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2006年10月24日

 

第7回 江東区深川~富岡

残るもの消えるもの。最古の鉄橋と路地裏の店

 深川から富岡八幡のほうに向かって首都高をくぐり、脇道をのぞくと八幡堀遊歩道ってのがあって、中央部に色は赤、全長10m程度、幅3m弱といったところの鉄橋が架かっている。日本最古だそうだ。「ん?マジで?鉄橋として?この小ささが?何をして最古なの?ほんとかよ~」なんて疑いつつも、これがまあ~愛くるしい感じでねえ~。好きでたまに訪れる場所のひとつなんだけど。

 猫もたくさんいてね、20匹ほどかな。これがどいつもこいつも横綱級のデブで、猫のくせに昼行灯。他人が近づこうが身じろぎひとつせず面倒くさそうに「ミャ~」と応えるだけで随分と腹の座った野良なわけですが。餌をあげてるお婆ちゃんがいてね、毎回必ず見かけるってことは欠かさず世話をしてるって事なんだろうな。立て看板に「猫に餌をやるなっ!」なんてデカデカと書いてある真横で「餌代が馬鹿にならなくてねえ~」なんてニコニコしながら話をしてくれる。彼女にとってもそれが日々の糧なのかもしれない。手押し車に満載の餌で、丸まった背中で。赤い鉄橋と、猫と、お婆ちゃん。なんだかわけわからないその風情がとてもいい感じ。

 橋を渡って住宅街を抜けると、富岡八幡宮と深川不動尊。そこの門前道はちょっとした仲見世になっていて、休みの日には屋台も出てにぎわってる。美味い甘酒屋があったりね、裏道にも総菜屋とかいろいろあって、ほらそこの角を左に曲がれば入り口が焼き鳥屋の細い路地があってその先に………なんと!なくなってた。両隣りも店仕舞いしてた。牡蠣フライとか鶏のから揚げとか、1個2個つまみ食いしながら散策するのが楽しみだったのになあ、移転なら良いのだが…。先日テレビの番組で全国の商店街がどんどん姿を消していくって話をやっていて、何処も必死で生きながらえるアイデアを模索しているのが現状だ…なんて言ってるのを耳にしたばかりだ。街の風情とか人情ってのは何処へいってしまうのだろうか。巨大なスーパーや、いつ行ってもやってる便利なお店もありがたいと思うけれども、相手の顔の見えない商いってものには、寂しさを禁じ得ぬのう~~。

 帰り道、ちょっと足を延ばして清洲橋が見える川沿いの遊歩道まで歩いてみた。深川に住んでるというこのコラムの読者の方から「夜の清洲橋がとてもキレイ」というメールを頂いてのことだが、なかなかどうして昼間も悪くないよ。ハゼがよく釣れる時期だし。以前はダンボールハウスに住んでる人がちらほらいて、皆さんも釣り糸垂らしてて。大漁の際には開いて干物にしたり一斗缶使って薫製にしたりで上手に保存食作ってるんだな。酒瓶土産に持って酒宴に交ぜてもらったりしたこともあったなあ。夜釣りしながら一緒に一杯!とかね。「リストラされて、かあちゃんと子供が出ていっちゃってねえ~」なんて切ない話をしてくれた親爺さんと一緒に銀杏炒ったこともあったな。ハウスの中が「図書館かよっ!」なんて学者みたいな爺さんがいたりね。ちょっと辛い状況とか心境に在る事以外はなんら“違う”人たちじゃないわけで、そこに遊びに行くのか?っとまあ普通はお思いでしょうが、はて、例えば、高級スーツを身にまとい摩天楼を奔走してる姿のほうが人間らしいのか?と問うてみれば、その実、裏側はのぞいてみなければ、けっこうわからないものやもしれませぬ。

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カメラ目線のネコ。後ろの赤い橋が、日本最古の鉄橋 総菜屋がなくなってた路地。旨かったんだけどね、残念 夜はライトアップされるという清洲橋。昼でもいい眺めだ