いま日本になぜ“子ども食堂”が必要なのか。映画『こどもしょくどう』

監督・日向寺太郎

ここで描かれていることは、今の日本では誰にでも起こりうる



 2人が現実に体験していなくてもユウトやミチルの気持ちは分かると思った、と監督。

監督「もちろん普段、車の中で生活している子に会うことはまず無いでしょう。でも会ったとしたら、と考えた時に、この子たちにとって分からない感情というものは無いだろうと思いました。だから、段取りやリハーサルをせず、最初の瞬間に湧き出た感情をとらえるほうがいいと思ったんです」

 これからどうなるのか知る由もない子供たちの切実な思いが、スクリーンからヒリヒリと伝わってくる。2人も自分なりにこども食堂について調べてみたという。

鈴木「この作品をきっかけに、ネットで調べてみたらホームページがあって、実際に活動している人たちのところに、ご飯とか野菜とかを寄付できるということを初めて知りました。この映画を見て、自分にも何かできないかなと思ったときに、こういうことから行動すれば少しは何か変わるかもしれないと思いました」

藤本「僕もニュースなどで存在は知っていたんですけどあまり詳しくは知らなかったので今回、自分なりに少し調べてみて、日本の大きな課題として貧困問題があるということと、そのための助けになるような活動もたくさんあるということを知りました」

鈴木「この映画を通して、苦しんでいる子供がたくさんいるということを多くの人に知ってほしいですし、食事に困っていたり苦しんでいる子にもこういう場所があるんだということを知ってもらえたらいいなと思います。最近、虐待のニュースとかも多いので、自分に何ができるのかとか考えたときに、専用の相談ダイヤルがあることを調べたりしました。何か気づいたら勇気をもって行動したいと思うし、この映画を見てそう思ってくれる人が増えたらうれしいです」

藤本「普段はなかなか気づかないかもしれないけど、同年代の子どもたちの中にもミチルやタカシみたいな子がいるかもしれないって考えてみてほしいです。ユウトはちょっと変わっているのかもしれないけど、周りの人のつらい気持ちに気づくことができる子なのかなと思います。タカシがいじめられていることに気づいていて助けることはできなくても、友達の輪に入れたりしているし、ミチルたちのことも助けようとしたし。ユウトみたいに気づいて行動できればいいですよね」

鈴木「私も学校に行けばみんな普通に生活できている子ばかりだけど、それが当たり前と思うんじゃなくて、そういう生活ができない子もいることを知っておかないといけないと思う」