【インタビュー】高良健吾 × 多部未華子 映画『多十郎殉愛記』で名匠・中島貞夫監督が20年ぶりに復活!

高良健吾:ヘアメイク・森田康平、スタイリスト・秋月洋子 多部未華子:ヘアメイク・中西樹里、スタイリスト・秋月洋子(撮影・辰根東醐)

84歳のレジェンドは情熱的でチャーミング!



 本作以外についても監督から多くの話を聞かせてもらった、と2人。

高良「これまでの現場で、こんな方がいた、とか太秦の歴史とか、監督は本当にいろいろなことを話してくださいました。同じ話でも、そのつど面白いポイントを変えて話してくれるので。話が本当に面白いんです」多部「去年のちょうど今ごろ、撮影現場にあった大きな桜の木の話をしてもらいました」

高良「あったね、大きな桜の木」

多部「この桜の木は太秦のものじゃなくて個人の方の土地の桜の木なんだよ…って。もちろんお話もとても面白いですけど、私はそんな監督がとにかくかわいらしい方だなと思ってしまって…本当に失礼だと思うのですが。もう、愛おしいというか」

高良「分かる分かる。それは今回の現場の全員が思っていたんじゃないかな。それくらいチャーミングな方なんです。こうして年を重ねられてこれほどキュートでいられるなんて、奇跡じゃないかと思う。あんなかわいいおじいちゃんになれたら最高でしょうね」

高良が演じる多十郎は、東映時代劇黄金期の主人公そのもの。そんな多十郎に思いを寄せるおとよもまた強く美しい幕末の女の姿を現代によみがえらせている。

高良「でも僕としては、この時代に生きる男を表現するうえで、セリフ一つひとつすべてが難しくて、こうして終わってみても自分の中で思うところがたくさんあるんです。自分に対して伸びしろを感じることもできたからこそ、そこに関しては悔しさも残っています」

 中島監督の思いに見事に応えた2人。

高良「監督はすごく多部さんの話をしていたんですよ。会うと多部さんの話、というくらい(笑)」

多部「話されていたというのは聞きましたけど、どんな内容かは聞いてないんです(笑)」

高良「多部さんがいかにすごいか、という話です」

多部「監督は、高良さんのことをかつての菅原文太さんに似ている、とおっしゃっていましたよね。監督から“文ちゃん、文ちゃん”て呼ばれていたでしょう(笑)。私は最初、誰のことだろうと思っていて、スタッフさんから高良さんが菅原文太さんに似ているから、監督がそう呼んでると伺って、すごいなって」

高良「でも“文ちゃん”なんて呼ばれて僕が振り向くのも変じゃないですか。“高良ちゃん”と呼ぼうとして間違えて“文ちゃん”と僕を呼んでいるのは分かっているんだけど、菅原文太さんだなんて恐れ多すぎて、振り向くに振り向けないですよ(笑)。しかもそれが途中から“けんちゃん”になって」

多部「あはは(笑)」

高良「高倉健さんの話もされていたから、高倉さんの健なのか高良健吾の健なのか…と聞いてみたところ、それも高倉健さんだというから、これもまた振り向きづらくて(笑)」

多部「今は何と呼ばれていますか?」

高良「“高良ちゃん”になりました(笑)」

『極道の妻たち 決着』を最後に映画の現場から離れていた中島監督は、今回のキャスティングをプロデューサーに一任。しかし現場に入ると監督は2人の姿勢と才能にほれこんだという。今の2人は中島監督にとって20年ぶりの看板俳優とミューズになったに違いない。
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)