未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」リポート!「有料花火大会」のクオリティに圧巻

 未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND(スター アイランド)」が、5月26日、お台場海浜公園で開催された。初開催となった2017年はインフルエンサーによるマーケティングなどで終演後話題を呼んだ。花火、3Dテクノロジー、最先端のテクノロジーとパフォーマンスが融合したメガパーティーをリポート!

 初開催となった昨年は、多くの人々と同じく公演中のインフルエンサーたちの投稿で、スターアイランドの存在を知った。記者も今年こそという気持ちで潜入。花火を見に行きたいというよりも、やはり本公演を手がけるのが「ULTRA JAPAN」の総合プロデューサー小橋賢児、というところに興味があったのも大きい。「世界に名だたるダンスミュージックの祭典”ULTRA”のプロデューサーの手がけるイベントとなれば、さぞパリピなイベントなんだろうな…」そんな気持ちで当日、お台場海浜公園駅に降り立った。
夕方の時間は思ったよりゆっくり流れていた
17:00 著名DJのプレイを聞きながら夕暮れを待つ

 野外DJパーティとなれば、若者がお酒を飲んでどんちゃん騒ぎ、という想像をしていたが、そんな雰囲気はほとんどない。そもそもグループで来ている人があまりおらず、ペアで来ている人が多いからだろうか。

 席はいくつかランク分けされており、限定席としてディナー席や、なんとダブルベット席まで用意されている。そういった理由から、男女のペアが多いかと考えていたが、意外とそんなこともなく、女同士、家族連れも多い。お酒を飲みながらのDJイベントだが、ナンパの雰囲気などもあまりなかった。

 公園内ではフードやお酒を購入することができ、“パリピといえば”なショット酒「コカレロ」など危険そうなアルコールも販売されていたが、渋谷のクラブのような泥酔者や危ない男女などはまったく見受けられなかった。

 会場では「リカックス」などの著名なDJプレーヤーたちによる質の高いプレイを楽しめたが、クラブや「ULTRA」のように踊り狂って楽しむ、というような雰囲気ではなく、あくまで皆お酒を片手に浜辺に腰掛け、横ノリを楽しみながら自分の相方と談笑しているようだった。

 ベッド席での男女の行動も少々気になるところだったが、さすがにペアで4万もするシートを確保する余裕のある大人は、公衆の面前でイチャイチャプレイをかますようなことはしないようで、みな少しうれしそうにベッドに腰掛けながら、少し他人より近い距離で夕暮れの浜辺を眺めていた。


19:20 いよいよ花火の打ち上げ開始!

 日の入りも過ぎ、いよいよ花火の打ち上げが始まる! 花火と音楽が完全に融合した「ミュージック花火」、数百のスピーカーによる3D音響……こちらも「ULTRA」らしいパリピ感を想像させる。

 いよいよ花火がスタート。レインボーブリッジを背景にカラフルな花火が打ち上げられる。ふと視線を落とすと、会場付近の海上は花火にも負けないレインボーな屋形船が埋め尽くしていた。

 会場では、入場時にオーディエンスに配られていたリストバンドが、七色に光り始める。このリストバンドは、会場内の花火やDJに合わせて色を変えて光輝く。

 一瞬会場が真っ暗になり、次の刹那ーーそしてまた、花火が打ち上がる。それとシンクロして「3D」の音質と雲すら貫く強い光に包みこまれた。スピーカーは浜を埋め尽くすように観客たちの前後に並べられており、右耳から左耳へ、移動するように音楽が流れていく!


 ビーチではさまざまなパフォーマーによるショーも繰り広げられる。火花とともに踊るファイヤーダンサーや、妖艶なポールダンサー、白鳥の湖と共に舞うバレリーナ、光と影とで織りなされるシャドーダンス。次々に登場するパフォーマーにクギづけだ。

 花火はDJが流す音楽と完全にシンクロして打ち上がる。視覚と聴覚、肌で感じる、ライブで見るからこその複合体験。これはもはや、私が知っている花火大会とは完全に一線を画していた。従来の花火大会に感じるような「趣き」とは違う感情だったが、私は確かに感動していた。


 音と光のショーは、プロジェクションマッピングが流行してからどこでも見ることが難しくなくなったが、STAR ISLANDでは花火の音と光と、炎の温度と、サウンドの音圧と、こんなに一度に様々な感覚を浴びたことは今までなかった。

 プレミアムペアシートやベッドシートのカップルたちも、イチャイチャする余裕もないのか、目の前で繰り広げられる見たことのない複合体験に圧巻されていた。その最高のエンターテイメントから目をそらす余裕は、ほとんどなかった。



高額なチケット代だからこそ実現できる上質なホスピタリティ

 来場前、筆者がSTAR ISLANDに対して持っていたイメージは「ULTRAっぽいパリピ花火イベント」だった。遊びに来ているオーディエンスも、クラブに来ているような華々しいギャルとギャル男を想像していたが、実際はそんなこともなく、落ち着いたアラサー世代や家族連れも多く来場していた。

 これは、STAR ISLANDの少し高めのチケットの料金設定の効果なのではないかと思っている。学生には少し高い、最低料金でもペアシート1万円という価格設定。各地で無料で見れる花火大会も多いことを考えると、若い世代はわざわざ課金せずとも、と考えるのかもしれない。

 しかし一方で、オーディエンス側も課金をすることでホスピタリティやクオリティの高い花火を見ることが出来ている。

 都内の花火大会といえば、歩くのも大変なほど混み合い、場所取りのために早い時間から行動すると言った手間も発生するが、STAR ISLANDは限定席はすでに指定席として場所が決まっているので場所取りをする必要はなく、一般席でもある程度見やすさが保証されている。混み合う花火大会には遊びに来づらいベビーカー連れの親子も、スターアイランドなら安全な場所で花火を楽しむことができる。園内には子供が遊べるボールプールなどのキッズスペースも用意されており、子連れの来場者に対して高いホスピタリティを発揮していた。

 また、アルコールの販売も、ビール缶は紙コップに注ぎ直して提供されており、ゴミマナーに対する運営側の心配りがあった。

 ショーと花火そのものに関しても、チケット代があってこそペイできるような著名なアーティストたちが呼ばれており、高いクオリティのエンターテイメントを実現していたと思う。

 STAR ISLANDは「花火大会=無料」の概念をいい意味で突き崩している。各地の花火大会でも、一部有料化の流れを取り入れることで、オーディエンスにとっても地方にとっても、さらにクオリティの高い地方振興イベントを作っていけるのではないだろうか。

(文・ミクニシオリ)
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