神社、金魚屋、桜木立の遊歩道に癒される
四谷見附から外濠公園の脇を歩いて市ヶ谷に向かう途中、新宿からきた道とぶつかるところに三角地帯があって、その広場に3メートルはあろうかという金属製の大きなビックリマークが建ててあった。といってもすこし前の話だが、久しぶりに行ってみたらなんと無くなってた。すぐ隣りが交番なので駐在さんに聞いてみたら「分からない」と言う。勤務して2年という事なので、ちょっと見ない間に撤去されてしまったわけか……。
東京の街ってのは“足が速い”な。そのモニュメントにはね、道行く人々が思わず微笑んでしまうようなユーモアがあって面白かったし、なにしろ気にいってたのでなんだかとても残念な想いがした。
この近くにはもうひとつ気に入ってる場所がある。またしても神社なのだが。
道を隔てて向かいの路地を入った奥にある『市谷亀ヶ岡八幡宮』は、緋色というか神社独特の赤が褪せた感じで残っていて、古い建立物に目がない俺にとっては、時の流れを匂わせる風情がとても心地よい感じ。48段の急な石段を登ると踊り場らしきものがあり、さらに15段上がると境内にたどり着くのだが、この季節、いっきに登るとちょいと汗をかく。なんてことはない小さな社と言ってしまえば、まあそうなんだが、登り口に向かって左脇にはこれもまた猫の額ほどの公園があって、子供用の玩具がふたつと長椅子がひとつ。すぐ対面には流行りの外資系コーヒー屋。一服ぶん飲み物を購入して、例えば夕方なんか最高なんだけど、ボケーっとしながらコーヒーをすする!ってのもなかなかオツなものだったりして。なんら奇麗でもないし、誰も気に留めないような場所なんだが、何かちょっと変な所、とか、いびつな感じ?が妙に気に入るたちでして。今回も、新たに四谷の路地裏にポツっと建ってる祠を見つけたのには結構大喜びだったかな。
目的地の金魚屋は、神社から歩いて数分の市ヶ谷見附の目の前。金魚屋といってもれっきとした釣り堀なんだが、店の中にはいろんな魚が、それも大量に泳いでる水槽がバンバンあって、見てると時を忘れてしまう。いっそのこと、この辺りの堀を大改造して、人間もグジャグジャ泳げるようにしてくれたら面白いかもなあ。いってみれば人間の釣り堀? あはは、こりゃ失言だな。まあ、そんなわけで今回はひとまずここが最終地点だが、近くに友人がやってる店があるのでちょいと寄り道しようかな。
市谷から四谷に抜ける土手沿いの遊歩道は桜並木になっていて、季節がら蝉の幼虫が抜け出した穴とその抜け殻がちらほらと見られる中、たまにデッカい穴があったりして、「ややっ、これはモグラの仕業だな!」。なあ~んて言いながらカップルで散歩するのもいいかもねえ~…って、いいわきゃないか?
友人の店『タンゴーズ・ダイニング』は、元力士の星誕期が店長をやっていて、人形町にももう一店舗あるのかな。十数年前、九州場所を見に行った時に知り合って以来の付き合いで、同じ歳。遠いアルゼンチンから見も知らぬ日本になかば国を捨て出稼ぎにきて、言葉を覚え土俵という戦場(イクサバ)に立ち、戦利品を故郷の親に送る。なんざ、なかなかできる事じゃないし、泣かせる話だよな。そういう心意気、尊敬しちまう。歩いた後に飲んだ果物のジュース、めっちゃ旨かったよタンゴちゃん!
  |
  |
  |
| 市谷~四谷に抜ける森林浴気分の遊歩道 |
色合いがシブイ市谷の『市谷亀ヶ岡八幡宮』
|
ダーツも遊べる『タンゴーズ・ダイニング』
|
≪ 続きを隠す