人生をUP&SET! キックボクシングで一時代を築き上げた吉本光志がジムをオープン!

 かつて″黒豹″と呼ばれ、RISEスーパーライト級王者として活躍した吉本光志さんが、6月1日、東京都武蔵野市武蔵境駅近にジムをオープンした。UP&SET GYMがそれだ。(取材・布施鋼治)
現役時に比べ、ちょっと表情が柔和になった?吉本さん
6月1日に「UP&SET GYM」をオープン

 ジム設立の経緯について聞くと、吉本さんは意外なことを口にした。

「選手時代は満足の行く結果を残すことしか考えていなかった」

 しかし、強豪外国人選手を相手にKO勝ちを収めた引退試合の数日後、みんながほめてくれる中、ある友人だけがグサリと突き刺さるアドバイスを送ってきた。

「とりあえずおめでとう。でも、10年後に自分の人生を思い返した時に、あの頃が一番良かったと言っていたらダメだ」

 その言葉を聞き、吉本さんはハッと気づいた。ちょうど世間では元有名野球選手が覚醒剤で逮捕され、話題になっている頃だ。過去を美化しながら落ちぶれたくはないと思った。

「現役中はいくらスーパースターでも、その後の生活をしっかり考えていかないと誰だってああいうふうになりかねない」

 友人で、旧K-1でも活躍したHAYATOさんが仕切るジムを軸に吉本さんはイントラクターとして市井の人々にキックボクシングを本格的に教え始めた。

「それまでの自分は人に教えるということは結構苦手がだったんですよ」

 実際に教えてみると、土地柄や立地場所によって集まる人たちは全然違うことを目の当たりにした。自分のジムをオープンすることをHAYOTOさんに告げると、こんなアドバイスをくれた。

「ヨッシー、会員数とかを聞いてくる人もいるけど、数字を追わずに人を追えよ」

 吉本さんにとってはいろいろと考えさせられる一言だった。

「僕はどうしても性格的にひとりひとりに集中してしまうクセがある。でも、指導者としては全体を見なければならない。HAYATOさんはたぶん自分のいいところを消したらダメ。僕が数字とかバランスだけを気にしすぎても仕方ないということを教えてくれたんだと思います」
キッズのミットも持つ
週7日ほとんど休みなくジムで指導

 実際にジムの代表という立場になると、現役時代に経験したことが大いに役立っているという。

「僕はデビュー戦こそ勝っているけど、それから連勝したわけではない。中盤は勝ったり負けたり。闘う団体も渡り歩く形になり、途中で団体がなくなってしまうこともあった。そしてケガもあって、入院や手術もした。さらに総合格闘技(パンクラス)にも挑戦したので、柔道やレスリングにも取り組んだ。そうした中、海外遠征もしているので、選手としてはこれ以上ないといっていいほどの経験を積むことができたと思う。試行錯誤を繰り返してきた自分のキャリアをしっかりと会員さんに還元していきたい」

 ここ数年、都内は格闘技系のジムが林立しているせいで物件選びは難航したが、友人のつてで現在の物件に出会うことができた。同時代に活躍した元選手で現在は吉本さんと同様、ジムオーナーとなっている人たちから騒音を防ぐためのサンドバックの吊るし方などを教えてもらい、オープンにこぎ着けた。

 ちょうど武蔵境にはキック系のジムがなかったことも手伝い、オープンとともに「待っていました」とばかりに老若男女を問わず会員は増え続けている。取材の時にはちょうど子供たちに手取り足取り教えていた。

「40歳前半でキックをやりたい。あるいは昔やっていたといった結構熱血系の人も多いですね」

 現在吉本さん週7日ほとんど休みなくジムで指導している。「正直体はきついけど、毎日充実しています」

 顔つきこそやさしくなったが、吉本さんの目は現役時代のように活き活きとしていた。
UP&SET GYM
〒180-0023 東京都武蔵野市境南町2-9-1 山口ビル3F
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