ウルトラQ「ガラモンの逆襲」上映&トークショーでCGが主流の時代に特撮の魅力を再発見

ガラモン(左)と尾上克郎氏(撮影・オケタニ教授)
特撮監督の尾上克郎氏と三池敏夫氏がスペシャルトーク

 ウルトラマンでおなじみの円谷プロダクションがウルトラマンの魅力を幅広い世代に伝えるべく昨秋、発足したプロジェクト「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」の「『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theater 上映&スペシャルトーク」の第2弾が2月16日、東京都内で開催された。

 この日は特撮監督の尾上克郎氏と三池敏夫氏によるスペシャルトークと「ウルトラQ」より「ガラモンの逆襲」が上映された。

 トークパートは上映を挟んで2回行われ、三池氏は同作について「ウルトラQの28作品の中で最後に作られたもの。最後にみんなの総力を挙げて作った作品」と話し、作品を見るにあたっての注目ポイントとして強制遠近法というミニチュアのセットをいかに広く見せるかという技術を挙げた。

 尾上氏は幼少期を振り返り「円谷英二監督の怪獣が毎週出てくるというのが子供だったので怖かったという記憶がある」としながらも、大人になってからウルトラQを改めて見て「これはすごいと思った。特撮のクオリティーというか作品全体のクオリティーの高さにやられた」と話した。そして見どころとして「ガラモンのキュートさ」と「合成技術の高さ、円谷プロダクションは当時のテレビのレベルではやってはいけないレベルの仕事をしていたことに感動した」といったポイントを挙げた。

 作品上映後には尾上氏は「バレが多い。トラックを止めるシーンの奥で制作部が車止めをしているのが見えた(笑)。今日発見しました。あと、虫が飛んでいた」「いい感じでズームするところは何かのバレを隠すためにあえてトリミングして寄っている感じ。逆にそれがいい効果になっている」などとマニアにとってはたまらない視点のトークを展開した。

 また円谷氏のマインドから学ぶこととして三池氏は「過去の価値観にとらわれずに、いろいろと失敗前提でチャレンジするという精神は大事。失敗した数だけ間違いない確実なことも見えてくる。今は最初から失敗するな、という現場が多くてなかなか試すことができないのが残念。円谷さんの時代は自由度があってよかったんだろうなと思う」などと語った。
尾上克郎氏(左)と三池敏夫氏(撮影・オケタニ教授)
ガラモンのデザインは秀逸

 ガラモンの造形については三池氏は「発想が斬新。ガラモンに関して言うと、破壊のために来た怪獣にしては手が短い。体当たりくらいでしか壊せないんだけど、デザインとしての秀逸性はシルエットでも他にないもの。二つとないデザインが作れるという意味では成田(亨)さんの功績は大きい。あと、実際に怪獣を作った高山(良策)さんのセンスによってウルトラの怪獣が作られた」、尾上氏も「このデザインは思いつかない。元があれば改造できるが、なにもないところからはできないデザイン」などと話した。

 そして最後に尾上監督は「とにかくたくさんの方に見ていただきたい。今日もこんな大きい画面で見て新たな発見もあった。円谷プロのやる、このアーカイブ事業はものすごく大切なことのように思えてきた」、三池氏は「50年以上前のテレビ作品を劇場で見るような時代が来るとは思わなかった。『ウルトラQ』は特別な作品。贅沢な作品。作り手側になって思うのは、これだけの規模のセット、ミニチュアのセット、合成の技、俳優さんも東宝から出演されている。これは二度と作れない。その後のウルトラシリーズにかかわってきたが、あまりに最初に作られたウルトラQのレベルが高すぎて、作り手側は苦しんで、毎回、いいものにしようと思って頑張ってきた。CGが主流の映像の時代になったが、僕らはミニチュアで育ってきたし、これからもミニチュアを残す努力はしていきたい」などとそれぞれ話した。

 この「上映&スペシャルトーク」は6月15日には『東京氷河期』での開催が予定されている。