山田崇太郎が決勝で3人抜き!「TEAM CARPE DIEM」が優勝【2・3 QUINTET FIGHT NIGHT2】

 桜庭和志がプロデューサーを務めるグラップリングの格闘技「QUINTET」の2019年第1弾大会「QUINTET FIGHT NIGHT2 in TOKYO-Japan Open Team Championship 2019-」(2月3日、東京・アリーナ立川立飛)で「TEAM CARPE DIEM」が決勝で「TEAM NEO JUDO」を破り優勝した。

山田(後ろ)はスリーパーで出花を破り3人抜きを達成(撮影・蔦野裕)

柔道チームは松本の一本勝ちで先制も山田を止められず
 決勝では副将の山田崇太郎が柔道チームの中堅・松本光史、副将・吉田善行、大将・出花崇太郎の3人を抜く活躍を見せた。

 決勝は先鋒同士の小見川道大vsトーマス・ミッツ、次鋒同士の小澤幸康vsレダ・メブトゥシュがともに時間切れ引き分け。中堅同士の松本vsデヴィッド・ガルモ戦で松本がバックを取られながらもクロスしたガルモの左足を自らの両足で極めるニーロックで一本勝ちを収め、柔道チームが先制したものの、副将の山田がネッククランクで松本を退けると、続く吉田にも松本戦同様、ネッククランクを決め、一本勝ちで形勢逆転。大将の出花にはなかなか攻めきれない場面もあり指導も出されたが、最後はオモプラッターから移行したスリーパーホールドで一本勝ちを収めた。

 山田は昨年9月に行われた「Amateur QUINTET.1」では5人抜きも見せており、グラップリングの確かな実力を見せつけた格好となった。

ハイサム・リダが膝十字固めで一本勝ち(撮影・蔦野裕)

昨年ブレイクしたハイサム・リダが今回も秒殺一本勝ちを披露
「TEAM CARPE DIEM」は1回戦では「TEAM SOLDIER」と対戦。先鋒同士、次鋒同士と時間切れ引き分けに終わり迎えた中堅同士の対戦で、昨年9月の「QUINTET.2」で怒涛の3人抜きを見せブレイクしたハイサム・リダがわずか24秒でデクラン・ムーディーをアンクルホールドからの膝十字固めで破りリード。リダは続く副将のイゴール“ファットニンジャ”タナベとは互いに攻め切ることができず、両者に3度の指導が出て失格となったが、最後は副将の山田が相手の大将の中村勇太をギロチンチョークで破り決勝に駒を進めた。

優勝したTEAM CARPE DIEMの5人

山田「団体戦なので、自分個人よりもチームが勝つことが大事」
 山田は試合後の会見で1回戦については「チームの仲間がいて、ハイサムが強いイゴールを抑え、後ろにもトーマスがいる中で戦い、自分は結果的に一本で勝てて良かった。いい勝ち方だった」、決勝については「しっかり戦えて、みんなの力でいい結果で終われた。(中村戦については)ドローでいいというか、団体戦なので、僕が勝つことより、相手を疲れさせてハイサムにつなげることを考えた。自分が一本取れなくて、フィニッシュされても相手が疲れてくれればいい。団体戦なので、自分個人よりもチームが勝つことが大事。僕が3人抜いてもチームが負けたら意味がない」などと振り返った。そして今後について「海外、ヨーロッパでもこの5人で勝ちたい」と話した。

出花は飛びつき腕十字でミノワマンを秒殺(撮影・蔦野裕)

柔道チームの出花は1回戦でミノワマンに24秒一本勝ち
「TEAM NEO JUDO」は1回戦で「TEAM U-JAPAN」と対戦。先鋒同士の戦いで出花がミノワマンを飛びつき腕十字でわずか12秒で一本勝ちを収め波に乗ると、出花は次鋒の所英男にもエゼキエルチョークで一本勝ち。中堅の高阪剛と時間切れ引き分けと3人を片付けると、次鋒の吉田が中村大介と、中堅の松本が横井宏考と時間切れで引き分け、2人残しで決勝に進んだ。

桜庭が腕十字で一本取るも離さずレフェリーが止めに入る(撮影・蔦野裕)

桜庭和志のエキシビションマッチの相手は審判の美木航
 この日、桜庭和志はエキシビションマッチで出場した。

 前日の会見で「まだ相手が決まっていない」とぼやいていた桜庭は入場すると「まだ対戦相手が決まらないので、僕が仕込んできました」と言うや、審判を務めていた美木航に歩み寄るとそのスーツを脱がせにかかる。最初は戸惑っていた美木だがスーツを脱がされるとその下には試合用のコスチュームが…。

「今はやりの一本ありのエキシビション」とコールされ試合が始まると、桜庭が30秒も経たないうちにアームロックでタップを奪う。これで試合終了かと思いきや、なぜか試合は続行。桜庭は対格差を生かし、美木をリフトし、落としてからの流れるような腕十字でまたもタップを奪う。タップ後も技を解かない桜庭に審判団が試合場にあがり慌てて2人を引き離す。なおも試合は続き、今度は美木がスリーパーを狙い攻め込む場面もあったが、桜庭がアキレス腱固めに切り返したところで4分が経ち試合終了となった。

 桜庭は「今年で50歳なんで、これはきついです」とややぜいぜい言いながら挨拶。階段になっている花道をのぼりながら、最後の1段でこけてみせるなど最後までファンを楽しませた。

 桜庭は大会後に「TEAM CARPE DIEMは強かった。選手は(CARPE DIEMの)ハイサム選手と(柔道チームの)出花選手がよかった」と総括。そして「微妙なところなんですが、もうちょっとルールを変えていって、もっと面白いものを作りたい。何回かやってきてチーム戦の面白さは分かり始めたと思うのですが、8分間で極め合いをしてほしいということなので、もっと動きというか…動けばいいってもんじゃないけど、知らない人でも分かりやすいように、野球やサッカー、バスケは知らない人が見ていても分かる、そういう感じにしていきたい」などと話した。

QUINTET初の女子の試合は湯浅麗歌子が一本勝ちを収めた(撮影・蔦野裕)
「QUINTET FIGHT NIGHT2 in TOKYO-Japan Open Team Championship 2019-」(2月3日、東京・アリーナ立川立飛)
◆第1試合
「TEAM NEO JUDO」vs「TEAM U-JAPAN」
◯出花崇太郎(12秒、腕十字固め)ミノワマン●
◯出花崇太郎(3分23秒。エゼキエルチョーク)所英男●
△出花崇太郎(4分引き分け)高阪剛△
△吉田善行(8分引き分け)中村大介△
△松本光史(4分引き分け)横井宏考△
※2人残しでTEAM NEO JUDOが勝利

◆第2試合
「TEAM CARPE DIEM」vs「TEAM SOLDIER」
△レダ・メブトゥシュ(8分引き分け)セルジオ・リオス・ダ・シルバ△
△デヴィッド・ガルモ(4分引き分け)関根“シュレック”秀樹△
◯ハイサム・リダ(24秒、膝十字固め)デクラン・ムーディー●
△ハイサム・リダ(ともに指導3回で失格)イゴール“ファットニンジャ”タナベ△
◯山田崇太郎(2分3秒、フロントチョーク)中村勇太●
※2人残しでTEAM CARPE DIEMが勝利

◆第3試合 Exhibition match/4分
桜庭和志vs美木航
※桜庭が2本取るもExhibitionのため勝敗なし

◆第4試合 Special Single match/8分
〇湯浅麗歌子(4分10秒、腕十字固め)石黒遥希●

◆第5試合
「TEAM NEO JUDO」vs「TEAM CARPE DIEM」
△小見川道大(8分引き分け)トーマス・ミッツ△
△小澤幸康(8分引き分け)レダ・メブトゥシュ
〇松本光史(2分42秒、アンクルロック)デヴィッド・ガルモ●
●松本光史(1分32秒、ネッククランク)山田崇太郎〇
●吉田善行(3分52秒、ネッククランク)山田崇太郎〇
●出花崇太郎(6分35秒、スリーパーホールド)山田崇太郎〇
※2人残しでTEAM CARPE DIEMが勝利し優勝