【インタビュー】青柳翔×町田啓太×鈴木伸之 SABU監督最新作『jam』に劇団EXILEの全メンバーが総出演!

 場末のアイドル演歌歌手、意識不明の恋人のため善行を積む青年、ヤクザたちに復讐をしかける男…ワケありの男たちが、同じ日、同じ街で交差しながら自らの行いに追い詰められ衝撃の結末へと疾走する! 主演はSABU監督の前作『MR.LONG /ミスター・ロン』にも出演した青柳翔、ドラマ『中学聖日記』の町田啓太、ドラマ『今日から俺は!!』の鈴木伸之。それぞれの“崖っぷち”を疾走する男たちを演じた3人による“jam”トーク!
青柳翔:ヘアメイク・鵜飼雄輔(TRON)、スタイリスト・Yamato Kikuchi(Rising Sun)

「主人公の3人は皆それぞれ、どこか欠落している人物なんですよね」青柳翔


 熱狂的な熟女ファンに支えられ華やかな舞台に立ちながらも心に空虚感を抱える場末のアイドル演歌歌手・横山田ヒロシ。神様が意識不明の恋人を救ってくれると信じて善行を続けるタケル。自分を刑務所に送ったヤクザに復讐するため単身、殴り込みをかけるテツオ。まったく異なる状況にある3人の主人公の運命が、交差しながら響き合い、やがて怒涛のクライマックスに突入する…! 三者三様の主人公と物語、テイストが入り乱れるまさにjamのようなエンターテインメント。

青柳翔(以下:青柳) 「僕が演じるヒロシは場末のアイドル演歌歌手という役どころなんですが、SABU監督の脚本もすごく面白くて、難しくもやりがいのある役だなと思いました。ヒロシ自身は真剣なんですけど、作っている曲がちょっと滑稽だったり、カルト宗教家みたいなファンミーティングをしてたり、あげくにファンに拉致されるという、いろいろと要素が面白い役でした。まあこの中なら、ヒロシ役は僕でしょうね(笑)。たぶん監督は当て書きしてくれたんだと思います。僕は前作の『MR.LONG/ミスター・ロン』にも出演させていただいていて、何度か食事にご一緒させていただいたり、ベルリンにも同行させていただいたりしているので、きっと監督は僕を眺めながら心の中で、コイツ性根が腐っているなと思われたんでしょうね。だからヒロシのようなキャラクターを当て書きしてくださったんだと思います(笑)」

町田啓太(以下:町田)「僕が演じるタケルは、意識不明の恋人を救うために善行を積み重ねているという、一見すごく良い青年なんですが…ちょっと変態性がある人物なんです。僕もSABU監督からこんなふうに見えているのかな、と思いながらタケルという役を受け止めました(笑)」

青柳「主人公の3人は皆それぞれ、どこか欠落している人物なんですよね。タケルは善い行いをしている良い人なのになんか気持ち悪い感じが、町田の瞳にすごくよく表れていた(笑)」

町田「良い人が行き過ぎると、腹の底が知れない感じがするというか、気味悪くも見える、そういうところを監督が上手く引き出してくださったんだと思います。タケルは神様に恋人を救ってほしくて“見える”までになってしまった人。そういう人物が一線を越えると、けっこうヤバいんだろうな、と。愛情と憎悪が表裏一体の、ギリギリのラインで自分を保っている人物だと思います」

鈴木伸之(以下:鈴木)「タケルは町田くんにぴったりだと思いました。好青年さとか清潔感もあって、一見、すごくイメージ通り。でも良い人が行き過ぎると気持ち悪くも見える感じをすごく上手く表現しているなと思いました。僕が演じたテツオは、まさに“鉄の男”。トンカチを手に片っ端から敵に向かっていく。ほとんどずっとアクションで、セリフは一言も無いという役は今回が初めてだったので新鮮でした。僕はアクションが大好きなので、SABU監督の作品の中で思う存分、暴れ回らせていただいたのは本当に楽しかった。監督からは、後半になるにつれテツオが悲しいヤツに見えるように演じてほしいということを言われていたんですが、脚本の段階からそういう部分がきちんと描かれていたので、僕はただそれをアクションをしながら表現していけばよかった。セリフが無い分、見せられるアクションをやろう、と集中して全力でやらせていただきました」
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