≪ 第68回 目黒区上目黒~碑文谷 | Home | 無人島の10日間。俺は退化しているのか、進むのか ≫

 

第69回 目黒区碑文谷~武蔵小山

商店街で買うのは心意気

 碑文谷の『円融寺』から裏通りをぐるりと周り、『平和通り商店街』に向かうと、とある角で『創作陶器』という看板を出した食器店に出くわした。吉川は興味津々でウインドウをのぞいている。「和食器の店って寄りたくなるんだよね」。さらに進むと、次に出くわしたのは材木店。店の前の材木をコツコツ叩きながら、「オーク材とチーク材って、どっちが北だっけ? 確かオークが北の木で、チークが南の木。どっちも堅い木だよね」。こういうちょっとした知識は、男子ならではの必須事項なのだろう。「この間無人島にロケに行ったとき、竹が生えてたんだけど、日本の堅い竹と違って成長した後も手で折るとグシャっと曲がる。あれはシナチクだね」。お土産話を聞きながらいよいよ『平和通り商店街』に入ると、静かだった住宅街にちょっとした活気がみなぎってくる。銭湯『月光泉』の看板に書かれた“各種シャワー”という文字を目ざとく見つけた吉川は、その言葉がツボだったらしく「各種シャワーって、どんな?(笑)」と楽しそうに笑った。

 ここの商店街のメインは、魚屋、肉屋、総菜屋などが軒をつらねた一角。さっそく魚屋をチェックすると、「ここはいい魚置いてる」と満足げ。「尾長鯛っていう魚があったけど、高級魚でウマイんだよ。三宅島とか、あのへんの海域で捕れるんだけど、スーパーとかにはあまり置いてないからね」。そして次の魚屋では店先に並んだサンマをツンツンと指で触り、「今年はサンマが豊漁だけど、これ、イキがいいよ。まだ硬直してないし、くちばしが黄色いでしょ」。さらに奥に進むと、煮物や天ぷらなどの総菜がずらっと並んだ一角があった。「イカゲソの天ぷら食いたい!」。さっそく買ってつまみ食い開始。「軽く揚げてあるからイカが柔らかくてウマイね。どうせ住むなら、俺はこういうとこに住みたいよ」。平和通り商店街がかなり心にささった吉川だった。

「スーパーってのは品揃え豊富だし便利で良いけれど、そのぶん味気ないと思うんだよね。値段は高いし、モノだってこういう店ほど新鮮じゃない。それに、やっぱり商売って“人”でしたいじゃない。売る人と買う人が顔を合わせて仲良くなると変なもの売ろうとしないし、昨日のだから半額でいいやってことにもなる。スーパーとかコンビニにはそれがないから。本当にモノしか売ってない。でも、商店街なんか心意気の“意気”も売ってる。人の思いも一緒に取り引きできるから味わい深いし、やっぱり人ってどこまでいっても人間関係だから、そういうことのおもしろさとか大事さは失いたくないなって思うんだよね」。商店街を抜けた路地を進んでいくと、武蔵小山駅へ通じる通りに出た。それを目黒方向に向かうと、「あれ、すごい!」と、あるものを発見。レトロなその建物をのぞくと、そこは貸しスペースやシェアハウスとしても使われているところで、「シェアハウス体験あり」の看板が出ている。「俺、体験してみようかな(笑)」。コーヒーを注文し、セルフで2階に運び、所狭しと並べられた骨董品の中に座って小休止。さて、無人島、どうでした? と問いかけると、「いやぁ、大変だった」と吉川。「でも、ギリギリの思いをして、自分の小ささとか、いろんなことを感じたのは、結果としていい経験だったね」。この後、吉川が語った無人島での思いは、次回たっぷりとお伝えする。

(つづく)

※写真をクリックすると拡大画像が見られます。拡大写真の右側にマウスを重ねると「NEXT」ボタンが現れ、次の写真を見ることができます。

どんなシャワーなのかぜひ試してみたい 商店街の路地でじゃれあう猫。絵になる 食欲をそそる出来たてお総菜がドーン!

トラックバック