尾上松也と大原櫻子の『メタルマクベス』がきょう開幕!「心地よくやらせていただいている」



  舞台「新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 」がきょう15日、豊洲の「IHI ステージアラウンド東京」で、初日を迎える。

 劇団☆新感線と宮藤官九郎がタッグを組んで、シェイクスピアの『マクベス』を大胆にアレンジした作品。2006年に初演時には新鮮かつ斬新な『マクベス』と好評を博した。今回はその再演で、この7月からキャストと演出を変え、「― disc1」「― disc2」「― disc3」と連続で上演される。

「― disc2」の軸となるのは、尾上松也と大原櫻子。9日に行われた公開稽古では、2時間弱ある第1幕を公開。その際には、尾上と大原のコンビや新たなキャストの魅力を引き出す演出で、「ーdisc1」とはまた違った『メタルマクベス』を見せた。

 その際に、尾上と大原の2人は取材に応じ、意気込みを語った。
 
 尾上は、「劇場に入って4日目なんですけれど、稽古場では理解できなかったことを体で実感できるようになってきて、この劇場のスペシャル感を肌で感じています。それだけに、お客様に楽しんでいただける要素が満載の劇場だなと思っています。残り1週間初日までみんなでできることを一生懸命やって、初日には大盛り上がりで、僕たちも楽しんでできるように稽古に励みたい」。

 大原は、「1週間後は……まだ実感がない。あと1週間ぐらい稽古できるのかという安心はある」といいつつも、堂々とした雰囲気。その際に、「ーdisc1」が上演されていたときに劇場を訪れたことを明かし、「(濱田)めぐみさんと(橋本)さとしさんからエネルギーをいただいた」。また、濱田から「死ぬ気で頑張ってね。死ぬ気で応援するからとメールが来た」と明かした。



 舞台は、フェンダー国とギブソン国、そして新興勢力のESP国が戦いの火花を散らしている西暦2218年と、メジャーデビューしたメタルロックバンドのメタルマクベスが活躍する1980年代とを行き来しつつ、2218年のランダムスター夫妻、1980年代のマクベスと敏腕マネージャーのローズとやりとりがシンクロしていく……
 
 尾上と大原は、時代ごとに夫婦、バンドマンとマネージャーのコンビを案じる。

 夫婦を演じることについて聞かれ、尾上は「見事に導いていだいています。私がきっかけを忘れることが多いので、その都度、奥様(大原)が、腰をトントンとやって、ここでセリフを言うところだぞと(笑)。年は10個下なんですが、けん引力というか、引っ張っていただいている感じがある」。主導権は大原と確認されると、「役的にもそういうのが強い。稽古場で作っていくなかで、いのうえ(ひでのり)さんかの演出で、年は全然上なんだけれども(奥様に)ぐいぐい引っ張られている感じが自然に出てきている。心地よくさせていただいていますね」

 一方大原は、「(尾上に)わざと優しくされているのかなと思う時があります。年上の先輩の俳優さんだから、私がわがままにやらせてもらっているのかなって」と、コメントした。



 劇中の音楽も大きなポイント。

「楽しいですよ、私は」と、尾上。「浅くではありますがメタルロックは通ってきたと思っています。曲に乗せて歌うのは気持ちがいいですし、この劇場では、ロックが好きとか嫌いとか関係なくテンションが上がる。それを(観客と)一緒に共有できたら楽しいだろうなと思います」。

 大原は「この劇場に入ってから生バンドなので、激しさとか、音楽が体で鳴っている感覚を味わっています。これはこの劇場ならでは。この劇場で、メタルロックを聞けるのは特別なことだと思います」と話していた。

 初日の幕が開くまで、あと少し。

 尾上は「過去と未来を行き来するというのは、この劇場に合っていると思います。その融合とメタルロックに身を委ねていただきながら、メタルロックに合わせてシェイクスピアのマクベスを作ったという、世界中を探しても、この作品しかない唯一無二の作品を楽しんでほしい」と、熱くPRしていた。

 共演に、原嘉孝(宇宙 Six / ジャニーズ Jr.)、浅利陽介、高田聖子、河野まさと、村木よし子、岡本健一、木場勝己 ほか。

 10月25日まで同所で。