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第61回 千代田区日比谷公園散策

アスレチックでは雲梯をやろう!

 日比谷野音の裏側にあるフリースペースでは、ランチの後にくつろぐビジネスマンがおしゃべりに花をさかせていた。そこにウオーキングスタイルで現れた吉川。野音の思い出を聞きながら、都心のオアシス・日比谷公園探索に向かった。

「デビュー当時、最初に野音でライブをやったのは、中川勝彦さんと、PJと一緒だったかな。尾崎(豊)もエントリーされてたんだけど骨折したかなんかで出られなかった…確かそんな記憶があるけど、尾崎も中川さんも逝っちったからなあ…。あとは本田恭章とやったり、アンさん(アン・ルイス)がやってた“6月9日はロックの日”っていうイベントにも出てたし、結構やってるね。都心で大きい音が出せる野外ってここぐらいで、音は決していいとは言えないけど、やっぱり開放感があって気持ちいいよね。屋台の出店もできるから、一度ウチもライブのときに店出したことがあるよ。グリーンカレーと、普通のお母さんカレーのレシピを俺が書いて、スタッフに作ってもらったんだけど、結構盛況だったよ」

 懇意にしていた筑紫哲也氏の『ニュース23』に出演した際、筑紫さんをひとり客席に座らせ、ステージでひとりアコギをかき鳴らして『せつなさを殺せない』を歌ったのも日比谷野音。そんな思い出もここにはある。

「巨大魚を見せるから」。いつものおかしな誘い文句に乗り、向かったのは公園内の雲形池。池のほとりでは、すでに多くの人が水面に携帯の写メを向けている。「ほら、あれ」。吉川が指し示した先には、想像を絶する大きさの“コイ”みたいなものが悠然と泳いでいた。「草魚かアオウオの類いだと思うけど、中国原産の魚で、まる揚げであんかけになってるやつのデカイのじゃない? 一度、東スポに載ったこともあったよ。『日比谷公園の怪魚』『謎の生き物がいるらしい』と言いながら、しっかり写真が載ってた(笑)」。そして公園のアイドルは、周囲の騒ぎをものともせず泳ぎ去ったのだった。

「公園のアスレチックで雲梯を見つけたら、ぜひトライして! できないことに愕然とするから」。池の次に立ち寄った運動場で、吉川はさっそく吊り輪と鉄棒にぶらさがった。残念ながら雲梯はなかったが、らせん状の雲梯もどきに挑戦。さすがに吉川は軽くこなすが、同行スタッフは全滅だ。「さか上がりや懸垂はできても、雲梯は難しいって、高校の同級生のメーリングリストで流したら、みんな子どもの学校とか行ってやってみたらしいんだけど、できなくて愕然としたって。子どものころはひょいひょいできたのになって。まあ、みんなやってみようよ。きっと東京中で愕然とすると思うよ」

 公園をぐるりと回り、日比谷側の出口近くにくると大きな石のオブジェがあり、大昔にヤップ島で実際に使われていたという「ギャートルズみたいな石のお金」も置いてある。原始的なものを見るとすぐ『ギャートルズ』に例えるのは、『はじめ人間ギャートルズ』の世界が大好きだからだ。「だって、あの世界は人間の夢でしょう」と吉川。「あんなに楽しそうな人間っていないよね。♪なーんにもない、なーんにもないっていう、かまやつさんの歌も、結構せつないけどなんかいいしね。マンモスの骨付き肉とか食えるし、猿酒も呑める。俺も死ぬまでに一度食ってみたいよ」。あの…マンモスは絶滅しましたが…。「だってあの時代、父ちゃんたちは家族を養うのに命がけだよ。マンモスと格闘して肉を取るんだからね…」。日比谷を起点にしたウオーキングはまだ始まったばかりだ。

(つづく)


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向こうの鯉が50センチとして…。巨大魚は太さもすごい! さすが吉川。吊り輪でしっかり体がL字型になってます 公園のネコ。「冬になると何匹かでダンゴ状になってるよ」

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