子どもたちがあこがれのピッチでさまざまな競技を体験

夢の課外授業スポーツ体験スペシャルinさいたまvol.4
(撮影・蔦野裕)

 子どもたちが夢や目標を持つためのきっかけづくりを目指す『夢の課外授業』(主催:二十一世紀倶楽部/協賛:株式会社ルネサンス)。その特別版「夢の課外授業スポーツ体験スペシャルinさいたま VOL.4」が8月6日、埼玉・浦和駒場スタジアムで開催された。

 4回目とすっかり夏の恒例行事となった感もあるこの駒場スタジアムでの課外授業は、地元・浦和レッズでプレーした元Jリーガーの水内猛さんが発起人となって行われるもの。

 ふだんは学校に出向き、そこで授業を行うことが多い『夢の課外授業』だが、この特別版では小学生男女を一般公募。抽選で選ばれた100人を駒場スタジアムに招き、昨年に引き続きサッカー、ラグビー、陸上の3種目に今年は新しく「スポーツリズムトレーニング」も取り入れた豪華版となった。

(撮影・蔦野裕)

 サッカーの先生を務めるのはもちろん水内さん。ラグビーの先生は元ラグビー日本代表の堀越正巳さん。陸上の先生は元陸上選手で現在プロスプリントコーチとして多くのプロスポーツ選手を指導する秋本真吾さん。スポーツリズムトレーニングは角田さんをはじめ3人のインストラクターが担当した。

 参加者は小学校1、2年生、3、4年生、5、6年生の3つのグループに分かれ整列。授業は例年通り、水内先生のお話からスタートだ。

「おはようございます!」

 マイクなしの地声で水内先生が挨拶すると子供たちも声を合わせて「おはようございます!」。昨年よりも大きい声のような気もするが、水内先生はもう一度、二度と「おはようございます!」。それに合わせて徐々に大きな声になっていく子供たち。

「もうちょっと元気があればいいんじゃない?」「最初からそれくらい元気があるといいよね」とやっと水内先生のOKが出る。

(撮影・蔦野裕)

 まずは体を動かす前に頭の運動から。水内先生と全員でじゃんけんをするのだが、参加者は水内さんが「パー」と言えば「チョキ」、「グー」と言えば「パー」というように後出しじゃんけんで勝つ形を声に出していく。これはシナプソロジーという脳の活性化を促すトレーニング。慣れたと思ったら今度は負ける形に切り替え。子供たちはもちろんだが、付き添いのお父さんお母さんたちにも効果的とのことで皆さん真剣な?眼差し。こういった遊びながら脳を活性化させるトレーニングをいくつかこなしてから体を動かすことに。

 例年は水内先生がウオーミングアップを行うのだが、今回は新登場の「スポーツリズムトレーニング」がその代わり。

 さまざまなジャンプに上半身の動きをつけることでリズム感を養うことのできるこのトレーニング。「リズム感が良くなるとパフォーマンスが上がる」という角田先生の声に真剣みも増す子供たち。

(撮影・蔦野裕)

 その後はサッカー、ラグビー、陸上の3チームに分かれ、約30分ずつそれぞれの競技を体験した。

 サッカーの水内先生の授業はまず挨拶から。そしてボールと遊びながら徐々にサッカーの実技に入っていく。例えばボールの上に足を置いてぐるぐる回る動作からいつの間にかフェイントの動作に移行するといった感じ。

 最後はゴールが4つ、ボールを2つ使ってのゲームで終了。この時も試合前後の整列と礼は忘れない。

 ラグビーは腰につけたタグを奪い合う「タグラグビー」を中心に展開。ここではラグビーに親しむこと、チームワークの大切さが自然に身につけられる授業が展開された。

 サッカーなどに比べると、小学生にとってはやや知名度が低いスポーツとあって堀越先生が「トライの意味を分かる人いる?」と問いかけると「始めることー」というそこそこ合ってる答えが飛び出し、先生たちも思わず笑みを浮かべる場面もあった。

(撮影・蔦野裕)

 陸上の授業では秋本先生が早く走るためのコツを伝授。それは「足の回転を速くすること」と「歩幅を広げること」。付き添いのお父さんお母さんを含め、大人が聞くと「分かっちゃいるけどできないから苦労している」と言いたくなることなのだが、秋本先生のポイントを押さえた指導で子供たちはみるみるそのフォームを身につけていく。

「小学生のころにこういう指導者に出会っていれば…」と思った大人は多かったはず?

 閉会式では水内先生は「自分の好きなことってあるよね。無い人は探して、ぜひそれを続けてください。いいことを続けてください。悪いことはしちゃダメだよ。ルールというものがあって、その中で精いっぱい工夫して努力して頑張ってください。お父さんお母さんもぜひサポートしてあげてください」などと挨拶。最後は水内先生の掛け声で一斉に大きな声での「ありがとうございました!」で終了した。