那須川天心vsメイウェザー電撃決定の3日後に早くも暗雲

那須川の入場時にはメイウェザー(左から2番目)も立って拍手

 RIZIN FIGHTING FEDERATIONが11月5日、都内で会見を開き、大晦日の「RIZIN.14」(埼玉・さいたまスーパーアリーナ)でボクシングで5階級を制覇したフロイド・メイウェザーと那須川天心が戦うことを発表した。

 会見には通常の大会の会見をはるかに超えるメディアが集まり、メイウェザーのRIZIN参戦の注目の高さをうかがわせた。

 会見ではどういったルールで、どの階級で戦うのかといったことへの言及はなく「スペシャルチャレンジバウト」として発表された。

 しかし3日後の8日になって事態は急変。米国に戻ったメイウェザーが写真投稿サイトのインスタグラムに「私、フロイド・メイウェザーは、那須川天心との公式対戦には1度も同意していないことをはっきりさせたい」「キャンセルする」といった文章を掲載した。

 それによるとRIZINとの交渉は「少数の裕福な観客向けの非公式戦に出場する」というもので公式戦でも世界中でテレビで放送されることもないと聞いていたなどと主張した。

この対戦はいったいどうなってしまうのか…

 メイウェザーは9月にも東京で会見を開いている。その時は「パッキャオとの再戦について何かコメントするのでは?」という憶測が流れたが、その件については「日本でマニーとの試合があるかもしれないが、それは今、進めている状態」と言うにとどまっていた。

 また会見自体、当日になってメディアとの質疑応答が取りやめになるなど、首をかしげる内容だった。

 しかし今回のRIZINでの会見は那須川の入場の際にはメイウェザーも立ち上がって拍手で迎え、会見でも「RIZINとの関係はここがスタート。他の今まで関係があった選手を連れてきて参戦のきっかけを作ったり、私自身も参戦するような展開に取り組みたい」などと発言するなど両者の間で信頼関係が構築されているように思われた。

 もっとも、質疑の中で「猪木vsアリ」戦を例に挙げられた時、「ハイライトを見たことがあるけど、グレートショーだったよね。俺も大晦日にいいショーをするよ」と話していたのも事実。英語の堪能な記者の中にはメイウェザーの話している内容に疑問を持つ者もいた。

 榊原信行RIZIN実行委員長は会見後の囲み取材で「メイウェザーも天心も日本のコミッションが発効するライセンスを持っていないので、ボクシングという競技では行わない」とも言っていることから、両者の間で「解釈」の違いが生まれていたのかもしれない。

 交渉は暗礁に乗り上げた格好となったが、大晦日までに現状が打開されることはあるのだろうか。