市原隼人、父への思いを語る「障がいを持つ人が白い目で見られるとしたら、それは社会が間違っている」

 車いすバスケットボールを題材としたドキュメンタリー映画『THE REBOUND』の特別上映イベントが6日、都内にて行われ、映画の主演アスリート、マリオ・モーラン選手と、ゲストの俳優・市原隼人が登場した。

 司会を務めるお笑い芸人・田村裕(麒麟)から映画の感想を尋ねられた市原は「こんなにも鳥肌が立って興奮して泣ける映画もそうそう無い。ドキュメンタリーならではの見応えも素晴らしかった。劇中に車いすバスケで人生を取り戻したいんだという印象的な台詞がありますが、彼らにとって車いすバスケはそういう場所。それを少しでも多くの人に分かってもらえたらいいなと思いました」と絶賛。

 以前に、ドラマで車いすバスケに挑む青年を演じた市原。マリオ選手から、役作りのためにどれだけ車いすバスケの練習をしたのかと尋ねられ「本当にすごくハードで毎日筋肉痛になりました。番組で用意してもらった練習場所とは別に、自分でコートを探して仲良くなった人たちと練習をさせてもらっていました」とすっかり車いすバスケに夢中になったことを振り返り「(車いすの)タイヤが焦げるにおいがまたいいんですよね」と笑顔を見せた。そんな市原にマリオ選手も「何より、チームメイトと兄弟のような絆を結べるのも車いすバスケの魅力だね」とにっこり。
 すると、それまで司会に徹していた田村が「せっかくなのでマリオさんから僕に何か質問があれば…」。突然の質問要求に会場からは笑いが起こったが、田村は「実は僕、3×3のバスケチームのオーナーをやっていて」。そこで「日本に車いすバスケのリーグを作る考えはありますか?」とマリオ選手から尋ねられた田村は「知り合いの車いすバスケの選手といつかリーグを作れたらいいねという話はしているんです」と明かし、すかさず「もし本当にリーグを作ったらプレイしに来てくれますか?」。するとマリオ選手も「行くよ! メールちょうだい」と快諾。
 終始、気さくなマリオ選手だったが、障がいを持つ人だけでなく困難を感じている人へのメッセージを求められると「障がい者であれ健常者であれ、共通して言えることは家にこもりきりにならないこと。僕の知人にも家に閉じこもってカーテンを閉め切って暮らしていた人がいて、ぼくは毎日カーテンを開けに通っていたよ。大切なことはまだ生きているということ。自分に嫌悪感を感じている暇なんて無いんだ」と熱く語った。そんなマリオ選手の言葉に頷いていた市原もまた、熱い思いをあふれさせる。

「僕の父親が車いすを使っているんです。今では、もう自分で動かすこともできないんですが、一緒にご飯を食べていたときに、こんな姿になってすまないと何度も謝るんです。そんな必要はまったく無いのに。悪いことじゃないしカッコ悪くもない。堂々と社会に出ていってほしい。もしそれで白い目で見られるとしたらそれは社会が間違っていると僕は思うんです。

 まだまだ、障がいを持つ人とどう関わったらいいか分からない人が多いけど、みんな待っているんです。垣根が無くなることを、引かれた線が薄くなることを、みんな待っている。映画でも語られていますが、すべての人に人生を楽しむ権利がある、スポーツを楽しむ権利があるんです。僕も、父のことであっても100パーセント気持ちを理解できるわけではありません。だからこそまずは1パーセントから始めればいい。この映画がいろんな人の希望になることを願っています」

 市原は最後、マリオ選手の車いすをスタッフと一緒に担いで降壇。会場も大きな拍手で2人を見送った。