江川優生が西京春馬を破り涙の初戴冠【1・26 Krush】

 Krushの2019年第一弾大会となる「Krush.97」(1月26日、東京・後楽園ホール)で3大タイトルマッチがトリプルメインイベントで行われた。

晃貴(右)の右フックが炸裂(撮影・三村諒)

バンタム級は武尊の後輩・晃貴が萩原を破り初戴冠
 第1試合では「第4代Krushバンタム級王座決定戦」が行われ、晃貴が延長にもつれ込む熱戦の末、萩原秀斗を3-0の判定で破り、初戴冠を果たした。

 ローキックに足を使って距離を取る萩原に対して晃貴はパンチの連打で前に出る。萩原のジャブに重いパンチを合わせる晃貴に対し、ミドル、ローといったキックで反撃する萩原。勢いは晃貴だが萩原もクリーンヒットは許さず、互角の展開が続く。試合中盤からは萩原もパンチの打ち合いに応じ、ともにいいパンチを入れる場面もあったが、倒すには至らない。3Rに入って萩原がパンチで晃貴を下がらせる場面も作ったが、晃貴も反撃。ともにダウンを奪えず試合終了。

 判定は1人が晃貴を支持するも1-0で延長ラウンドへ。本戦同様、やはりプレッシャーをかけて前に出るのは晃貴。萩原がハイキックなど多彩な攻撃を見せるが、晃貴はパンチを主体にアグレッシブに攻め切り、延長のマスト判定をものにした。

 晃貴は試合後のマイクで「まだ一度もK-1に出たことがないので、6月両国のK-1に出させてください。お願いします」とアピール。そして「Krushのチャンピオンになって武尊くんに肩車してもらって写真撮るのが夢だったんでいいですか?」と同郷の先輩である武尊に肩車をしてもらい満面の笑みを浮かべた。

鈴木(左)は得意の左ミドルで試合の主導権を握った(撮影・三村諒)

スーパー・ライト級は鈴木勇人が松下大紀にKO勝ち
 第2試合では「第7代Krushスーパー・ライト級王座決定戦」が行われ、鈴木勇人が2R36秒、KOで松下大紀を破り、王座に就いた。

 すっかりおなじみとなった松下の試合前のメンチ切りなのだが、今日はいつもよりやや長め。

 試合はサウスポーの鈴木が放つ左ミドル、ローのうち終わりに松下が右ロー、右ストレートを打ち込んでいくといった展開に。松下が連打を放つが鈴木はがっちりガード。ならばと松下はボディーフックのラッシュからヒザをボディーに打ち込み、追い込むが鈴木のガードは崩れない。

 2Rに入ると鈴木はいきなり仕掛け、左ミドルで下がらせると左のヒザから左ミドルをボディーに叩き込むと松下はダウン。立ち上がった松下がパンチを振って前に出るが、鈴木は左ミドルを脇腹にクリーンヒット。松下はうずくまるようにダウンし、鈴木がKO勝ちを収めた。

 鈴木は試合後の会見で1Rに松下の右ストレートをもらい左目がほとんど見えない状態になっていたことを明かした。

江川(右)は終始アグレッシブに攻め続けた(撮影・三村諒)

西京春馬が約7カ月ぶりの復帰戦飾れず
 メーンイベントとなった第3試合ではKrushフェザー級タイトルマッチが行われ、挑戦者の江川優生が2-0の判定で王者・西京春馬を破り、ベルトを腰に巻いた。

 西京は昨年6月の「K-1第2代フェザー級王座決定トーナメント」以来の試合となる。

 江川は1Rからローキックからのパンチの連打、パンチの連打からのロー、ミドルでペースをつかむ。

 約7カ月ぶりの試合となる西京は自分のペースがつかめないまま打ち合う場面が多くなるが、これはどちらかといえば江川の土俵。距離を取って組み立て直したいところだが、江川はパンチとキックの連打で距離を詰め、主導権は渡さない。激しく打ち合うが、江川の有効打が目につく展開となる。

ジムの先輩王者・武居由樹(右)もリングに上がり江川を祝福した(撮影・三村諒)

江川は試合後「K-1のリングのチャンピオンを獲りたい」
 3Rになって西京が打ち勝つ場面も見られるようになるが、時すでに遅し。ジャッジ2人が3Rを通じてアグレッシブな攻撃を続けた江川を支持し2-0で江川が判定勝ちを収めた。

 江川は判定結果が出ると涙を流した。そして試合後のマイクで「ベルトを獲ってやっとスタート地点だと思っているので、上のリング、K-1のリングのチャンピオンを獲りたい」とアピール。

 試合後の会見では「勝ったいまでも実感がなくて変な感じ。(西京は)やっぱりトップでやってるだけあって、ちょっと当たったくらいじゃひるまないので凄い選手だなと思った。終盤はパンチも打ち返してきて、気持ちが強いなと思った」などと試合を振り返った。

王者となった晃貴を武尊が肩車(撮影・三村諒)
「Krush.97」(1月26日、東京・後楽園ホール)
◆プレリミナリーファイト第1試合/Krush女子アトム級/2分3R
●豊嶋 里美(TEAM OJ)(判定0-3=26-30、28-29、26-30)菅原 美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)〇

◆プレリミナリーファイト第2試合/Krushスーパー・フェザー級/3分3R
●足利和正(TEAM Aimhigh)(1R1分4秒、KO)齋藤祐斗(JK TRIBE)〇

◆プレリミナリーファイト第3試合/Krushスーパー・バンタム級/3分3R
●山脇魁斗(隆拳塾)(判定0-3=28-30、28-30、28-30)龍斗(K-1 GYM横浜infinity)〇

◆第1試合/Krushウェルター級/3分3R・延長1R
〇加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS)(判定3-0=30-28、30-27、30-26)海斗(ポゴナ・クラブジム)●

◆第2試合/Krushスーパー・ライト級/3分3R・延長1R
〇松本篤人(バンゲリングベイ・スピリット)(判定3-0=30-28、30-28、30-28)迅也(北斗会館浅科道場)●

◆第3試合/Krushライト級/3分3R・延長1R
〇瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)(3R2分59秒、KO)蓮實 光(パラエストラ栃木)●

◆第4試合/Krushフェザー級/3分3R・延長1R
◯伊澤波人(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)(判定3-0=29-28、30-27、30-28)和夢(Gwinds)●

◆第5試合/初代Krushクルーザー級王座決定トーナメント・一回戦/3分3R・延長
◯杉本 仁(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)(2R1分7秒、KO)俊雄(PAL-GYM)●

◆第6試合/初代Krushクルーザー級王座決定トーナメント・一回戦/3分3R・延長1R
◯K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning)(2R1分13秒、TKO ※タオル投入)工藤勇樹(エスジム)●

◆トリプルメインイベント第1試合(第7試合)/第4代Krushバンタム級王座決定戦/3分3R・延長1R
●萩原秀斗(K-1ジム総本部チームペガサス)(延長判定0-3=9-10×3/本戦0-1=28-30、29-29、30-30)晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)◯

◆トリプルメインイベント第2試合(第8試合)/第7代Krushスーパー・ライト級王座決定戦/3分3R・延長1R
●松下大紀(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)(2R36秒、KO)鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)◯

◆トリプルメインイベント第3試合(第9試合)/Krushフェザー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
●西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)(判定0-2=29-29、28-30、29-30)江川優生(POWER OF DREAM)〇