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2010年06月28日

 

鼻つまみものが選ぶ曲

 今月の吉川晃司の『エッジ・オブ・ハート』は、高校のアマチュアバンド時代の話に花が咲いた。番組中で「めちゃめちゃマニアックな世界観だった」と紹介したバンドのマライア、そこでギターを弾いていた土方隆行。そして「当時高校生でやってたってのが我ながらスゴイと思う」というほど「大人なバカテクバンド」だったというジノ・ヴァネリ。番組収録前には、土方隆行の音源が古いこともあって、音源があるかないかでしばし議論もあった。「マライアも影響受けたけど、土方さんが出した2枚のソロアルバムからコピーしたことが多かったよ」と吉川。マライアの音源はあったが、土方隆行の音源がなかなか見つからないというディレクターに、「いや、絶対俺家にあるよ。帰ったら探す」。収録は土方隆行の『スマッシュ・ザ・グラス』の紹介で進めるとして、万が一土方隆行の音源が見つからなかったら「この部分だけ収録しなおしに来るから」と約束するほどのこだわりよう。

 そして、打ち合わせをしながらマライアやジノ・ヴァネリの音楽を聞き「懐かしいな、涙が出てくる。音楽っていいよね…」。

「こういうの聞いてコピーするようになったのって、当時俺たちが鼻つまみものっていうかへそ曲がりっていうか、世の中で流行ってるものがイヤだったからかな。大人びた音楽を聞いてるのをプライドにしてたんだよね。“なんだ、お前らまだそんなの聞いてんのかよ?”って(笑)。でも土方さんはまだしもジノ・ヴァネリなんてめちゃくちゃ難しくて、結局すごい苦労したんだけどさ。今だってその辺の普通のプロじゃ無理ってくらい難しいんだ。それを高校生でやろうってんだからバカだよね。でもね、当時、ドラムとボーカルはちょっと怪しかったんだけど、ギターとベースとキーボードのヤツがすっごくうまくて、結構聞けた。今聞いてもイケる(笑)」

 お聞きになった方はご存じだろうが、土方隆行、ジノ・ヴァネリの古びていないキャッチーなサウンドに驚く。そしてまた、今の吉川にも通じるものがあるようにも聞こえるのだ。

「今でも影響はあるよ。キメとかね。ロックなのにフュージョンっぽいキメを使っちゃうのはそれだね。どうしても“ドドッシャ、ドドッシャ、ドドッ、ドンドン”みたいなの入れちゃうんだ。もっと簡単なのにしてくれって嫌がられるんだけど(笑)」

 そんな話を聞いていたディレクターが「高校時代の音、あったら流しましょうよ(笑)」。いつか、番組で吉川の高校時代の音楽を聞く日が来るかもしれない。

今月のオンエアリスト

■吉川晃司『サバンナの夜』
夏!ということで、吉川晃司の夏のナンバー。「夏は海でBBQやりたい」。
■吉川晃司『アクセル』
1996年。「事務所と同じ名前。思わずアクセルを踏んじゃう、前のめりな姿勢」
■土方隆行『スマッシュ・ザ・グラス』
高校時代、同名のアルバムから曲をコピーしていた。思い出の1曲。
■吉川晃司『ポラロイドの夏』
1984年『LA VIE EN ROSE』収録。「今年の夏はキンショウメロンを作る」と吉川
■ジノ・ヴァネリ『Brother To Brother』
「大人のバカテクバンド」と吉川が評したヴァネリ3兄弟の代表曲。
■吉川晃司『南風Honey』
2009年『Double-edged sword』収録。夏の恋を歌うサマーソング

JFN『D.N.A.~ロックの殿堂~』吉川晃司“エッジ・オブ・ハート”……日本に「ロック」という言葉が誕生して数十年。激動の時代を駆け抜けてきたミュージシャンたちがDJとして登場。吉川晃司は毎月第4週に登場。全国14局で放送。※東京での放送はありません。ポッドキャスティング版も配信中!(http://www.jfn.co.jp/dna