20歳の里見柚己がレジェンド山本真弘に2RKO勝ち【Krush.95】

里見はここから左ストレートで山本をKOした(撮影・上岸卓史)

20歳の里見が山本超え果たす
 Krushの10周年記念大会となる「Krush.95」(11月21日、東京・後楽園ホール)のメーンとセミファイナルで世代交代マッチともいえる試合がマッチメイクされた。

 メインで行われた山本真弘vs里見柚己戦は里見が2R1分59秒、KOで山本を破り、世代交代を大きくアピールした。

 山本は現在35歳。Krushでは旗揚げ戦でセミファイナルに出場し、2009年に行われた「Krushライト級グランプリ2009」も制している。そしてIT’S SHOWTIME世界-61kg級王座をはじめ多くのベルトを腰に巻く、日本のキック界を牽引してきたレジェンドだ。

 一方の里見は現在20歳。昨年、KHAOSで頭角を現し、一気にトップ戦線に食い込む、今後の活躍が期待される次世代ファイターだ。

初のメインで最後のマイクも締めた里見(撮影・上岸卓史)

「若い世代が活躍しないと明るくならないのでしっかり盛り上げたい」
 試合は山本が往年のスピードスターぶりを発揮。里見の攻撃はなかなか山本をとらえることができない。

 1R終了後に「蹴りが当たらない」ということで里見は2Rはパンチからの組み立てに作戦を修正。山本は里見の左ストレートをブロックしたものの大きくバランスを崩す。そして山本が右フックを狙ったところで里見がカウンターで左ストレートを打ち抜くと、山本はダウン。そのまま立ち上がれず里見が2R1分59秒でKO勝ちを収めた。

 里見は試合後のリングで「若い世代が活躍しないと明るくならないのでしっかり盛り上げたい」とアピール。

 会見では「初めてのメインで、相手も山本真弘選手ということで、プレッシャーとかいろいろあったんですけど、得意の左でKOできたのでよかった。Krush10周年という、光栄な大会を最後KOで締めくくれたが、全然満足はしていない。これからKrushはどんどん盛り上がっていくと思うので。その中で若い自分が一番盛り上げられたらいいと思っている」などと話した。

牧平(右)のローキックは健在(撮影・上岸卓史)

牧平は1Rにダウンを奪われるも逆転勝ち
 セミファイナルでは牧平圭太と渡邊俊樹が対戦した。

 牧平は元Krushウェルター級王者で35戦のキャリアを誇るベテラン。一方の渡邊はここまで6戦のキャリア。昨年、KHAOSで豪快なKO勝利を収めた後は格上の選手との試合が続き、結果こそ出ていないが、こちらも将来が嘱望されるファイター。牧平とも対戦経験がある山本優弥を師匠に持ち、今回はその山本の推薦でこの対戦が実現した。

 大抜擢となった渡邊だが1R終盤、右の前蹴りを出した牧平に右フックを合わせて最初にダウンを奪う。

 牧平は1Rから得意のロー、ミドルで渡邊を追い込むが、渡邊はパンチの連打で反撃。牧平をぐらつかせる場面も見せる。しかし2Rには牧平が左のロー、インロー、ミドルにヒザをボディーにめりこませ徐々に渡邊を削っていく。渡邊の動きが落ちたところで牧平はワンツーから左ハイを決め、ダウンを奪い返す。

 3Rも牧平は徹底したローの連打にハイ、そしてボディーへのヒザをノンストップで打ちまくる。渡邊もパンチの連打で反撃するが、倒すまでのパンチは当てられず。試合は判定となったが手数で圧倒した牧平がジャッジ3者とも28-27の3-0で逆転勝ちした。

KOでKrush初戦を飾った秋栗(撮影・上岸卓史)

秋栗祥梧が鮮やかなKO勝ち
 この日の第5試合ではKrush初参戦となる秋栗祥梧が三輪裕樹と対戦。1R2分9秒、KOで初戦を飾った。

 秋栗は23歳ながらこれまでさまざまな団体で49戦を戦い、タイトルも保持した強豪。

 秋栗は三輪の攻撃をさばくとカウンターの左フック、右ロー、左ボディーと当てていく。最後は三輪がローを放ったところに右ストレートからの左フックで豪快なKO勝ちを収めた。

中野のバックスピンキックが竹内を襲う(撮影・上岸卓史)

中野は3度のダウンを奪ってKO勝ち
 第4試合ではスーパー・ライト級で中野滉太と竹内悠希が対戦。中野が2R44秒、KOで勝利を収めた。

 中野は1R、左ストレートからの右ストレートで最初のダウンを奪う。2Rには飛びヒザで飛び込み、着地したところで左フックを放ちダウンを奪う。

 竹内はなんとか立ち上がったものの、中野は右フックを連打。竹内は崩れるようにダウン。ここでレフェリーが試合を止めた。

この日は寺崎直樹の引退式も行われた(撮影・上岸卓史)
「Krush.95」(11月21日、東京・後楽園ホール)
◆プレリミナリーファイト第1試合/Krushバンタム級/3分3R
●桑田裕太(Ωmega)(判定0-2=29-30、29-30。30-30)藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)〇

◆プレリミナリーファイト第2試合/Krushライト級/3分3R
△佐野純平(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)(判定1-1=29-30、29-29、29-28)塚本拓真(TANG TANG FIGHT CLUB)△

◆プレリミナリーファイト第3試合/Krushスーパー・ウェルター級/3分3R
〇吉田英司(クロスポイント吉祥寺)(3R1分51秒、KO)雄人(優弥道場)●

◆第1試合/Krushライト級/3分3R・延長1R
●ソルデティグレ・ヨースケ(Team Yosuke)(判定0-3=29-30、28-30、28-30)冨沢貴人(Team KROSS×OVER/OOTA DOJO)◯

◆第2試合/Krushクルーザー級/3分3R・延長1R
◯植村真弥(WSRフェアテックス幕張)(延長判定3-0=10-9、10-9、10-9/本戦1-0=30-28、29-29、29-29)俊雄(PAL-GYM)●

◆第3試合/Krushスーパー・フェザー級/3分3R・延長1R
●伊藤健人(K-1ジム目黒TEAM TIGER)(判定0-3=28-29、28-29、28-29)般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺)◯

◆第4試合/Krushスーパー・ライト級/3分3R・延長1R
◯中野滉太(POWER OF DREAM)(2R、KO)竹内悠希(K-1 GYM EBISU FREE HAWK)●

◆第5試合/Krushフェザー級/3分3R・延長1R
●三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)(1R2分10秒、KO)栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)◯

◆第6試合/Krushライト級/3分3R・延長1R
●明戸仁志(K-1 GYM EBISU FREE HAWK)(判定0-2=29-30、29-29、28-30)“バズーカ”巧樹(菅原道場)◯

◆セミファイナル(第7試合)/Krushウェルター級/3分3R・延長1R
◯牧平圭太(HALEO TOP TEAM)(判定3-0=28-27、28-27、28-27)渡邊俊樹(優弥道場)●

◆メインイベント(第8試合)/Krushスーパー・フェザー級/3分3R・延長1R
●山本真弘(N.F.T.T.)(2R1分59秒、KO)里見柚己(K-1 GYM横浜infinity)〇