三宅健「身も心も捧げたい」六本木歌舞伎『羅生門』開幕



 市川海老蔵と三宅健が出演する、六本木歌舞伎の第三弾『羅生門』が22日、EXシアター六本木で、初日を迎えた。

 海老蔵と三池崇史監督がタッグを組んで展開している六本木歌舞伎の第3弾。生きるための悪、人間のエゴイズムを描く、芥川龍之介の小説『羅生門』を、歌舞伎で表現する。

 初日公演の前に行われた公開舞台稽古では、歌舞伎ならではの世界観や演出、六本木歌舞伎ならではのユーモラスな表現も組み込みながら、重みのある物語を表現。独特な言葉の表現などはかみ砕いて自然に説明した。休憩を挟んで序幕二幕で1時間半を超える舞台の間、観客はずっと前のめりで、登場人物の一挙手一投足にくぎ付けだった。



 さまざまな演出のなかでも、海老蔵演じる市川海老蔵と、三宅演じる下人のやりとりには笑いがこぼれた。今後の公演でもどんなことが行われるのか楽しみだ。公開舞台稽古では、老婆や「市川海老蔵」など何役も演じている海老蔵が「大変なんだよ」とぼやいていたが、劇中、海老蔵がどこにどんな役でどんなふうに登場すかも見どころといえそうだ。

 3月10日まで同所で。その後、大阪・オリックス劇場、札幌のわくわくホリデーホールで公演がある。

海老蔵演じる、市川海老蔵

初日に向けた海老蔵と三宅のコメントは以下の通り。

■市川海老蔵
第三弾となる六本木歌舞伎『羅生門』、本日初日の幕が開きます。
演出には第一弾から続けて三池崇史監督に、そしてこの度は、三宅健さんをお迎えして、ついにこの日を迎えました。
観て頂く皆さまに、『羅生門』の世界観を感じ取って頂けたらと思います。

■三宅健
海老蔵さんをはじめとする、歌舞伎の世界の方々とご一緒させていただき身の引き締まる思いです。皆さんとお芝居をさせていただく中で、時代も空間も飛び越えた真に迫る表現力の凄さを目の当たりにしています。来る日も来る日も修練を積み重ね、歌舞伎俳優という人生を生きて来た人の凄さを今この眼で見届けられることに感動しています。
そんな方々とご一緒させて頂けることに日々感謝と敬意を払い、ひと公演ひと公演を噛み締めながら大切に演じていきたいと思います。そんな厳しい荒波の中で揉まれて、この公演が終わった時には一皮も二皮もむけたタフな漢になれるよう精一杯努めたいと思います。そして、強面な見た目とは裏腹にとっても優しい人柄の三池さん。三池さんの描く独創的な羅生門の世界にこの1ヶ月どっぷりと浸かり私の身も心も捧げたいと思います。