美しさがすべてを解決するわけではない【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第17回】


 前回書いた、女友達との集まりに行ってきました。

 家に到着すると、すでに先に来ていた友人とその子供たちは大騒ぎ、普段目にしない光景に思わず「帰りたい…!」と思ってしまいました。

 2歳児二人に0歳児が一人で、走り回るし何でも口に入れるし、片付けては散らかし……。

 大人たちがご飯を食べていても、子供は途中で遊び始めたり、物を落したりこぼしたり、母親たちはまあ落ち着いていられない。

 毎日こんな闘いを繰り広げている友人たちは本当にすごいなと思いつつ、私にはやっぱり無理だな、とより強く思った一日でした。


 友人のうち一人は育児に専念しているのですが、他の二人はもう仕事を再開していました。

 二人とも夫は働いているので、シッターさんや保育園を活用しながらの仕事です。

 育児をしながら働くなんて、想像しただけでも大変そうです。

 単純に、一日仕事をして、たとえ時短で働くとしても、帰ってからさらに育児をやるなんて、一人で二人分以上の作業をこなしているのでは?と……。


 ところで、今週の月曜は体育の日でしたが、「現代女性は運動の機会が減っている」というニュースがありましたね。

 ながら見だったので、細かい部分まで理解していないかもしれませんが、育児や社会進出の影響で、現代女性は忙しくて運動をする時間を作ることが難しい、という内容だったと思います。


 それに対しての解説員のコメントが、全く私には理解できなかったのですが、皆さんはどうでしょう?

 解説員いわく。

 運動はトレーニングというイメージがあるから、女性にとっては筋肉が付きやすくなって不恰好になるというふうに思われている、だから、女性はエステなどの美容にお金や時間を使ってしまいがち。

 トレーニングをしたら美しくなれるという意識改革が必要ですね。

 とのこと。


 正直、「何言ってるの??」と思ってしまいました。

 まず、このニュースの本質は、女性の負担が大きすぎる、その軽減をするべしというところだったと思います。

 それに対して、女性自身がもっと運動に時間を使うべきという意見。

 いろんなことで忙しいのに、さらに社会のためだか、世界規模での日本の成績アップのためだか、「もっと動け」と。


 そもそも、昨今の筋肉・筋トレブームから、筋トレをすることでスタイルアップが期待できるということは女性にとっては当たり前なのでは。

 少なくとも私が思春期の頃から、ファッション誌のダイエット特集には必ず筋トレのコーナーがありました。

 トレーニング=美につながるというイメージって、もう定着してると思うんです。

 この「意識改革が必要」という意見って、ずいぶんと現状と乖離していると思うんですけど。


 さらに言うと、なぜこの解説者は、女性のモチベーションがすべて、「美しくなりたい」という欲求だとするのでしょうか。

 もちろん美しくありたいと思っている女性は多いでしょうが、その考えが全てではないですし、美しければ全てが解決するわけではないことは、女性たち自身はもうわかっています。

 そんなの、「オナニーすれば綺麗になれます」レベルの暴論です。

 綺麗になれるという言い訳やモチベーションが、女性を動かすすべてではないです。


 なぜ世の中は、女性にもっと「働け」「活躍しろ」と強いるのでしょうね。

 活躍できる人はすればいいけど、そうでない人が無理をする必要なんてないでしょう。

 育児をして、家事をして、さらに自分で仕事もして、そのために外見も整えたりして、睡眠時間を削って体調を崩している女友達を見ていると、私は「もっと休め」と言いたくなります。
田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。