タマ伸也が忌野清志郎の新曲(?)をリリース!?『入りますCD2』

 3人組コミックバンド・ポカスカジャンのメンバーであり、ソロのシンガーとしても活躍しているタマ伸也。昨年リリースし大好評だった『入りますCD』シリーズの第2弾『入りますCD2』が、今月14日に待望のリリース。今回はどんな人やモノに入ったのか?

一体何に“入ります”?

「タイトルについて最初に説明が必要なんですが、僕がいろいろな人やモノになって新曲を作る、その人やモノに“入ります”という意味です。前回のCDではジョン・レノンの新曲を作ったんですが、その時に“ジョン・レノンに入った”という事(笑)。要するに、勝手に人の新曲を作ってるんですけど、それが人だけではなく、モノ、今回だったら憲法9条に入って、憲法が歌を歌ったらどうなるのかなという視点に立って作ったと。これはね、物まね…ではないんです。憑依しているというのでもなく、あくまで自分が入る感じですね」

発想はトリオでやっていた思想模写から

「ポカスカジャンを始めて23年になるんですけど、その中で物まねとはちょっと違うパロディーというか、 “思想模写”っていうのをやっていたんですね。思想模写っていうのは、パロディーでもあるんですけど、その人が言いそうなフレーズをテーマにネタを作る。例えば永六輔さんが言いそうなフレーズとか、尾崎豊さんが歌いそうな歌詞とか。そういう思想模写をずっとやっていた事が “入ります”シリーズの原型になっています。あと、自分がコミックバンドをやっていて言うのはアレなんですけど(笑)、コミックソングってCDを出しても、何度も何度も聞くことってあまりないような気がするんです。もちろん、コミックソングや歌に乗せた物まね、一発ギャグなどのお笑いは、ライブやイベントには絶対あったほうがいいものですが、CDにしたら一回聞いたら終わりみたいなイメ―ジがあって…。なんとかリピートして聞いてもらえるものができないかなと思っていたのもきっかけのひとつです。日本ではクレイジーキャッツとか、イギリスだったらラトルズみたいな。ラトルズってモンティ・パイソンで出てくるビートルズのパロディ・バンドで、ビートルズみたいな新曲を作ったりしていたんです。彼らはビートルズばかりをパロディーにしていましたが、僕はジョン・レノンの新曲も作れば、忌野清志郎さんの新曲も、そして吉幾三さんの新曲も作るというアプローチですね」

今や“入ります体質”に

「最初は好きかどうかですね。好きだと勉強しなくても、その人が頭の中のフォルダに入っているので、言葉がどんどん出てくる。例えば僕は青森県出身なので、同郷の吉幾三さんは、身に染み付いているんです(笑)。だから資料を取り寄せたり、改めて歌詞を見たりしなくても、降りてきたものを書く自動書記みたいな感じでできちゃう。そうやってすごい好きな人にはスルッと入るうちに、すごく入りやすい体質にはなりました。金縛りにあいやすい霊媒体質じゃないですけど、入ります体質?(笑)。だからあまり得手不得手はなくなったような気がしますね」

第1弾、第2弾とも、超豪華なミュージシャンが参加

「前回もですが、今回も参加して下さったミュージシャンのみなさんはすごい方ばかり。僕以外はみんな本物です(笑)。ムーンライダースの武川雅寛さんという、神田川のあの印象的なイントロのバイオリンを弾いたレジェンドみたいな人が僕のCDでも弾いて下さってます。そのおかげ?なのか、第1弾は笑いのほかにも、音楽的にも評価をいただけたので、良かったなって。そんな昔からお世話になったり、ご縁があったりした方にご協力いただけて、感謝しております。ご縁がなければ、こんな超豪華なメンバーにノーギャラでお願いできなかったです(笑)」

聞く人によって推し曲が違うのもこのCDならでは

「『入ります2』は、発売前にいろいろな人に聞いてもらったんですけど、高田(文夫)先生は吉幾三さんの新曲『娘酒』が一番好きだと言ってくれて。この曲って、いかにも吉さんっぽいタイトルで笑っちゃう感じなんですけど、意外にもこれを聞いて泣いちゃう人もいるんです(笑)。“娘の結婚式に歌いに来てくれ”って(笑)。劇団の先輩の久本雅美さんは、僕(タマ伸也)が僕(本名の玉井伸也)に入った『すんずごのにぎりまんま』が好きだと言ってくれましたし、劇団の後輩は、名もなきストリートミュージシャンに入った『しゃがれ声』がいいと言ってくれてます。また憂歌団の木村充揮さんに入った『やぶれかぶれの人生』は、木村さんの息子さんで、ミュージシャンのケニーさんが気に入って、ライブなどでカバーしてくれているそうです。そんなふうに聞いた人によってそれぞれツボが違うのが面白いですよね」

忌野清志郎に入った『OHBABY愛しあってるかい?』はまさに清志郎節が炸裂

「第一弾のCDを聞いた人から、今度はあの人をやって下さいってリクエストをもらうことが多く、その中で一番多かったのが清志郎さんでした。で、入ってみたらツルっとできて(笑)。それがきっかけで、第2弾も出そうかなって。先日、その曲のPVを清志郎さんの縁の場所で撮影したんですが、その前に新曲を作ったご報告と思い、お墓参りをさせていただいたんですね。そしたらいまだに全国からファンの方々が来ていて、その方たちにできたばかりの清志郎さんの新曲を聞いてもらったんです。そしたらゲラゲラ笑いながら、なんかウルっとしていて“めっちゃいい曲ですね。ボスの歌みたい…”って。そうやってファンの方に喜んでいただけて、僕もすごくうれしかったですね。この曲のほかにも『入ります2』の楽曲のPVを合わせて3本撮っているので、ぜひYouTubeで見て下さい!」

このCDを引っさげ、全国ツアーもスタート

「今決まっているのが全国35カ所で、最終的には40カ所ぐらいになると思います。8曲入りで1000円という破格の値段をつけてしまったので、いっぱい売らないと事務所に怒られる(笑)。ツアーのファイナルは、来年2月28日、新宿のレッドグロス。ツアーは基本的にギター1本で回りますが、ファイナルはホーンやドラム、エレキを入れて盛大にやろうと思っているので、ツアーに来ていただいた方も、また別の感じで楽しめると思います。今回のCDには、いろんな人やモノに入って作った新曲のほか、さっきも話に出た僕、タマ伸也が本名の玉井伸也に入った曲もあります。そういう個人の曲や歌もやりつつ、入りますシリーズも続けていければと思っています。とにかく、いろんな人やモノの新曲ばかりを聞けるアルバムは、ほかにはないと思いますので、ぜひ一度聞いてみて下さい。玉置浩二さんに入った『「メロディ」が終わった後に』は、寒い時期にぴったりな曲なので、今の時期おススメです!」

タマ伸也『入りますCD2』 Amazon・タワーレコード・HMV・TSUTAYA・新星堂・楽天ほか、各CDショップで発売中
【価格】8曲入り1000円(税別)

「入りますツアー2018~2019」2019年2月28日まで、全国約40カ所の会場で開催中
2月28日(木)、新宿・レッドグロスでツアーファイナル

【問い合わせ】ワハハ本舗 TEL:03-3406-4472