錦織圭 4年前の全豪オープン、偶然の重なりで生まれた一枚【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

撮影/文章:長田洋平 (2015年1月26日 全豪オープン 男子 4回戦)

今からちょうど4年前、オーストラリア・メルボルンでは少し珍しいことが起きていた。

4年に一度行われるサッカーアジア杯と、テニスの全豪オープンという2つのビッグイベントの日程が奇跡的に重なったのだ。

しかも会場は道路を挟んでほぼ斜向かい。

僕はこの時、サッカーをメインにオーストラリアを巡っている最中で、予選リーグ第3戦が行われるメルボルンを訪れてからはテニスとサッカーの会場を行き来する日々を送っていた。
この珍妙な光景に居合わせることが出来た僕はラッキーだった。

この写真は少なくとも、もう2つの偶然が重なって撮れた一枚だ。

まず一つは、とても地味ではあるがサッカー日本代表の試合と時間帯が被らなかったこと。

そしてもう一つは、お目当ての選手、つまり錦織圭の試合が良い時間帯に行われたことだ。
テニスの試合時間はその日にならないと分からない。朝イチもあれば深夜近くになることもある。
その時々で異なる顔の写真が撮れるのだが、その中でも僕は太陽が低くなる時間の撮影が好きだ。

ボールを強打するその度に、フェルトの繊維が逆光に輝く。
ハードなスポーツの中にあって、異質なくらい美しい光景が広がるその時間は、いつまでも撮っていたいと思わせるプライムタイムだった。

■カメラマンプロフィル
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。

アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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