【インタビュー】DOBERMAN INFINITY、最新夏曲は脱・草食系男子的で〈アリそうぉ…〉?

 HIPHOPグループのドーベルこと、DOBERMAN INFINITY(D.I.)がニューシングル「SUPER BALL」をリリースした。表題曲は、スーパーボールのように徹底的に弾むサマーパーティーチューン。この曲で、残りの夏もドーベルが漏れなく盛り上げる!


――今回のシングル『SUPER BALL』はアートワーク含めて夏全開な仕上がりですが、どんな想いで曲の制作に向き合ったのでしょうか?

SWAY:今年の夏のDOBERMAN INFINITYというものを聴いてもらいたいという気持ちからですね。ファーストシングル『SAY YEAH!!』や昨夏の『DO PARTY』を超えるにはどういう曲を作るべきかを考えて、みなさんが楽しく弾けられる夏をテーマに制作していきました。

――表題曲「SUPER BALL」はKAZUKIさんプロデュースの楽曲とのことですが、実際どのように制作を進めていったのでしょうか?

KAZUKI:とにかく夏にブチ上がる曲が欲しかったので、それなら自分のイメージで一度トラックを作ってみようと思って提案したのが始まりです。

――KAZUKIさんが制作したトラックが起用されるのは、初めてのことですよね?

KAZUKI:はい、初めてです。でも、トラック制作自体は世に出すこともなく18歳の頃からずっとやっていました
GS:トラックを作っていることなんて何も聞いていないのに、スタジオに行ったら「トラックを作ったんですけど聴いてもらえますか?」と言うのでびっくりしました。
KAZUKI:シンガーでありながらトラックも作れるアーティストになることは、自分のひとつの夢でもあったんです。
GS:そんな話を聞いたらダメとは言えないですよ(笑)。
KUBO-C:そりゃ言えん(笑)。

――先ほど「夏にブチ上がる曲」とおっしゃっていましたが、具体的にどんなイメージを持ってトラックを制作していったのでしょうか?

KAZUKI:今までレゲトンのビートで歌うことがなかったので、そこに挑戦してみようと思って制作していった感じです。
P-CHO:KAZUKIがこの夏曲に懸ける想いは、メンバー会議の発言などを思い返してもすごく強いものがあったと思います。というのも、候補となるトラックを何曲も聴いていたんですが、しっくり来るトラックに出会えなかったんです。だったら自分のイメージで作って提案してみようというのが、KAZUKIの考えだったんだと思います。
GS:5人の想いをKAZUKIが音にして提案してくれました。メンバーの誰かがこうしてトラックを提供してくれるというのもDOBERMAN INFINITYの進化であり、強みになっていますね。

――トラックが決まった後はリリックを考えていく作業になると思いますが、どのように進めていったのでしょうか?

KAZUKI:確かSWAYさんが「SUPER BALL」というキーワードを出してくれたんだと思います。
KUBO-C:トラックができ上がる前に、そのキーワードは出てたよな?
SWAY:そうですね。僕的には「SUPER BALL」という言葉が夏を連想させてくれたんです。夏の屋台にはスーパーボールすくいがあったり(笑)。色的にもカラフルですし、弾ける感じもありますからね。
KAZUKI:でも、「SUPER BALL」というキーワードを歌詞に落とし込むのには苦労しました。夏曲でアゲアゲな曲は世の中にたくさんありますが、DOBERMAN INFINITY的にはアッパーなだけでは満足できず、もうひとつ意味を持たせる曲にしたかったんです。結果、普段は内気でなかなか行動できない人も、勘違いでもいいから夏という季節に背中を押してもらって一歩が踏み出せる、そんな歌詞にしようということで着地しました。

――ポイントになるリリックを挙げるとしたら?

KUBO-C:やっぱり〈アリそうぉ…〉じゃないですか?
SWAY:サビ前ですね。
P-CHO:普段使っている言葉をそのまま歌詞に使いました。よく言うんですよね。逆説的に、ないだろうことを〈アリそうぉ…〉と。
KUBO-C:この言葉に、勘違いでもいいから背中を押すような意味が込められているかなと思います。
P-CHO:ファンの方々の間でも浸透してくれたら、ライヴでも面白い方向にいくんじゃないかなと期待しています。
KUBO-C:アリそうぉ、好きそうぉといくらでも応用できますからね。

――他にもユニークな歌詞が出てきますよね?

SWAY:〈夏ごとごっつぁんです〉とか(笑)。こんな言葉すら取り入れてしまったのも、夏が背中を押してくれたからだと思います。
KUBO-C:いつもだったら絶対に使わないワードだしね。
SWAY:夏曲として「SAY YEAH!!」があって「GA GA SUMMER」もあって、「DO PARTY」もあったので、新しいワード選びもいいんじゃないかなというノリでしたね(笑)。

――他にもレコーディングを思い返すと、この曲だからこその取り組みはありましたか?

SWAY:今回はみんなでマイクを囲んで歌うことが多かったと思います。ガヤも多いので、ずっと歌っていたという感想です。
KUBO-C:バース部分はKAZUKIさんの厳しいご指導の元、がんばらせていただきました(笑)。
KAZUKI:そんな厳しいこと言ってないですよ(笑)。
KUBO-C:KAZUKIのこだわりの入った曲なので、冗談抜きにいいご指導をいただきましたね。
KAZUKI:ラップ部分はCHOさんから意見をいただきましたし、決して僕だけのディレクションということではなく(笑)。
KUBO-C:でも、今回はレコーディングしてても楽しかったですし、その楽しい想いが曲に込められたと思います。

――D.I.にとって、どんな位置づけの楽曲になると感じていますか?

P-CHO:これまでリリースしてきた夏曲を超える曲にしていきたいと思って作ったので、これからライヴでしっかり歌っていって、自分たちのパフォーマンスを固めていきたいです。そして、毎年夏になったら、メンバーが自発的に「SUPER BALL」を歌いたいと思えるような曲に育てていきたいです。
GS:やっぱりメンバーがトラック制作に関与しているということが、DOBERMAN INFINITYにとって大きなことだと思います。あと、この「SUPER BALL」には僕らなりのメッセージが込められているので、ただ単に騒げる曲ではなく背中を押せる1曲になっています。将来、夏曲だけでコンセプト・アルバムが作れるんじゃないかと思えるほどいい曲ができたと思います。

――リスナーにはどんな風に届いて欲しいと考えていますか?

KAZUKI:この「SUPER BALL」を聴くと、2018年の夏を思い出すような曲になればいいなと思います。あとは、この曲のメッセージに後押しされて、自分の殻を1枚破れるような曲になってくれたらうれしいです。脱草食系男子的な、今夏のテーマ・ソングにしたいです。

――カップリングには「HELLO」「 GET UP AND DANCE」を収録。タイプの異なる3曲を収録した今作ですが、D.I.としてのどんな一面を提示できたと感じていますか?

KAZUKI:3曲すべてが違うアプローチの曲でありながら、すべて自分たちのものにして表現できていることが、DOBERMAN INFINITYが掲げる〈ALL ROUND HIP HOP〉だと思います。
GS:音楽は音を楽しむことであり、そこを今も昔もやれているからこそ、こんなにカラフルな3曲をシングル作品に収録できたんだと思っています。これがDOBERMAN INFINITYの音楽性でもあるんですけど、常に挑戦し続けて純粋に音楽を楽しんでいる僕たちの姿は、この作品でぜひ理解していただきたいです。
KUBO-C:アルバム『OFF ROAD』で自分たちらしさを表現できて、そこからもうひとつ進化した部分を、この3曲で提示できたと思っています。新たなチャレンジをしながら、さまざまな角度から攻めているシングルなんですけど、それぞれの曲に僕たちの想いがしっかり詰め込まれている1枚だと思います。
P-CHO:この夏を楽しく過ごしてもらえる3曲が収録できたので、早くライヴで披露したいですね。
SWAY:今作で5人5色という個性がはっきりと浮かび上がったんじゃないかなと思います。これからの僕たちのパフォーマンスも楽しみにして欲しいです。

――最後になりますが、夏を盛り上げるアッパー・チューン「SUPER BALL」が完成しましたが、DOBERMAN INFINITYとして今年はどんな夏にしたいですか?

KUBO-C:ツアーで行く各土地で夏を感じつつ、この「SUPER BALL」もどこかのタイミングで披露する予定です。みなさんの夏のプレイリストに「SUPER BALL」を入れてもらえるように、全国各地に僕たちも弾け飛びたいと思っています。
P-CHO:夏は一瞬で終わってしまうので、今年の夏は「SUPER BALL」を引っ提げてひとつひとつのステージをしっかりと噛みしめたいですね。今年も『D.Island』を開催できることは本当に幸せなことなので、夏を走り切ってみなさんと一緒に9月23日を迎えたいと思っています。
SWAY:今年はとんでもなく暑い夏になっているので、その暑さに負けないステージを見せていきたいです。〈DOGG YEAR〉と掲げた今年を充実させるためにも、夏のツアーも『D.Island』もしっかりと楽しみたいです。この夏を締めくくる『D.Island』に行くかどうか悩んでるなら、行くという決断をした方がみなさんのためですし、僕たちのためでもあります(笑)。ぜひみんなで夏を楽しみましょう!

(文・馬渕信彦)

*『D.Island』……DOBERMAN INFINITY主催の夏フェス
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