髙田延彦が待機児童問題に「ゼロにできないならゼロにするなんて言わないで!」

待機児童問題について持論を語る髙田氏
「今現在、子供を預けられなくて困っている親がたくさんいる」

 RIZINの髙田延彦統括本部長と元衆議院議員で弁護士の横粂勝仁氏が政治、社会、スポーツなどさまざまな話題をとことん議論する番組「髙田横粂の世相談義」(FRESH!で月曜21時〜不定期配信中)。9月10日の放送では自民党総裁選が告示されたことから、安倍首相の政策と発言を振り返った。

 モニターにいくつかの政策が並べられる中、髙田氏が最も疑問を呈したのが「待機児童問題」。首相は2013年に「2017年度までに40万人分の保育の受け皿を確保して『待機児童ゼロ』を目指す」という目標を掲げたものの、達成できず2017年には「『待機児童ゼロ』『介護離職ゼロ』。その大きな目標に向かって保育、介護の受け皿整備を加速する」と新たなスローガンを掲げ直した。同じく2017年には「2020年度までに3〜5歳まで、すべての子供たちの幼稚園や保育園の費用を無償化する」という目標も立てた。

 これに対し髙田氏は「2017年度末に待機児童ゼロと言っていたはずが、それが2020年にずれ込んだ。これについて首相は、“今度こそ終止符を打つ”と答えた。今度こそっていっても、今現在、子供を預けられなくて、仕事を辞めざるを得ない人やどうしようかと迷っている親がたくさんいる。そんな親たちは現在進行形でその問題に向き合っているにもかかわらず、今度こそって…。とっくに待機児童ゼロを達成していなければいけない現在のはずなのに、先延ばしになっている」と当事者たちの声を代弁した。
この日も横粂氏は政治的、法律的観点から待機児童問題について解説
「選挙前の聞こえのいいスローガン」とばっさり

 そして墨田区で160人の子供を預かることのできる認可保育園が保育士を確保することができずいまだに開園できていない例を挙げ、「今度こそっていつ? もう待ったなしじゃないの。この年代の子を持つ親にとっては死活問題。子供ができたら、仕事を辞めるか、子供を預けて仕事を続けるかの二者択一になると思うが、今はそうなってない」と続けた。

 これについては横粂氏も「160人入れる認可保育園が開園して待機児童問題が解決する、というふうにならないのは、政策が間違っていたのか、政治家に嘘があったのかということ」とフォローした。

 幼稚園・保育所の無償化問題についても髙田氏は「選挙前の聞こえのいいスローガン。無償化と聞いて子供を預けようと思っても、箱がない。箱があっても保育士がいない。首相が言っていることは逆。まず箱を作って、保育士を確保して受け皿を作ってから無償化ということをしなければいけない。先に無償化と言われても、預けるところがないんだから。あべこべじゃない?」

 これには横粂氏は「売ってない商品を無料と言っているようなもの。その見方は新鮮。無償化はすべての子供たちが幼稚園や保育所に入れていることが前提。入れてないのに無償化といわれても…。そうなると入れている人と入れていない人の差がまた広がる」としたうえで「実は保育園は増えている。でも保育士が足りない。それは待遇がものすごく悪いから。保育士の給与は約22万円。全産業の平均とは約10万円の差がある」と続けた。

 これについては髙田氏は「低賃金、そして子供を預かっているという緊張を強いられ、精神的な負担が増えていることが保育士の離職につながっている。保育士の資格があるのに、就職しなかったり辞めてしまった、潜在保育士は2016年度で88万人もいる。本当は保育士をやりたいが生活ができない。若い保育士はなりたい仕事ができてモチベーションは高いかもしれないが、10年20年とやっても給料が上がらない。それでは結婚もできないし、自分のやりたいこともできない。こういう保育士、介護士と言った人の命や体を預かる重労働の方々の待遇についてはもっと国がなんとかしてほしい。スローガンを掲げるのも大切だが、掲げた以上は中身をしっかり精査して、働いている人たちが夢と希望を持って日々仕事に邁進できる環境を作ることが、解決の糸口になるのではないか」と話した。
「あべこべだよ!」と髙田氏
横粂氏は「保育士の待遇改善に税金を投入しても多くの国民は納得するのではないか」

 また髙田氏は保育園の二酸化炭素濃度が以上に高いという問題を挙げ「二酸化炭素の濃度が高いと頭痛や倦怠感、集中力の低下など不調を感じるとされる。子供にとっていいことはない。百害あって一利なし。これは狭いところに子供がたくさんいるから。最近は子供の声を騒音だという方も増えている。マンションも子供の声が漏れないように締め切ってしまっている。小さいところに詰め込むことになって酸欠になる」と話す。

 横粂氏も「園庭がない保育園が増えている。広い園庭があるところとないところでは子供の運動能力にすごい差が出てしまうという数字もある。国が箱のため人のために投資する理由は揃いすぎている。お母さんの労働力を無駄にするのはもったいないし、子供を健全に発育させるというのは税金をかけてやるべきこと。保育士の待遇改善に税金を投入しても多くの国民は納得するのではないか」と続けた。

 そして髙田氏は「こういうことがなぜもっとスピーディーに進んでいかないのか不思議でたまらない。将来を担う子供たちにもっと投資していかないと」としたうえで「ゼロにできないなら“ゼロ”って言うな。もう少し緻密に議論して緻密な正確な数字を出せばいい。人気取りのためにゼロとか言わないでほしい」と締めくくった。

 同番組は、元総合格闘家の髙田延彦氏と「バイキング」(フジテレビ系)などでコメンテーターを務める元衆議院議員で弁護士の横粂勝仁氏が「今現在、高田延彦が気になっている時事ネタ」を徹底討論する生ワイドショー番組。

「FRESH!」で月曜の21時から不定期で配信中。次回は9月17日21時から配信される。