那須川天心vs堀口恭司に2万7000人が熱狂【9・30 RIZIN】

那須川の左ハイが堀口を襲う
台風24号の影響で試合がメーンから第9試合に前倒し

「RIZIN.13」(9月30日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)で行われた那須川天心vs堀口恭司の一戦は3-0の判定で那須川が勝利を収めた。

 この日の午後、台風24号の影響で20時以降のJRの運行が中止になるというアナウンスが流れたことから、メーンで行われる予定だったこの試合は第9試合に移動。そんなアクシデントをものともせず、2人は白熱の死闘を展開。2万7208人の観客は2人の戦いに酔いしれた。

 1Rのゴングが鳴るとセンターを取ったのは堀口。その周りを那須川がサークリング。ガードを下げ、伝統派空手特有の遠い距離から飛び込んで打撃を放つスタイルの堀口と、キックボクシングの距離の那須川。戦前からこの“距離”が勝負のカギとなると思われた通り、ひりひりとした緊迫感のあふれる攻防が続く。
堀口の右ハイキックがずばり
2度のローブローで試合が中断

 那須川の左ハイがヒットするも堀口はガード。飛び込んで右ストレートを返していく。那須川の蹴りに堀口が左フックを合わせ、会場が沸く場面もあったが、ともに紙一重のギリギリのところで相手の攻撃をかわし、クリーンヒットは許さない

 2Rに入ると那須川はガードを下げ、堀口を牽制する動きを見せる。そこから多彩な蹴りを放っていくが、堀口も強烈なローで反撃。那須川のカポエラキックが堀口を襲うが、堀口はがっちり受け止め、バランスを崩した那須川の前にまさに仁王立ち。パンチにハイキックで反撃する堀口だったが、ラウンド中盤、堀口の右ミドルに合わせた那須川の左インローがローブローとなり一時中断。

 再開後、気合を入れ直した堀口は再度右ミドル。ここに那須川が左インローを合わせると、またもローブローとなり再び中断となる。
勝ち名乗りを受ける那須川(右)に笑顔で歩み寄る堀口
敗れた堀口が「那須川君、デカいこと言ってごめんね。強かったね」

 再開後、堀口は那須川の左ミドルをキャッチして転倒させる。その後のパンチの攻防で那須川が倒れる場面もあったが、これは紙一重で堀口のパンチをかわしてのものでスリップとジャッジされた。

 3Rになると序盤から2人の打撃が交錯。堀口が右ハイをヒットすると那須川も左ハイを返す。中盤、那須川のボディーへの攻撃で一瞬動きが止まる堀口。那須川の胴回し回転蹴りが堀口の顔面を襲うが、堀口は倒れない。那須川が追撃の左フック、左ハイ。堀口は本能的にタックル。立ち上がってからも那須川がパンチ、左ミドルで堀口を追い込む。やや苦し気な表情を見せながらも立ち続ける堀口にまたも胴回し回転蹴りを見舞う那須川。最後まで那須川が攻め続け、試合が終わった。

 判定は30-29、29-28、30-28の3-0で那須川に凱歌が上がった。

 那須川は試合後のリングで「堀口選手、キックルールで戦ってくれて感謝しています。僕の勝ちになりましたけど、試合を通じて成長できたのも堀口選手のおかげです。ありがとうございます。人間と戦っているのではなく、獣と戦っているみたいで、一つ間違えたら自分がやられそうでした。この夢のカードで試合ができたからこそ、たくさんのお客さんが集まってくれた。堀口選手に感謝したいです。11月のRISEでも勝って、年末につなげたい」とこの試合を振り返った。そして「最後に、自分はKIDさんのことが大好きで、勝ててよかったです。KIDさんありがとうございました」と9月18日に亡くなった山本“KID”徳郁さんへの思いを口にした。

 一方の堀口も「那須川君、デカいこと言ってごめんね。強かったね。もっと日本の格闘技界を一緒に盛り上げましょう。釣りも行きましょう。強い選手とやれて面白く感じました。みんな盛り上がったし、自分の中でも盛り上がった試合ができました。これからも日本の格闘技を盛り上げていくので応援お願いします」と笑顔で互いの健闘を称え合った。
会見ではどこかホッとした表情を見せた那須川
那須川は「怖さも感じましたし、本当に“強い”と試合で感じました」

 試合後の会見では那須川は「3分3Rが長かった。楽しかったですが、お互いの駆け引きというか、見合う時間が長かった。濃密な時間でした」と改めて試合を振り返った。堀口については「本当に自分は堀口さんすごい人と思って尊敬もしてますし、戦うのは嫌でした。でも試合となったら、絶対戦わなきゃいけない、やらなきゃいけないというのはあった。最後の最後まで敵としてはみられない感じだった。(試合前に「なめられている」といった発言をしたことについては)堀口さんも“大きいこと言っちゃって”とか言ってたけど、お互いがそういうことでごまかしていたというか…」などと話した。そして「効いたとは思ったんですけど、(堀口は)表情にも出さないし、行こうとしたけど“行ったらヤバイ”という感じもあったのでちょっと、見合っちゃったりしました。怖さも感じましたし、本当に“強い”と試合で感じました。今回の試合を終えてレベルアップできたと思います」と続けた。

 そして今回の勝利については「戦国時代の天下分け目のような。自分の中でのこの先の人生が決まる試合だったので、そいういう試合ができて良かった。この試合を経験できたことで、もう怖いものないんじゃないかなって思う」と話した。

 今回はキックルールで行われたことから、今度はMMAルールでの再戦にも興味がわくが、那須川は「自分の中では将来的なことを考えている。MMAの道に進むのか、キックで行くのか、ボクシングへ行くのか。本当にMMAに行くならそれだけでやって行きたい。やってみて感じたのですが“中途半端な気持ちでやるのはよくない”と思いましたし、両方を同時に狙えるほど甘くないので、やるとしたらしっかり準備してやりたいですね」と話した。
淡々と試合を振り返った堀口
堀口は「やり返さないと」とキックルールでの再戦に含み

 堀口は「思っていたより相手も警戒していて攻めづらかった。3R目にキックとかもらったりとか、手数がちょっと少なかったのでポイントを取られてるかなと思っていたので、しようがない」と試合を振り返った。那須川のハイキックに関しては「結構ブロックしているので、全然致命傷にはなっていない」としたが「バックスピンがボディーに来ると思っていたら顔に来て変則的だったので、予想と違った」などと話した。

 キックルールでの試合については「盛り上がる相手との試合のオファーがあればやろうかと思う」と話し、那須川との再戦については「1回やられているので、やり返さないとな、と思う」と含みを持たせた。

 もっともMMAでの再戦については「はっきり言いますけど、MMAじゃ相手にならないと思うので、どうかな、と。ちょっと考えますね。組み技とかできてないので。自分が普通に勝っちゃうと思う」と話した。
「RIZIN.13」(9月30日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)

◆第13試合[RIZIN MMA ルール:1R 10分/2R5分(93.0kg)※肘あり]
〇イリー・プロハースカ(1R4分29秒、TKO=レフェリーストップ)ジェイク・ヒューン●

◆第12試合[RIZIN MMA ルール:5分3R(66.0kg)]
〇朝倉未来(判定3-0)カルシャガ・ダウトベック●

◆第11試合[RIZIN MMA ルール:5分3R(70.0kg)※肘あり]
〇ダロン・クルックシャンク(2R17秒、TKO=レフェリーストップ)ディエゴ・ブランダオン●

◆第10試合 「RIZIN.13×TEKKEN7 SPECIAL MATCH 韓国×日本」
〇韓国(2-1)日本●
[第3試合]〇ニー(KNEE)(3-2)ノロマ(NOROMA)●

[第2試合]〇クダンス(QUDANS)(3-2)ノビ(NOBI)●

[第1試合]●シャネル(CHANEL)(1-3)タケ。(TAKE)〇

◆第9試合[RIZIN キックボクシング特別ルール:3分3R/延長1R(58.0kg)]
〇那須川天心(判定3-0=30-29、30-28、29-28)堀口恭司●

◆第8試合[RIZIN 女子 MMA ルール:5分3R(49.0kg)]
●アンディ・ウィン(判定0-3)山本美憂〇

◆第7試合[RIZIN MMA ルール:1R 10分/2R5分(110.0kg)※肘あり]
〇ミルコ・クロコップ(1R4分56秒、TKO=レフェリーストップ)ロッキー・マルティネス●

◆第6試合[RIZIN MMA 特別ルール:3分3R(無差別級)]
●大砂嵐(判定0-3)ボブ・サップ〇

◆第5試合[RIZIN MMA ルール:5分3R(53.0kg)※肘あり]
●砂辺光久(3R2分52秒、KO)越智晴雄◯

◆第4試合[RIZIN MMA ルール:5分3R(59.0kg)※肘あり]
◯朝倉海(判定3-0)トップノイ・タイガームエタイ●

◆第3試合[RIZIN 女子 MMA ルール:5分3R(49.0kg)※肘あり]
◯浜崎朱加(1R4分45秒、アームロック)黒部三奈●

◆第2試合[RIZIN キックボクシングルール:3分3R(59.0kg)]
△大雅(判定0-1=29-30、29-29、29-29)原口健飛△

◆第1試合[RIZIN MMA ルール:5分3R(57.0kg)※肘あり]
●中村優作(3R4分27秒、リアネイキッドチョーク)マネル・ケイプ◯