水野正人氏が将来の起業家にメッセージ「世界の模範となれ」【WASEDA-EDGE人材育成プログラムリポート】

「起業特論Aトップリーダーマネジメント」第1回講師:水野正人氏『2020年に向けて、そしてBEYOND2020に』(2018年4月6日実施)
 文部科学省が推進する「グローバルアントレプレナー育成促進事業」に選定されている「WASEDA-EDGE人材育成プログラム」の一環として、早稲田大学では注目のトップリーダーを講師に招く特別講義「起業特論Aトップリーダーマネジメント」を開講(6月1日まで全8回)。第1回目の講師はスポーツ用品メーカー・ミズノ株式会社の相談役会長・水野正人氏が登壇した。


“お坊ちゃん”から、環境を考える企業家へ

「ミズノ株式会社創業者の孫として何不自由なく育てられました、いわゆる“お坊ちゃん”です(笑)。たくましくなるようにと、カブスカウトに入れられ、ボーイスカウト、シニアスカウトを経験し、行動力や自然のすばらしさを学んでいきました。あるときキャンプをしていた晩、夜空を見上げると満天の星空が見えた。そのころから宇宙や自然について興味を持つようになり、環境の大切さを意識するようになりました。ところが東京に住みはじめ、星空が見えないことに気づきました。当時の東京は大気汚染が深刻だったんですね。そんなとき、ローマ賢人会議で“持続可能”な社会を構築する必要がある、という趣旨の話があったことを聞き、とても共感しました。そこで、スポーツメーカーの世界連盟で、フリートレードやフェアトレードだけでなく環境問題についても業界を挙げて取り組むべきではないかと呼び掛けて環境委員会を設立しまして、10年間、委員長を務めました。これが結果的にIOCにコンタクトをとるきっかけとなったのです」


“2020年と、その先”を見据える

「こういった経緯から、IOCでも環境問題に取り組むということでJOCにも環境委員会が置かれたときに、私が委員長を務めることになりました。そして2006年にはJOCの副会長に就任しました。それが東京五輪招致に携わるきっかけとなりました。あいにく16年招致は実現しませんでしたが、2020年招致の際は国民の高い支持を得て、見事成功しました。

 2020年、オリンピック・パラリンピックを東京で開催する意義は2つあります。1つは、世界の模範となる大会を開催することで、日本の得意な安全・安心・確実・清潔をベースに、感動・夢・元気・勇気を世界中の人々と共有すること。2つ目は“レガシー”と呼ばれる大会の遺産です。これには有形なものと無形なもの、2種類があります。“有形遺産”は、会場施設やパラリンピック開催に向けバリアフリー化された各地の都市、厳重な警備体制のためのセキュリティーカメラといったもの。“無形遺産”は、大会開催をきっかけに活性化した文化・教育・環境・国際交流・ボランティアリズム・観光・新しいビジネスなどです。

 このうち、最も重要なのが“新しいビジネス”です。時代が変わればニーズも変わり、ビジネスも変わります。かつて最も安定した就職先とされていた大手銀行では現在、万単位の人員削減が行われているのは皆さんもご存知でしょう。AIやロボティクスの発達により社会は大きく変わっています」


新たな時代へ。日本の起業家が大切にすべきこと

「日本にはさまざまな優れた点があります。品質の高いモノづくり。複雑な地下鉄網で時間通り着くインフラ。どの時間に外に出ても命の危険を意識しない犯罪率の低さ。海外であれば、震災で暴動が起きてもおかしくない状況で、物資の配給をきちんと列を作って待つ人々。ビジネスにおいても同様です。西欧では売り手と買い手、双方が満足するwin-win という考え方がありますが、日本には昔から売り手よし・買い手よし・世間よしの“三方よし”という考え方があります。世間、つまり社会に対する倫理観を持ったビジネスをすること。世界の模範となりうる、日本の素晴らしい要素をベースに、我々は新しいビジネスを作っていかなければなりません。新たなものを作るとき方法は3つあります。組み合わせ・置換・部分変化です。これを行うには、さまざまな知識や経験が必要です。人口がますます増加するこれからの時代、ビジネスポイントは、どうしたら多くの人に喜んでもらえるのかを考えることにあります。それと同時に、持続可能な社会を作ること、これも大切なことです。ぜひ皆さんには、日本が模範となって世界を引っ張っていくことができるよう、自分で考える力を意識して学んでいってもらいたい。

 そのためにはリーダーとしての能力を培わなければなりません。リーダーがやらなければならないことは2つ。課題達成と、それを実現するためのチームワークの維持です。それゆえ、リーダーには人を動かす力が求められます。人を動かす力には、暴力・金・地位・専門性・情報・人間性があります。このうち最も大事なのが人間性です。皆さんは、さまざまな知識や経験に加え、この人間性を磨いて世界の模範となってください」
水野正人
1943年兵庫県生まれ。ミズノ株式会社相談役会長。1966年に同社に入社。1988年から社長を務めたのち2006年に代表取締役会長に就任。2011年、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会事務総長(後に副理事長兼専務理事)に就任し、会長を退任。2013年9月IOC総会最終プレゼンではスピーチも行い東京五輪招致を実現させた。
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