【インタビュー】EXILE SHOKICH、ソロ最新作で歌う敗者の美学! 

5月23日に約2年ぶりとなるニューシングル『Underdog』をリリースするEXILE SHOKICHI。ソロアーティストとして進化し続ける彼が新たに放つ新曲は、自身のルーツでもあるバンド感あふれるロックテイスト。「EXILEというフレームの中で、ここまで青春感のある楽曲はないと思う」と語る新曲に込めた思いと、今現在もリスペクトし続けるhideから学ぶこととは――。
撮影・辰根東醐/スタイリスト・jumbo(speedwheels)/ヘアメイク・大木利保
「Underdog」はLDH史上最もバンド感のある楽曲!?

――この2年間は主にEXILE THE SECOND(以下、SECOND)として活躍される中で、最新シングル『Underdog』がリリースされます。どのような思いで、この楽曲に取り組んだのか教えてください。

EXILE SHOKICHI(以下、SHOKICHI):SECONDの活動を通じて、改めて音楽やライブに対する姿勢を学ばせていただきました。 SECONDでは本当にバラエティー豊かな楽曲を表現する機会に恵まれ、自分自身、“パワーアップした今の自分の音楽を見せたい”という思いが強くなっていったんです。ファンの皆さんから、「ソロのSHOKICHIを見たい」という声も大きな勇気や後押しになり、新しいSHOKICHIを表現したいなって。

――『Underdog』は、これまでのシングルとは打って変わってロック調。まさかこういったテイストの曲を聴くことができるとはビックリしました。

SHOKICHI:ハハハハハ。確かにロックなんですけど、実は ビート的にはヒップホップの要素が多分に含まれてるんです。トラップ(Trap)と言って、ハードコアやヒップホップから派生したヒップホップのスタイルの一つで、現在のアメリカのヒップホップシーンの若い子たちって、ロックやヘビーメタルに影響を受けてることが珍しくない。僕自身、10代の頃はそういった音楽に影響を受けてきたので、自分の原点にあるものと新しい要素をクロスオーバーさせた音楽を作りたかった。

――SHOKICHIさんは、中学生の頃からバンドを結成するなど、音楽的な原点はバンドになると思うのですが、当時はどういった音楽を聴いていたのですか?

SHOKICHI:有名なところではX JAPAN、GLAY、Hi-standard、Dragon Ash……洋楽だったら、Green Day、The Offspring、Limp Bizkit、Linkin Parkなんかですね。ロック系やメロコア系だったらジャンル問わずみたいな(笑)。僕らが魅了された素晴らしいJ-ROCKの要素って色褪せないと思うんです。『Underdog』を制作するにあたって、新しい要素を取り入れながらも、ジャパニーズライクな、世代関係なく僕らの耳に自然と残るような楽曲を目指したかった。

――たしかに、イントロのギターは、思わずニヤけてしまうフレーズですよね。初めてギターを買った子が、真っ先に練習して弾きたくなるメロディというか。

SHOKICHI:まさにそれは意識したこと!(笑) Green Dayの“Basket Case”のような耳に残るフレーズって、理屈抜きで聞き心地が良いじゃないですか? それって音楽の醍醐味の一つだと思うんです。バンド的なルーツを新曲に閉じ込めるにあたって、“親しみやすさ”は大事にしたかった。

――制作に携わったUTAさん(音楽プロデューサー)、KENJI03さん(BACK-ON)とも、そういった話を?

SHOKICHI:コンセプトをUTA君に伝えたところ、(ミクスチャー・ロックバンド「BACK-ON」で活躍する)KENJI03君も一緒の方がクオリティーが高くなるだろうと。KENJI03君はバリバリのロック畑の人間ですから、僕が表現したいヒップホップのビートと、彼が持つロックのビートをどう融和させるか。「そこまでロック調にするとやりすぎだよなぁ」なんてディスカッションしながら作り上げていく過程はとても面白かった。

――それにしても聴けば聴くほど、EXILEやSECONDとは違う魅力が詰まった一曲ですよね。ファンはもちろん、そうじゃない人からもどういったリアクションがあるのか楽しみでは?

SHOKICHI:それはありますね! パンドラの箱を開けたじゃないですけど、LDH(所属する事務所、EXILEを筆頭に多くの人気アーティストが所属)の楽曲でここまでバンドチックというか青春感のある曲はないと思います(笑)。でも、同時に「もしかしたらこれが俺の新しい場所になるんじゃないのか」っていう気持ちもあって。さまざまな活動をしてきたからこそ、今だったらもっと自由に音楽を作れると思うし、説得力も生まれるはず。このチャレンジが、J-POPシーンにおいて新しいSHOKICHIに必要なピースだと思いたい。
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