パンダ、四川料理、超自然! 2019年は中国・成都に行こう Vol.1「効率よく四川省に行くには?」

 昨年12月、特別法案「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案」が衆参両院で可決されたことで、2019年は土日を含め、4月27日から5月6日まで、10連休となることが決定した。

 「どこに行こうかな」。国内外問わず、そんなことを考えている人は少なくないはずだろう。

 そこで編集部では、2019年一押しの旅行先として、中国・四川省を紹介したい。休みが10日もあれば、考えようによっては、前半を旅行に、後半を家でのんびり過ごす……なんてことも可能。もちろん、全日程を旅行に費やすことだってできる。中国・四川省は、休暇の長短に対応できる豊富なコンテンツ(四川料理、パンダ、風光明媚な観光地、三国志などなど)、さらには、安価、かつ日本からの距離も近いというメリットもある。

 「中国……う~ん」という人もいるかもしれない。しかし、中国は土地々々によってまったく気質が異なる。十把一絡げで扱ってはいけない典型的な国家の代表格と言える。四川省、とりわけ省都である成都の人々は、非常に都会的かつ人情味あふれる人が多い。

 かつては、三国志の「蜀」の英雄・劉備玄徳、近代であれば毛沢東の社会主義路線の諸施策を柔らかに否定し、改革路線を作り上げた鄧小平など、四川省生まれの偉人は、忍耐強く、中央に対する反骨精神が高く、自立心にあふれた人物が目立つ。我々が勝手に抱いている中国人のイメージを、四川省の人々は、軽やかに刷新してくれる。そういう意味でも、四川省は面白い。


四川省までどうやって行くの?


 成都までの直行便は、成田から四川航空やANAの航空券があるが、LCCの春秋航空も視野に入れておくとベターだろう。春秋航空の場合、成都ではなく、四川省から分かれて特別行政市となった重慶へのフライトとなるものの、さほどのタイムロスにはならない。

 何より春秋航空は、定期的にビッグセールを実施している。片道5000円以内で購入できることも珍しくない。上海などに比べると知名度もあまりないため、ビッグセール時に割安価格で購入できる確率も高く、ビッグセールを逃したとしても片道10000円前後で航空券を買うことが可能だ。急な事情で、近日中に行かなければならないといった状況を除けば、空港使用料などを加味しても、往復30000円以内でアクセスできる。浮いた分のお金は、成都の街で使うべし。

 また、春秋航空は午前中(9時台)に出発し、お昼の14時前後に現地到着――といったスケジューリングの面でも◎と言える。ただし、LCCは総じて、機内持ち込み手荷物や受託手荷物の制限などに関してはシビア、ということをお忘れなく。チェックイン時に超過が発覚すると、割に合わない金額を支払うことになってしまう。お土産を購入することで荷物が増える復路に関しては、チケット購入時に「保険」と割り切って、事前加算しておく方が賢明だろう。

 では、重慶から成都まではどのようにアクセスすればいいのか? 中国の新幹線こと高速鉄道に1時間30分ほど乗れば、乗車料金2500円ほどですぐに到着できる。現在は、オンライン旅行サイトでも、事前に中国の高速鉄道を予約することも可能だ。重慶北駅―成都東駅のチケットを購入後、メールアドレスに届いた確認メールをプリントアウトし、窓口でパスポートと一緒に提示するだけで、無事に以下写真の乗車チケットが発券される。必ずしもプリントの必要はないが、スマホを見せるよりも、紙を見せた方が早いので推奨しておく。


 高速鉄道のチケット売り場は、混雑が予想される。時間に余裕のあるスケジュールを確保しておくように。さらに、万が一、希望時間帯が満席といったことも考えられるため、上記サイトで事前予約しておくと、いろいろとスムーズだ。予約をせずに、直接、窓口でチケットを購入する場合は、以下のことを留意してほしい。

 窓口対応するスタッフとは、中国語でのやり取りが基本となる。そのため紙に「日付 行先 時間帯」、この3つを中国語で書いて用意しておくことが望ましい。例えば、「今天(=今日) 重慶→成都 在后17小时(=17時以降)」「明天(=明日)重慶→成都 在后14小时(14時以降)」という具合だ。この3つを提示すると、目の前のディスプレイに該当する鉄道の時刻表が表示され、あとは乗車したい時間帯の列車の番号を筆談で意思表示すればOKだ。

 座席は何も言わない限り勝手に2等席(日本で言う普通席)がチョイスされる。パスポートを提示して、名前とパスポート番号を入力してもらえば発券される、といった具合。発券までは5分ほどだ。中国旅行の良いところは、漢字である程度、意思疎通ができるという点。台湾を旅行したことがある人なら分かっていただけると思うが、これは旅の醍醐味になるほど、優れたポイントと言える。


 念のため、「高鉄」と書いておくと、より早く目的地に到着することができる。中国の高速鉄道はCRHと呼ばれ、いくつかタイプが分かれており、時速300キロ運転をする最高速タイプ「高鉄」、時速200キロ以上で運行する「動車」などが存在する。先の予約サイトを見ても、到着時間に差があるのはタイプが異なるからだ。日本の東海道新幹線で言うところの、「のぞみ」「ひかり」「こだま」があるとようなものだ。

 高速鉄道の乗り心地は、日本の新幹線と遜色ない。座席にはコンセント差し込み口もある。車内販売を行うパーサーに全くやる気がないことを除けば、まるで日本にいるかのよう。やる気がないこともスゴいんだが、人の声が届くよりも先に、車両を駆け抜けるパーサーのスピード感たるや。「競歩か何かの強化選手なのかな?」と思ってしまうほど速い。
 
 最後に、重慶の高速鉄道のターミナル駅は極めてややこしい。重慶は、重慶北駅付近にある北広場に発着する高速鉄道と、お隣の駅・龙头寺駅付近にある南広場から発着する高速鉄道、二つの広場がある。成都方面(成都東駅)へ向かう高速鉄道に乗る場合、龙头寺駅付近にある南広場に行かなくてはいけない。北広場から南広場までは4キロほどあるので、間違えないように。上記チケットの右上に「北広場」と記述されているのを見逃さないように。


 時間に余裕がある人は、重慶で一泊するのも一興だろう。大開発が行われている街の景観は、SF世界さながらだ。長江と嘉陵江に囲まれた渝中区は、マンハッタンのような大都会が広がっている。その中に、名物の「重慶火鍋」が所狭しと並び、「重慶小面」と呼ばれる辛みがすさまじく食欲をそそる麺料理を提供する店舗が、原色の妖しい光とともに活況に包まれている様子は、胸が躍ることだろう。重慶から高速鉄道に乗って成都に行く――。重慶を挟むことで、“より濃い”四川の旅になることは間違いない。

 次回は、成都周辺の魅力的なスポット群を紹介したいと思う。

(文と写真・我妻弘崇)