【インタビュー】田中大貴アナ TOKYO MXで初の高校野球を実況「“甲子園に出たい”ではなく “出ます”と全選手に言ってもらいたい」

 7月1日から夏の甲子園への出場権をかけた高校野球の「東・西東京大会」が始まった。TOKYO MXでは7月26〜29日に行われる両地区の準決勝と決勝を放送する。今大会では4月にフジテレビを退社しフリーとなった田中大貴アナが初めての高校野球の実況を行う。高校野球、大学野球でも活躍した田中アナに高校野球について、そしてスポーツ実況について話を聞いた。

(衣装・株式会社VOLUME/撮影・蔦野裕)

 まず高校野球の魅力とは?

「高校生という時期ゆえの筋肉、骨格、考え方、精神的なポテンシャルといった要因から自分の持っている力以上のものがその期間中に一気に出てしまうということが起きるのが高校野球。公式戦でホームランを打ったことがなかった選手がこの大会中にホームランを3本も4本も打ったりするということが起こるのはそれが理由。斎藤佑樹選手は甲子園の決勝が再試合になって2試合続けて完投したんですが、本人は“今はもうできない”と言っていました。プロになって体ができてしまうと、自分の100%の力が脳でだいたいこれくらいということが分かってしまうので60〜70%くらいのところにリミッターができてしまうんです。精神的にも肉体的にも発達途上だからこそ、ああいう信じられないような力が宿るのが高校野球なんです」

 自分の実況スタイルは?

「映像をしっかりと見せる、音をしっかりと聞かせる、ということを常に考えています。例えば清宮選手が逆転満塁ホームランを打ったら、ベース1周の間を喋り続けるのか、それともぐっとこらえて黙るのか。このベースランニング1周というのは、いろいろな人のいろいろな思いが詰まっているので、そこをあえて自分の声を入れずに我慢をして、ホームベースを踏んでから喋るというのが僕のスタイル。自分がプレーしていた時のことを踏まえて考えた結果、こういうスタイルになりました」

 球児にエールを。

「“甲子園に出たい”ではなく、“甲子園に出ます。出て活躍します”と全選手に言ってもらいたいと思います。大会に参加する全高校の全部員にそれを言う権利がある。僕も当時は甲子園に出たいと思っていた。 “出たい”だったから甲子園に出場できなかった。18歳の時にみんなで“出ます”と言い続けていたら多分出場できたと思うんです。そういう後悔もあるので、それも踏まえて、みんなには“甲子園に出ます”と言ってもらいたい。それを“甲子園になんて出られるわけがない”というような大人がいたら、それはその大人が間違っていると僕は声を大にして言いたいです」

 田中アナは「西東京大会準決勝第2試合」(7月26日)と「東東京大会準決勝第2試合」(7月27日)を実況する。

【TOKYO MXの高校野球中継】
◆7月26日(木)西・準決勝 
◆7月27日(金)東・準決勝
◆7月28日(土)西・決勝+閉会式 
◆7月29日(日)東・決勝+閉会式 
※雨天や編成の都合上、放送内容が変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。