ドラマ顔負けの判決も!? ドラマで描かれる韓国社会の「嘘とホント」を赤裸々トーク

 韓国ドラマ『魔女の法廷』DVDリリース記念特別試写会が27日、都内にて行われ、日本人初のK-POPアイドルとして活躍したタレントの藤原倫己、NHK「テレビでハングル講座」でも知られる韓国語講師・阪堂千津子氏、司会の韓流ナビゲーター田代親世が登壇した。

 同作はKBS演技大賞4冠を獲得し韓国でも話題を呼んだ法廷ラブコメディー。韓国の検察内にある女性・児童被害対策部を舞台に、セクハラ問題やリベンジポルノなど、性犯罪を中心に社会問題を扱ったドラマとしても注目を集めた作品。

 韓国の社会情勢にも詳しい阪堂氏は「描写が忠実である一方でドロドロしすぎず、性犯罪を通して韓国社会に切り込んでいこうというのが上手い。非常によくできたドラマだと思います」と太鼓判。さらに「実際に起きた事件がモデルになっていて、有名な性犯罪はほとんど網羅している。韓国では先日、性犯罪で告発された元知事が無罪になりまして、その理由というのが、ひと言でいうと“被害者らしくないから”。つまり、こんな女性が(性犯罪の)被害には遭わないだろう、というわけです。そういうドラマのようなことが現実に起きているんです」と、韓国の仰天判決エピソードを紹介。これには会場からも驚きの声がもれていた。

 藤原は「10年前にはうやむやにされていたことも、弱い立場の人が訴えて行くようになった、そんな彼らの強さも描かれているドラマだと思います。いろいろなことを考えないといけない時代。僕も、いつも自分が何キロ太ったとか言っているけど、それを嫌だと思う人もいるかも…」。すると阪堂氏も「女性としても気をつけないと。女性が常に被害者とは限りませんから。私も特に年下の男性に対してそうならないように気をつけないと」と、ドラマのキャラクターを引き合いに笑いを交えつつ、さまざまな立場からの視点を促した。

 そこで話題は韓国芸能界のダークサイドへ。2009年まで、多国籍K-POPアイドルグループ『A’st1』のメンバーとして活動した藤原は「芸能界の黒い影の部分は売れた人しか分からないらしく、僕はあまり言うことがないんですが」と前置きしつつ「僕らは多国籍グループだったんですが、中に中国人のメンバーがいて、すごい財閥の息子なんです。その彼がちょこちょこ問題を起こすんですよ。もっと他にいい人選があっただろうと思うんですけど、あれは何か黒いお金が動いていたのでは…」と元メンバーに対する“疑惑”を明かし、観客も大笑い。

 また、かつては芸能事務所とタレントの長期契約なども問題になったが、今ではそういったことも少なくなり「僕らはデビューまで早かったほうですけど、以前は短くても5年と言われていた。最近はオーディション番組で注目された人などを事務所がどんどんデビューさせるようになっていて、もう少し練ってもよいのではと思うくらい。僕もデビューするのが早すぎたかな(笑)」と藤原。阪堂氏は最近の韓流ドラマの傾向について「ドラマも以前は、交通事故に遭って記憶喪失になって不治の病とか、そんな感じでしたけど最近は変わりましたね。恋愛とスリルだけでは韓国の視聴者が満足しないらしく、そこにファンタジーを入れサスペンスをいれ、キャラクターが特殊能力を持っている…といろいろな要素が入ってくる作品が多い(笑)」と紹介し会場の韓流ファンの笑いを誘っていた。

『魔女の法廷』は9月4日リリース。