格闘家 エリアス・マムーディ「K-1のチャンピオンになりたいと強く思う」

撮影・仲西マティアス

 フランスからK-1のベルトを取るためにやってきたエリアス・マムーディ。モデル顔負けの甘いマスク、長い手足、細マッチョのバランスのとれたボディー。どこから見ても完璧な彼が、6月17日にさいたまスーパーアリーナで開催された「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN 〜第2代フェザー級王座決定トーナメント〜」に出場するために来日。試合前に話を聞いた。

「K-1へ参戦するのは1年7カ月ぶりですが、ほかの選手のアテンドのほか、自分自身もKrushの試合に出場するために何度か来日しているので、すごく久しぶりという感じではありません。僕は格闘技のおかげで、世界中のいろいろな国に行ったことがありますが、日本は一番好きな国です。なぜなら、街はキレイで、人々には教養があり、とにかく皆さんとても優しい。自分は格闘技のために来ているので、試合会場とホテルの周りぐらいしか知りませんが、チャンスがあったら日本各地を旅行したいですね」

撮影・仲西マティアス

 日本が大好きと語るエリアス。日本のファンにも感謝していると言う。

「フランスにいる時は、なかなか日本のファンの声は届かないのですが、試合で日本に来た時などは、道で話しかけてもらったり、握手を求められたりすることが多く、とてもうれしいです。また、パーティー会場で話しかけてくれたファンが、僕に会った事に感動して泣きだしてしまったことも。日本ではそういう経験をすることが多く、ファンがいてくれることを感じます。また、FacebookやInstagramでも、たまに日本のファンからメッセージやコメントが届くことがあり、そういう時に日本のファンの事を思い出します。前回日本に来た時には、お菓子を差し入れしてもらって、それがすごくおいしかった。試合前は体重制限があるため、ほとんど食べられませんし、試合後も限られた時間なので、おいしいお店を発見するという時間もありません。しかしファンの皆さんがおいしいものをたくさん持ってきてくれたので日本の味を楽しむ事ができました」

撮影・仲西マティアス

 それにしてもほれぼれするイケメン。

「フランスやタイではモデルの仕事もしたことがありますが、日本でもそういうオファーがあればぜひやりたいですね。顔を殴られる仕事ですけど、そういうチャンスをいただけたら、試合中はできるだけ顔を隠してダメージを受けないように戦いたいと思います(笑)」
 モデルでもいけると思うが、戦うモチベーションは何なのか。

「父や叔父、そして兄も家族みんな格闘技をやっています。兄はキックボクシングのトレーナーとして中国やオーストラリアほか、世界でも教えていますし、小さな頃からそういう環境で育ったので、自分にとって格闘技をやることはとても自然な事なんです。その上で、両親や家族、友達などいろいろな人が僕に期待を寄せ、さまざまなサポートをしてくれています。そういう人たちを、失望させたくない、がっかりさせたくないというのが、モチベーションになっていると思います。あとはもちろん、お金を稼ぐという意味でも、自分にできることは戦うことしかないと思っています」

撮影・仲西マティアス

 今回は、前回取り逃したベルトを取りにきたというエリアスにとってK-1とは?

「K-1はとても有名で、キックボクシングの団体ではトップにあると思っています。僕にとってK-1イコール日本というイメージがあるので、そんな世界一強いK-1がある国で格闘技をしている日本人選手はトップクラスだと思っています。ですから、自分がこれからも格闘技を続けるなら、日本人選手に勝ってK-1のベルトを獲得したい、K-1のチャンピオンになりたいと強く思いました。そういった意味でも日本でキャリアを積み、多くの人に自分のファイトを見てもらいたいです。心から日本のファンが大好きなので、その応援をモチベーションに頑張りたい。絶対に優勝して、またすぐに日本に帰って来たいと思います」

撮影・仲西マティアス

 試合前、K-1への思いを熱く語っていたエリアスだが、惜しくも一回戦敗退。初代フェザー級王座決定トーナメントでは準決勝まで進出していただけに、ベルト奪取への気持ちは誰よりも強く、試合後何度も悔しさを口にした。しかし、優勝した村越を相手に判定まで持ち込んだファイトは、ファンを大いに喜ばせた。20歳という若さを考えると、まだまだベルトを狙えるチャンスはあるはず。イケメンの復活を期待したい。

撮影・仲西マティアス
格闘家イケメンファイル Vol.90
フランスの天才児 Elias Mahmoudi(エリアス・マムーディ)

フランス・クレテイユ出身。1998年1月14日生まれ。父、叔父、兄がムエタイを学んでいたという格闘一族に生まれ、現在も父・伯父から格闘技の手ほどきを受けている。長い手足とロングリーチを生かした攻撃が武器で、鋭い蹴り・ヒザ蹴りや回転系の技も得意にしており、プロデビューから15連勝を記録した。2016年11月の初代フェザー級王座決定トーナメントでは準決勝進出。次こそはベルトをと、先月約1年7カ月ぶりにK-1に参戦。「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN 〜第2代フェザー級王座決定トーナメント〜」に出場したものの、優勝した村越優汰に判定で敗れ、1回戦敗退。雪辱を果たすことはできなった。