いま日本になぜ“子ども食堂”が必要なのか。映画『こどもしょくどう』

ユウト役・藤本哉汰
 もし近所にユウトの家の“子ども食堂”があったら…?

藤本「僕だったら、行ってもいいか聞いて、ユウトだったら全然来ていいよって言うと思うし、ユウトの友だちだったら一緒に遊ぼうよって行って、そこにいる子たちとも仲良くなってみたいです」

鈴木「もし自分がミチルのような状況にあったら、温かいご飯を食べられたりみんなと話すことができる場所があれば行きたいと思うはず。食事に困っている子だけじゃなくても、コミュニケーションの場所として温かい場所があるっていいことだなと思います」

 社会のひずみに直面する子どもたちを演じ切った2人。

監督「完成した作品を見てどうでした?」

藤本「いい映画だなと思いました。最後、ミチルとヒカルがこの先どうなるんだろうと思って、ちょっと悲しくなったけど。続きはどうなるのか、気になる終わり方でした」

鈴木「確かに私も気になりました」

監督「それはね、この物語が“これでおしまい”となったらダメなんだと思ったんだ。藤本君が言ってくれたように、あの後ミチルとヒカルはどうなるのかなとこの映画を見た人も思ってくれるのが、一番いいことなんじゃないかなと思う」

2人「あー、そういうことかあ」

監督「この映画で描かれていることは、今の日本では誰にでも起こりうること。特別なことではないと思います。現在、子ども食堂の数は全国で3000カ所にものぼっています。もともとは温かい食事を1日1度でも子どもたちにと、この映画のようにして誕生したんですが、今ではもう少し幅を広げ地域の場所、新しい共同体になっているところも多いんです。今子ども食堂がなぜ日本に増えているのか、どのように必要とされているのか、この映画をきっかけに考えてみていただければうれしいです」

(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)