不法移民の女性が落ちた大都会の闇とは『モースト・ビューティフル・アイランド』

 アメリカで不法移民として厳しい日々を送るルシアナは、ある日、友人のロシア人女性から高額な報酬のバイトを紹介される。それは、セクシーなドレスを身に着けパーティーに参加するだけというもの。指定された場所へ向かうと、そこには彼女のような外国人の美女たちが集められていた…。

 スペイン出身の女優アナ・アセンシオが自身の背景から生み出した極限の心理スリラー『モースト・ビューティフル・アイランド』。来日したアセンシオ監督は「スペインからアメリカにわたり女優として活動しながらずっと創作にも携わりたいと考えていました。最初に撮るなら自分に正直な作品を作りたい、アメリカで外国人として暮らしながらリアルに感じたことを核にしたのです」と語る。

 自分の運命が一瞬先にどうなるか分からないルシアナの不安と恐怖を観客は疑似体験していく。

「社会性を込めつつ、スリラーとして描くことによって普遍的なテーマとして楽しんでもらえると思いました。ルシアナは不法移民という特殊な立場ですが、外国や新たな土地、コミュニティーで孤立する不安や、自分の行く末が分からないという懸念は誰もが体験する可能性のあることです。実際にアメリカでは、駆け出しのモデルや女優などがよく“パーティーに出席する”バイトをしますし、移民たちも知り合いから紹介され自分がどんな仕事をしているのか分からないまま言われたことをやっている、ということもよくあります。もしかしたら次の瞬間には危険なことや犯罪に巻き込まれる可能性だって十分にある。でも孤立している人がそこに落ちても、誰も気づかないのです」

 一寸先は闇。東京の日常にも、その闇が口を開けて待っているのかも…。
『モースト・ビューティフル・アイランド』
監督・主演:アナ・アセンシオ/インターフィルム配給/新宿シネマカリテ他にて公開中 
http://www.interfilm.co.jp/mostbeautifulisland/ R15+