木村拓哉、人生初の“映画館潜入”鑑賞「見終わった方は、こういうことを話してるんだ、と…」



 大ヒット公開中の映画『マスカレード・ホテル』の舞台挨拶イベントが4日、都内にて行われ、主演の木村拓哉が会場内に“潜入”し、観客を驚かせた。

 同作は、東野圭吾によるベストセラーシリーズ第1作目を、木村と長澤まさみの初共演で映画化した話題作。

 この日は、木村が演じる刑事・新田浩介が連続殺人事件の捜査のため高級ホテルに潜入する、という物語にちなみ木村は変装して観客席に“潜入”し、観客と一緒に本編を鑑賞していた。上映終了後、司会から木村が客席の間を通って舞台に上がることが告げられると一気に色めき立つ観客。そこへ、木村がなんと客席から立ち上がって姿を表すと、会場は驚愕のどよめきと大歓声に包まれた。



 潜入ミッションを完璧に遂行した木村。「上映後、客席に明かりが戻って“舞台挨拶開始までしばらくお待ちください”というアナウンスが流れると、たくさんの人がトイレに席を立たれて…」と振り返り「お客様と同じパンフレットを手にしていた方がいいと思い、スタッフに劇場で売っているパンフレットを買ってきてもらって読んでいるフリをしていました」と、新田刑事さながらの潜入っぷりを明かした。当初、この“潜入舞台挨拶”の企画を聞いて戸惑ったという木村だが「見終わったばかりの方はこういうことをお話しされているんだな、と。(感想が)サラウンドで聞こえてきた。これは劇場に潜入しない限り体感できなかったと思う」と感激の面持ちで語った。

「あの辺りにいました」と客席を見渡す木村。隣の人もまったく気づかなかった様子

 客席には座らず、舞台挨拶から登場した鈴木雅之監督は「批判の声は無かったの?」と木村に質問。木村は「なかったです。“思ったよりあっという間だったね!”とか“細かいところまでもう1回、見たい”といった声が聞こえたのがうれしかった」と笑顔。実はこれまで、自身の主演作を映画館に見に行ったことが無かったという木村。「『HERO』も?」と鈴木監督に確認され「見てないです」と、人生初の主演作の“潜入鑑賞”だったことを明かした。木村は「劇中、(長澤が演じる)山岸さんが、なぜ出て行くお客様に行ってらっしゃいませ、と言うのかを語るシーンがありますけど今日、客席で見ていて、その気持ちがよく分かりました。映画館の中で僕らがお客様にサービスできることは、現場で本当に面白いものを作るしかないんだなと。スクリーンに上映されているのを見て“ここはもうちょっとこうだったな”と思っても作り直すことはできない。自分たちには現場で全力で、見てくださる方を楽しませるための用意しかできないんだと、客席で一緒に鑑賞させていただいて改めて感じました」と熱く語り、潜入しなかった鈴木監督に「なんでいなかったんですか」と残念がっていた。

 2週連続で観客動員数1位。2月3日までの公開17日間で動員207万人、興収26億円を突破するという大ヒット中の本作。木村も「確かに、自分の周りに本作を見たと言ってくださる方が多い。ジムで顔を合わせると挨拶していた方が、汗だくで腹筋をしているときに“ヒットおめでとう”と(ささやいてきて)。ヒットって何ですか? と聞いたら、この映画を娘さんと見に行ってくださったそうで、その時は満席だったと。うれしかったですね」と手応えも感じている様子。「原作を3作とも読んだのですが(映画の)続編はありませんか」という観客からの質問に、鈴木監督とヒソヒソと話し合った後に「『マスカレード・ナイト』、『マスカレード・イブ』とあって、まだお話自体も完結していませんよね」。期待を込めた会場の拍手に「今、頂いた拍手や質問を(配給の)東宝さんにぶつけます」と続編にも意欲的な様子を見せていた。