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第27回 杉並区大宮~荻窪

素敵なおばあさんと裸のおじいさん

 42歳の誕生日を迎えた8月18日、吉川は両国国技館でCLUB JUNGLE TOUR "TARZAN!"のファイナル公演を迎えた。国技の聖地でわき上がる熱気に包まれたままライブを打ち上げ、それから4日後、取材リクエストに応えた吉川は、真夏の路地裏に姿を現した。集合場所は井の頭線の永福町駅。井の頭通りを渡り、方南通りへと続く商店街のひとつ脇にある細い道を、最初の目的地となる大宮八幡宮へと向かう。

 まず見つけたのは、とある店の看板。「ラーメン・レストラン…。ラーメンだけどレストランってすごいよね(笑)」。通り過ぎてみると普通のラーメン店だ。名前勝ちなのか。「米店って看板があるけど、“こめてん”って読むのかね。いつも口では“こめや”って言うじゃない」。普段気にしないことが実はよく分からなかったりして、路地裏ではそんな他愛もない会話が似合ったりもする。

 大宮八幡宮は、大きな鳥居が参拝客を迎える立派な神社だ。門をくぐると、右に『男銀杏』、左に『女銀杏』の巨木が茂っている。銀杏好きの吉川だが、ここで注目したのは、2000年前の種子から育てた蓮。それは本殿に向かって右の柵の中に保存されていた。「今日は花が咲いてないけど、この間来たときは綺麗なピンク色の大きな花がついてたんだよ。開く直前だったけど、女の人の顔ぐらいの大きさでさ」と、同行スタッフに見せようと撮影したデジカメを取り出し、画像をチェック……。「ああっ、消しちゃった!」。見せたかったのに…と、しょげる吉川だが、咲いたときに撮られた写真が柵にも張ってあり、教えてくれた通りのピンクの大輪を見せていた。

 せっかくだから賽銭をあげてお参りし、ここから今日のウオーキングがスタート。神社から和田堀公園を抜け、善福寺川緑道を往復する10キロ弱のコースだ。

 神社の奥には弓道場があり、入り口に『小笠原流大宮支教場』の看板が。銀髪の女性が弓を引く姿に「外国人だね」と言っていたら、やや高齢の日本女性だった。放たれた弓は見事的に命中。凛とした雰囲気で、小柄ながらスタイルも抜群。「おばあさん?すごいね!ちょっと感動するくらいカッコイイね」。公園を抜け、緑道に入ると、今度は水飲み場で全裸で水浴びするおじいさんに出くわした。「あっ!」。目撃して一瞬立ち止まった吉川。「まあ、暑いからねぇ…。横を通るのもナンだから、向こう側を歩こうか」。橋を渡り、昔ながらの釣り堀をのぞき、サラウンドで鳴り響くセミの声を聴きながら、緑の木陰を、足に心地いい土を踏みしめ一路先へ。「今年はアブラゼミの当たり年らしいよ。出てきた穴がいたるところに開いてて、木の枝に抜け殻がぶわーっとついてる」「(地面に落ちてた)この丸い種みたいなのは、昔、数珠を作ったやつだと思うよ。いろいろ公園を歩いてると、そこにいるじいさんが教えてくれたりするんだよね」「ここの川は藻が生えてて割と水がきれいだけど、コンクリートでかためてあるから水生生物が住み着きにくい。入りたいほどきれいじゃないから、惜しい!って感じ。子供のころは、川といえば入るもんで、魚捕って串に刺して焼いて食うのが楽しかったんだけどね」。

 何もない公園でも、吉川からは自然にまつわる話が次々と出てくる。真夏の日ざしは相変わらず強い。しかし、ひとたび木陰に入ると、クーラーでは味わえない涼風がほてった肌を優しくなでてくれる。やはり公園は都会のオアシス。自然の恩恵を実感するひとときだ。

(つづく)

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永福町で。右が大通り、左が細い路地裏。こんなとき迷わず左に行くのが路地裏ダイヤモンド ラーメンレストラン。小さくてスミマセン… 噂の米店
大宮八幡宮。南参道から入る なんとも男らしい名前ではないか 縄文蓮。ピンクに見えるのは残念ながら写真
八幡宮本堂 境内には烏骨鶏(うこっけい)がいた 江戸時代に始まった“担石”の神事に用いられる力石。吉川も「俺も担いでみようかな~」とポツリ
しんとしたたたずまいの弓道場 八幡宮を抜けると和田堀公園 「いいねぇ、この釣り堀」。売店&食堂のレトロ感も◎
緑道で拾った木の実。数珠になるという。菩提樹(シナノキ)? 燦々と照る太陽に向日葵はよく似合う セミの抜け殻。本体はただいま短い夏を満喫中。今年はセミの当たり年とかで、緑道には驚くほどたくさんのセミの抜け殻が

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