「おおキャプテン!」佐藤隆太主演の舞台『いまを生きる』が初日



 佐藤隆太が主演する舞台『いまを生きる』が5日、新国立劇場中劇場で開幕した。

 ニューイングランドの全寮制学院に赴任してきた教師と学生たちの交流を描く。1989年にロビン・ウィリアムズ主演で制作された同名の映画を元にした舞台で、本公演が日本初演となる。

 初日公演前に最終リハーサルを公開。その終了後、佐藤と、宮近海斗、永田崇人、七五三掛龍也、中村海人、そして大和田伸也が取材に対応した。
 
「映画を初めて見たときから大好きな作品」と佐藤。これまでにもハマり役となった教師役はあるが、本舞台では魅力にあふれるキーティング先生を熱演している。「役者をやっている人間のなかで、この役を演じたいという人はたくさんいると思う」と、佐藤。

 校長先生役の大和田がまさにそのひとり。「昔見て感動した映画で、……本当は隆太さんの役をやりたかったんですが年齢のこともありまして。……今日(最終リハーサルをして)素晴らしいなと思いまいた。(佐藤に)ぴったり。彼ら(生徒役の役者たち)もキラキラ輝いている。一緒に出演しているんですけど、ワクワクしながらやらせていただいた」。



 学生はもちろん、かつて学生だった大人たちの心も揺さぶるセリフやシーンでいっぱい。

 それぞれ好きなシーンを聞かれ、転校生のトッドを演じる永田は、キーティング先生の授業のシーンを挙げた。「僕の役は先生や周りに助けられて成長していく。キーティング先生の授業のシーンは、重要な意味を持つので、大切にしています」。

 学生たちの中心的な存在のニール役の宮近は「キーティング先生の部屋で1対1で、目と目を見て話をするシーン。自分にとっては大きなシーンです」。

 恋するノックスを演じる七五三掛は「(恋の相手の)クリスとのシーンが気に入っているんですけど、稽古の時から心臓がバクバクで、今もバクバクなんですけど。リハーサルとか公演が終わってもバクバクが楽屋に行っても治らないんです」。

 努力家で真面目なリチャードを演じている中村は洞窟でのシーンとし「生徒たちが厳しい学校を夜抜け出して洞窟で詩を読む。僕たちも子どものころあったし、大人の人もあったと思うんですね。というか、詩を読むって良くないですか。高揚する感じが楽しい」。

「……洞窟とか……みなさん、あるんですよね?」という共演陣からのツッコミと確認には、「秘密基地とかです!」。そのまま「……僕はなかったんで」と続けると、周りは崩れ落ちた。



 舞台上もさることながら、舞台の下でも息が合っている。稽古中から佐藤“キーティング”先生が、生徒たちを食事によく連れて行ったそう。稽古場近くの牛串屋、蕎麦、もつ煮込み、イタリアン……生徒たちは「これからも宜しくお願いします」とちゃっかりしていた。

 劇場ではその息の合ったところを体感できる。

 佐藤は「多くの映画ファンに愛されている名作。プレッシャーを抱えながらスタートした稽古でしたが、ひとつひとつ積み重ねてきて初日を迎えることができました。劇場に足を運んで見てくださった方にはパワーを持って帰ってもらえる作品になったと思います。ぜひ多くの方に観てもらいたい」と話した。

 24日まで同所で。