいになるまで食べてしまう時があったり、逆に飲み物だけで済ませても平気なときがあるんです。食事の内容は偏らないようにしているんですけど…そろそろ規則正しくしないと(笑)。ただ、お腹がすいてなくても食べたりすると体調を崩してしまうことがあるので、もしかしたら体が欲するがままに行動しているのかもしれません(笑)」

 今ハマっているものは?

「海外ドラマにハマっていて、続きものだと止まらなくなるし、1話完結ものだと録画してすぐ見ちゃいます(笑)。日本のドラマも好きです。それこそ海外にも日本のドラマファンがいるんですね。以前、海外にお仕事で行ったとき現地のスタッフさんが、私が出演したドラマを見てくださっていました。朝ドラなども海外でも視聴できるチャンネルで放送されているそうなので『べっぴんさん』ファンもいてくれたらうれしいですね(笑)」

 現在は新たなドラマの役作りに奮闘中。

「京都生まれ京都育ちという、私にとってはなかなかハードルが高い役どころなのですが(笑)、一生懸命京都の方言を学んでいるところです」

 確かに“和風美女”の趣が。

「そういう面を見つけてくださるのは、うれしいです(笑)。そして、そこからまた別の面を見せることができる女優として成長していきたいです。この仕事は常に選択の連続ですから、選択肢を前にしたとき常に冒険し続けられるような女優になりたいと思っています」

(本紙・秋吉布由子)
©2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会
『去年の冬、きみと別れ』
監督:瀧本智行 出演:岩田剛典、山本美月、斎藤工、浅見れいな、北村一輝、土村芳他/1時間59分/ワーナー・ブラザース映画配給/全国公開中 公式サイト